カテゴリ:読書感想文 の記事一覧

久しぶりに読書を楽しんだ一日

ポカポカ陽気のいい一日でした。

桜が咲いて散歩日和です。

今回は、ちょとした読書感想文


倒れるときは前のめり


有川浩さんの「倒れるときは前のめり」を読みました。

有川さんの作品は「旅猫リポート」を読んだことがあります。私は猫を飼っていたことがあるので、ついつい感情移入してしまう話でした。

で、今回はエッセイ集です。

小説は間接的に、作家の人柄を感じることができます。エッセイ集はストレートに作家に近づけます。どちらにもそれぞれの良さがありますね。


読書は遊びだ


有川浩さんのエッセイは軽快で読みやすく、共感できる主張が多いです。

「読書は遊びだ」もその一つ。

「読書は遊びだ。本好きは楽しむために本を読む」とあります。くだらない本を読むより、ためになる本を読みなさい、という言葉に反発もしています。

そうですね。

ためになるからといって読む本と、楽しむために読む本は違いますし、両者に優劣は付けられないです。


本を薦めないことがお薦め


親が子供に本を薦めることについてのエッセイもありました。

子供にこんな本を読んで欲しいのだけど、読みたがらない。どうしたら読んでもらえるでしょう、という親からの質問に対する回答の形式です。

回答は明快で「お子さんに本を薦めないことをお薦めします」というものです。

で、そだねーと思ったのは、

子供の読書は「自分で見つける」ことがスペシャルなんです。大人のガイドがついている品物はそれだけで魅力半減。


というところです。

たしかに、小さいころ自分で選んだ本は楽しかったです。


思うこと


本を読むことは楽しい。

以前は読みだすと止まらなくて、一気に読み終えることもありました。このごろは目が疲れやすくなってるので読むペースは以前とは違ってます。

それでも楽しいです。

公園、ポカポカ陽気、木陰。

といったら、本は欠かせませんね。

あと、おいしいコーヒーがあれば、それだけで幸せです。

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読書感想文 週末ちょっとディープなタイ旅

読書の秋です。

「週末ちょっとディープなタイ旅」を読みました。

著者は下川裕治さん。


タイとラオス


「週末ちょっとディープなタイ旅」はタイだけでなくラオスも入ってます。

ラオスの旅行記とはちょっと違いますが、著者の下川さんが見たラオス映画の話も載っていました。なるほどと思ったので引用します。

祭りのシーンがあった。村の人たちが、白い糸を巻いていく。その祭りには音がなかった。しんと静まりかえったなかで、村人がなにか呟くような言葉を口に乗せながら糸を巻いていく。いや、音はある。しかしそれは耳に届かないほど小さい。

ラオスの祭りだった。


ラオスのよさが伝わります。


おだやかに過ごせる国でした


ラオスの地方都市に行ったことがあります。小さなホテルに泊まって、夕方の8時過ぎくらいに何か食べたいなぁ・・・と思って食堂に行ったところ、見事に営業終了でした。

ん~、もっと早くいけばよかった。お腹空いた・・・

近所にコンビニやスーパーはないし、屋台もない。途方に暮れているとホテルの人が、ああいいよ、開けるよ、と言ってくれて何とかなった思い出があります。

食堂には私一人。

麺類ひとつとフルーツを頼みました。東南アジアはフルーツが安くておいしいです。

バンコクのような都会なら夜に賑やかな音楽が聞こえますが、私が行ったラオスの地方都市はまったくそういう音はありません。静かに時が流れていく感じです。

本に書かれていた「音のないラオス」という表現。

経済発展を抜きにして、旅行者の感傷としてはずっと静かな国でいて欲しいなと思います。


タイ旅


タイ国鉄の遅れについて書かれた一章がおもしろいです。

タイの国鉄は遅れることで有名です。タイの人は長距離移動は飛行機かバスを利用することが多いそうです。タイ国内にはLCCが発達していますし、主要都市はバスが結んでいます。国鉄のメリットは運賃が安いことくらいですね。

