108円台への円高 日銀はまもなく利上げ?

ダボス会議での黒田日銀総裁の発言をきっかけに、為替が108円台の円高になりました。

黒田総裁は「日銀の物価目標の2%に、ようやく近づいている」と発言しました。インフレ率を高めるために、これまでジャブジャブの金融緩和をしているわけで、インフレ率が目標に近づいているなら・・・

ジャブジャブの金融緩和も少し変わってくるかな。緩和の度合いを弱めるかも。

そうすると円高。

といったところでしょう。


為替を巡る発言


黒田発言の数日前に、米国のムニューシン財務長官が「貿易の観点から言えば、弱いドルがアメリカにとってよいことは明らかだ」と述べました。

その後にトランプ大統領が軌道修正の発言をしたり、欧州中央銀行のドラギ総裁がムニューシン財務長官の発言を批判したりと、いろいろあります。麻生財務大臣の発言もありました。

ここ数日の為替はドル安・円高気味ですね。

米国の為替政策はさておき、日本側の要因はちょっと気になります。


黒田発言の裏読み


黒田日銀総裁は、4月に任期満了を迎えます。

日本銀行法によると、総裁の任期は1期5年で再任が可能です。新聞報道を読むと再任説が高いようですね。

ところが、日銀のサイトを見ると、だいたいは5年で交代しています。[参照]

21代総裁、宇佐美洵氏 (1964年12月から1969年12月、在5年)
22代総裁、佐々木直氏 (1969年12月から1974年12月、在5年)
23代総裁、森永貞一郎氏 (1974年12月から1979年12月、在5年)


と、5年ごとに交代しています。

例外的なのは、
27代総裁の松下康雄氏(1994年12月から1998年3月、在3年)です。在年が短いのは「大蔵省接待汚職事件」のスキャンダルで引責辞任したからです。

バブルの後始末の時期ですね。

その後、28代の速水優氏(1998年3月から2003年3月、在5年)から、先代である30代の白川方明氏(2008年4月から2013年3月、在5年)まで、5年での交代になっています。

黒田総裁は2013年から5年です。

慣例を破ることがあるのかな・・・


リバーサル・レート


黒田総裁は去年11月に「リバーサル・レート」に言及しています。

「リバーサル・レート」は、金利を下げ過ぎてマイナス金利になったことで、銀行の利ザヤが圧縮され、銀行が収益を得にくくなり、そうすると貸し出しのリスクも取りにくくなり、まわり回って、金利を緩和することの副作用が起きているという議論です。

金融緩和を強めれば強めるほど、逆効果。

逆効果ということで、リバーサルなわけです。

銀行の収益が圧迫されて銀行が苦しむんなら、それはそれでいいなじゃない。潰れる銀行は勝手に潰れればいいし。という考えもあるでしょうが、金融の仲介機能が蝕まれるという点で、日銀は無視できないはずです。

日銀総裁がリバーサル・レートに言及したのは、金融政策が変わる兆しかもしれません。

副作用が目立つようになったら、軌道修正を図らなきゃいけませんね。


日銀は利上げ?


今日読んだ記事で「日銀はまもなく利上げ、1万円札はなくなると予想する理由」というのがありました。[外部記事]

リバーサル・レートやマイナス金利の「やりすぎ感」について、分かりやすい記事です。

日銀の置かれている状況や最近の為替の動きについて、筆者である宿輪純一氏の見方に概ね同感です。

ただ、「日銀はまもなく利上げ」はちょっと違うかなーと思ってます。ジャブジャブにした緩和を抑えていくのに時間がかかります。国債やETFの購入額を減らしていくのが先で、それでショックがあまりなければ利上げに進めるという順番。

いきなり利上げしたらビックリします。

それに、利上げよりも、イールドカーブのスティープ化(=長短金利差の拡大)が先決かなと思います。政策金利(短期金利)は低いままに維持し、中長期の金利がいい具合に上がってくれるのが望ましいのでは。


日銀のスタンスに注目


日銀は金融政策の方向性を少しずつ軌道修正するかもしれません。

総裁の交代は分かりやすいきっかけになりますし、仮に黒田総裁が再任されたとしても、1期目のようにデフレファイターの色合いは薄まっていくと思います。

いずれにしても、黒田バズーカは封印かなと。

そうすると、欧米の金融政策との関係もありますが、他に何か別の材料がないとすると、円高のリスクを気にしておいた方がいいかもしれませんね。

中央銀行や財務省など、金融当局の政策に要注意。

まずは黒田総裁の再任、後任がどうなるか気になります。

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