年金プア リバースモーゲージとハウス・リースバック

東京新聞の記事で「年金プア」という用語を目にしました。[外部記事]

ワーキングプアから転じた言葉だと思いますが、「年金が少なくて生活が苦しい高齢の年金プア」という表現に違和感です。元記事では月額約5万円の老齢基礎年金だけの77歳の女性(一人暮らし)を取り上げていました。

夫は自営業で、女性が39歳の時に死別しています。夫も女性も会社務めしたことがないようで、厚生年金は加入していないようです。

そういうことなら国民年金(老齢基礎年金)だけですね。


年金制度がそうなっているのだから


元記事は国民年金保険料を払ってきた女性が、老齢基礎年金を受け取っている例です。いわゆる1階部分ですね。

年金保険料の納付が1階部分だけなら、受け取るのも1階部分だけです。

少なく積んだら少なく受け取る。多く積んだら多く受け取る。そういう制度なのだから、「年金プア」と称するのはちょっと違和感です。しかも「年金が少なくて生活が苦しい高齢の」という修飾語が付いてきます。

年金プアを防いで「年金が十分で生活が苦しくない」状態にするには、現役時代に多く保険料を納付するしかなく・・・

年金の1階部分にそれを求めるべきか、という問題になりますね。


年金プアと言うのなら


誤解を招かないように補足しますと、老後の自己責任論とは別の話です。

「年金プア」と称して「年金が少なくて生活が苦しい」ことを取り上げるなら、年金の受け取り額(今回の例では月額5万円)を取り上げるのでは不十分です。

年金保険料の納付についても言及しないといけませんね。

国民年金の保険料は月16,000円ほどです。

保険料を引き上げれば、老後の受取額は上がって「年金が少なくて生活が苦しい」ことは緩和されるでしょう。しかし、一方で、毎月の負担は重たくなります。関係性はシンプルですが、現役時代にどのくらい納付して、老後にどのくらいの給付を見込むかは簡単な話ではありません。

なので、安易に「年金プア」なんて言葉を持ち出すことの軽さが気になりました。


リバースモーゲージ


元記事のメインディッシュはリバースモーゲージです。

だから、年金が少ない人を登場させる必要があったのでしょう。その点は分かりますけどね。

で、元記事の女性は、「年金は少ないけれど資産はある」という人です。230㎡の土地に100㎡の建物があって、資産価値としては2000万円以上あるそうです。

リバースモーゲージに適してる、まさにモデルケースです。


ハウス・リースバック


ちょっと余談。

リバースモーゲージと似て非なるものに、「ハウス・リースバック」があります。

今の家に住み続けられるのは同じですが、家を売って、それを賃借して住み続けるという点で、家を所有したまま住み続けるリバースモーゲージとは根本的に異なります。

家を売ったお金が入ってくるので年金が少ない人には助かる仕組みに思えますが、注意が必要です。人に頼まれて「ハウス・リースバック」の分析をしたことがあるのですが、家の所有権は失いますし、売却額は不利に設定されやすく、住み続けるための賃料は割高に設定されがちです。

私が分析したときは、率直なところ「ハウス・リースバック」はやめた方が無難だなーと思いました。


まとめ、のようなもの


元記事の「年金プア」という言葉に噛みつきましたが、まあそれは言葉の問題ですね。それより、今後、高齢化社会を迎えて資産のキャッシュ化が重要になるかもしれません。

現状、私の知るところでは「リバースモーゲージ」と「リースバック」があります。

相続させる必要のない資産で、それを担保にローンが組めるならリバースモーゲージは検討できますね。その際は借り入れ条件(返済や金利の条件)の確認が必要です。

一方、リースバックは買取や賃貸、買戻しの諸条件を十分に吟味する必要がありそうです。

不動産と金融って、高齢者が食い物にされやすい分野だと思ってます。いい業者や事業主体もいれば、そうでない事業者もいるでしょう。

契約条件をしっかり把握してソロバンを弾くのが大切ですね。

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