で、私はタイの国鉄に乗ったことがあります。だいぶ前ですが。

その時の写真

thaitrain.jpg

うまく座れたのでよかったです。

旅先の公共交通機関に乗るのはいいですね。ちょっとだけ地元の人に近づける気がします。


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行ったことのない国の旅行記はワクワク感があって楽しく、行ったことのある国の旅行記は別の楽しみがあります。どちらにしても旅行記は楽しいですね。

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トラさん、あばれる

「トラさん、あばれる」という本を読みました。

児童書(絵本)です。

今回は、読書感想文です。


トラさん、あばれる


本の簡単な内容をAmazonのサイトからご紹介します。[参照]

「行儀よくするのには、もううんざり。騒ぎたい。弾けたい。トラさんは、ずっとそう思っていました。」

お行儀よくするのは疲れますね。弾けたいトラさんの気持ち、同じとらとして共感できます。

解説文が続きます。

「・・・弾けたい。トラさんは、ずっとそう思っていました。」

「だから、」

ん、だから?

「暴れることにしました。」

え?

暴れることにしたの?


だから、暴れることにした


だから、暴れることにしました。

ん・・・

いいと思います。

暴れるといっても大声で吠えるだけです。

あとは窮屈な服や帽子を脱ぎ捨てて、裸で水浴びをするくらいです。

小動物に襲い掛かって食べちゃうとか、だれかれかまわず牙を向けるとか、「むしゃくしゃしてやった、誰でもよかった」みたいな行動はとりません。

児童書で無差別テロはさすがにまずいですからね。


都会のトラ、森に入ってご満悦


主人公のトラさんは都市部に住んでいます。

きちっとした服を着て、シルクハットをかぶって二足歩行で生活しています。街を行く他の動物もそうです。

そういう生活を窮屈に感じることはあります。

で、トラさんは思い切って吠えました。ただ近所からクレームが来たので、森に移動して吠えながら自由に走り回ります。森の中では二足歩行を捨てて四足です。自然に戻ったわけですね。

興味深いのは森の生活で終わらないことです。「トラさんは都会の生活を捨てて野生に戻りました。めでたし、めでたし」では終わりません。トラさんは都会に戻って来ます。ここらへん、現実味があって児童書の奥深さを感じます。

戻ってきたトラさんは、吠える前とちょっと違ってます。

都会でも四足歩行です。


思うこと


たまには吠えてみるのも必要ですね。

森に入って自然に戻るのも大事です。

そして何より、都会にいても四足歩行で生活した方が楽ですね。

都会でも自然の中でも、楽な姿勢で生活できるのが一番

ですね。(^^)


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弱者の理解力に社会が合わせるべきか

おもしろい本を読みました。

中島義道氏の「善人ほど悪い奴はいない」という本です。

今回は、この読書感想文です。


弱者の定義


社会には強者もいれば弱者もいます。

本では、弱者を「自分が弱いことを骨の髄まで自覚しているが、それに自責の念を覚えるのでもなく、むしろ自分が弱いことを全身で『正当化』する人」と定義しています。


弱者ゆえの価値転換


弱者の中には次のように考える人が出てくるそうです。

「自分は、弱いけれど正しい。」

強さや弱さと、正しいと思うことは別問題なので特に違和感はなかったのですが、本では自分を保つための自己欺瞞としてこのロジックを用いています。

さて、ここかさらに進みます。大掛かりな価値転換です。

「自分は弱いけれど正しいのではない。自分は弱いがゆえに正しいのだ!」

と。

この価値転換は考えさせられますね。


社会の弱体化


本を読んでいてなるほどと思ったところを引用します。

私は弱者なんだから、みんなが理解していることが理解できなくとも、思わぬ過失をして大損失しても「しかたない」とはならない。そうではなく、弱者の理解力に合わせて、弱者がいかなる損失も被らないような「思いやりのある」社会を実現しなければならないのだ。つまり、自分ら弱者に社会全体が「合わせるべきだ!」と大声で訴えるのである。


著者の中島氏は続けて、「こうすることによって、彼(女)は社会全体を弱体化することを目指す」と述べています。

なるほど・・・

弱いがゆえに正しいと価値転換し、弱さを正当化し、弱者の理解力に社会が合わせるべきと主張する。しかしそれは、社会全体を弱体化させる。

ということですね。


思うこと


弱者に社会全体が合わせるべきだ。

そう大声で訴える人は一部の人だと思います。

社会のあり方と個人の努力のバランスですね。弱者を自称する人に優しい政策は、必ずしも社会全体の利益にならないでしょう。本にあった社会全体を弱体化させるという視点も重要だと思いました。


