山崎元氏の「インデックス運用の優位性」理論が理解できない

山崎元氏の投資理論は一見すると理路整然としているように思えますが、よく読むとロジックのつながりがおかしいものがあります。

その結果、なんとなくそんな気がするけど、よく考えると「いや、そのりくつはおかしい」となります。

今回は、インデックス運用の優位性について


インデックス運用とパッシブ運用


「インデックス運用とパッシブ運用は違うもの!?死角はあるの?」という記事を読みました。[外部記事]

その中の「 2.インデックス運用の優位性は投資理論とは無関係だ インデックス運用が優れていることの根拠」という部分に焦点を絞ります。

論旨を引用します。

パッシブ運用、あるいはその現実の形態としてのインデックス運用がアクティブ運用に対して優位に立つ理由は、1つには、「アクティブ運用の平均を持つことが有利だから」であり、もう1つには「取引コストや運用手数料が圧倒的に安いから」だと筆者は考えている。複雑な理論によって支えられている優位性ではないので、その優位性は頑健である。「市場が効率的」であっても、なくても、インデックス・ファンドのほうが優れているのだ。


さて、どうでしょう。

結論である「インデックス・ファンドのほうが優れているのだ」を鵜呑みにしていいのかな。


理論の分解


まず、インデックス運用とは何か。

山崎氏は「インデックス運用は、何らかの指数(インデックス)のリターンの実現を目指すもの」と定義しています。この定義に従います。

インデックス運用は、何らかの指数のリターンの実現を目指すもの。

この定義に従うと、日経平均株価という指数のリターンの実現を目指すものは「日経平均インデックス運用」ですね。何らかの指数なら、バリュー株指数でも、グロース株指数でも、東証の業種別指数でも同じことですが、馴染みがあるものとして日経平均にします。

さて、山崎氏はインデックス運用の優位性として「平均」を挙げています。インデックスの優位点として、

アクティブ運用の平均を持つことが有利だから。

としています。これにコストが低いという点も加わります。


インデックス運用は平均?


さて、ここで考えてみます。

「日経平均へのインデックス投資」って、「アクティブ運用の平均を持つこと」になるの?

バリュー株指数へのインデックス投資って、アクティブ運用の平均を持つことになりますか。

違いますよね。

市場にはアクティビストやESG銘柄に集中投資する投資家もいて、いろんな投資家がいます。ある投資家が特定の銘柄を(一時的にせよ)大量に保有することもあります。ベンチマークを意識しない投資家もたくさんいます。そうすると時価総額ウェイトのTOPIXにしても、アクティブ運用の平均がTOPIXに一致するわけじゃありません。

山崎氏は「優位性は頑健である」と言い切ってますが、私は腑に落ちないです。

現実としてアクティブの勝率は低い・・・という実証の話とは別次元の話です。あくまで理論構成が腑に落ちないという意味です。理論を理解するときは理論として理解し、実証のバイアスは抜きにしないといけませんね。


思うこと


インデックスファンドや指数連動のETFは、分かりやすくてコストも低くて、とてもいい投資対象だと思っています。

残念なのは、なんだかよく分からない理屈をつけることです。

1. インデックス投資=何らかの指数に連動する投資
2. インデックス投資=アクティブ投資の平均

1はその通りだと思いますが、2が成り立つと考えるのは不自然ですし、かなり強引です。

インデックス投資は分かりやすくてコストが低い。

それだけで訴求力があるのだから変な理屈を付けなくてもいいのに。

素直にそう思います。


おまけ、CAPMについて


山崎氏は、CAPMの市場ポートフォリオが最も効率的なポートフォリオという点について、「理論の結論と言うよりも、むしろ理論が成り立つための仮定の一部」と述べています。

え?

もし、それが「仮定の一部」なら、CAPMの結論は何なの?

CAPMは

1. 全ての投資家は平均分散分析によりポートフォリオを選択する。
2. 全ての投資家は全ての金融資産の収益率の平均と分散について同一の予想を持つ。
3. 投資家は効用を最大化するように行動する。
4. 金融市場が完全市場である。

これらの仮定を置いたうえでの均衡モデルがCAPMというのが私の理解です。

で、均衡したときは、みんなが時価ウェイトに応じたリスク資産を持ち、それが即ち市場ポートフォリオ。均衡しているんだから効用最大だし、最も効率的なポートフォリオ、という理解です。

インデックス平均説にしても、CAPM不要論にしても、理論の展開に無理がある気がします。

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