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怠ける権利

マルクス経済学のカール・マルクスの娘婿にポール・ラファルグという人物がいます。

そのポール・ラファルグのエッセイに「怠ける権利」があります。そこでは資本主義社会の労働について、奴隷的で、効率を至上とする過労を招くと指摘しています。[参照]

1880年のことです。130年前からあまり変わってないですね。 (-_-;

今回は、「『その日暮らし』の人類学」の読書感想文です。


話のネタ元


冒頭のポール・ラファルグの「怠ける権利」ですが、それを知ったのは「『その日暮らし』の人類学」(小川さやか著)を読んだからです。

小川さやか氏は文化人類学者です。

文化人類学とは、私たちとは違う生き方と、それを支える知恵や仕組み、人間関係を明らかにする学問です。興味深いのは学問としての手法です。引用します。

わたしたちの社会や文化、経済それ自体を直接的に評価・批判するよりも、異なる論理・しかたで確かに動いている世界を開示することで、私たちの社会や文化を逆照射し、自問させるという少々回りくどい手法を採る学問ともいえる。


私たちとは違う社会、文化、価値観を学ぶことで、いまの私たちの社会、文化、価値観を見直すことができます。

私はこういうアプローチは大好きです。

知らない世界を知ることで視野が広がっていくのは楽しいですし、自分の価値観に凝り固まるのを防ぐこともできます。


その日暮らし


本の主題は「その日暮らし」です。

明日のこと、将来のことはさておき、その日、その日、いまを生きる生き方をしている社会を取り上げています。具体的にはタンザニアです。

個人や零細のタンザニア人が、中国に買い出しに出かけて自国に戻って商品を売る話があります。先進国では「契約」にもとづく取引ですが、タンザニア人と中国人の間では契約は意味を成さず、知り合いの知り合いで行きついた相手との「信頼」にもとづいて取引が行われます。

信頼とはいえ裏切りはあるわけですし、契約違反による損害賠償は期待できないため、取引は少量が基本です。先進国のように大量一括発注はできないですし、現物を見ないと恐いので電話での注文もしません。

で、それを非効率と思うのは先進国の視点ですね。

本を読んでいくとアフリカでは先進国の商慣習とはまったく異なる知恵、しくみで経済が動いていることがわかります。


均質的な時間


日本を含めてだいたいの先進国では、明日のため、未来のために、いまを犠牲にしている面がある、と文化人類学者はとらえることが多いそうです。

その背景として、先進国では社会は安定し、今日の延長線上に明日があり、明日の延長線上に明後日があり・・・と、均質的な時間の流れを想定できるからです。なので、将来のために長期的な計画が立てられます。

人生もビジネスも。

ところがタンザニアのような国では、今日と明日は違う日で、明後日には何が起きているかわかりません。その日、その時にできる仕事を臨機応変にこなす生き方になります。

本書からの引用では「不均質な時の流れにおいて、機が熟するのを辛抱強く待ち、熟した好機を的確に捉える」ことになります。


思うこと


均質的な時間を想定して、将来のために長期的な計画を立てる。
そういう生き方は、将来に得られる果実は大きいでしょうが、将来のためにいまを犠牲にするという側面もありますね。

不均質な時間を想定して、その日その日、その瞬間に生きる。
そういう生き方は、いまを生きますが、効率性、生産性は低く、物質的豊かさは犠牲になるかもしれませんね。

そんなことを思いつつ・・・

人生の局面において、常にどちらかでいる必要はないんでしょうね。

若いころは長期的な人生設計も考えます。で、ある程度の年齢に至ったら、そこからは将来(老後)の計画は考え過ぎず、その日暮らし的な考え方に少しずつ軌道修正してもいいのかなと思います。

人生、なるようにしかならないですし、大抵のことは何とかなるでしょう。

怠ける権利はさておき
その日その日をゆっくり生きる時間の使い方をしたいなと思います。(^^)

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