カテゴリ:投資や投機や貯蓄について の記事一覧

投信を毎月入れ替えたらの記事に思うこと あと、ネコ像

日経電子版に興味深い記事がありました。

「究極のトレンド追随 投信を毎月入れ替えたらどうなる」という記事です。[外部記事]

この記事はいろいろ考えることがありました。


記事の内容


かいつまんでご紹介すると、

1. TOPIXのインデックスファンドをバイ&ホールドする。
2. 直前1カ月のリターンが最も高い投信に毎月乗り換える。
3. 直近3カ月のシャープレシオが最も高い投信に毎月乗り換える。

この3つの運用手法を過去15年で検証したものです。


結果は


3つの比較では
3.のシャープレシオの良かったものに入れ替えるのが最高のパフォーマンスでした。

その次は、2.のリターンの良かったファンドを後追いする手法。

最後は1.のTOPIXの買い持ち戦略です。

この結果はちょっと意外でした。


2と3は頻繁な入れ替え


2と3の投資手法は、最頻で1か月ごとにファンドを入れ替えます。

同じファンドに続けて投資することもあるでしょうが、元記事にあった図表からは、わりと頻繁に入れ替えていることが分かります。

頻繁に入れ替えても、勝てるときは勝てる。

と言えますね。


売買回転率


元記事にもありましたが、2つの運用手法は毎月の入れ替えを行う必要があり、実際に行うのは大変です。

バーチャルな投資の結果ですし、常にその手法が上手くいくとも限りません。

その点を割り引いても今回の元記事は示唆に富んでいます。

頻繁な売買は破滅を招く、という説に対する反証になります。

なお、私は「頻繁な売買がいい」とか、「頻繁に売買すべき」という意見ではありません。一方で、「回転率の高い売買が即ダメ」とも思っていません。

売買の頻度と投資の成果って、本当のところはそれほど相関性は高くないのでは、という思いです。


売買コストとパフォーマンス


売買回転率が高いとコストがかさむのは、確かにそうでしょう。しかし過去に比べると影響度は小さくなっている気がします。

ノーロードの投資信託もありますし、ネット証券では株式の売買手数料はかなり廉価です。

手数料が自由化される前のコストが高い時代なら、銘柄入れ替えによって投資機会を狙うよりは、コストを抑えた買い持ち戦略が有利でしょう。

しかし、コストが下がった今、もう少し柔軟に考えてもいい気がします。


思うこと


銘柄の入れ替えについて

コストは昔に比べて影響は小さくなっている気がします。

注意すべきなのは高値圏で強気になってしまったり、底値圏でリスクを落としてしまったり、逆をやってしまうリスクです。ただこれは、上手くやればいい結果になることの裏返しですね。

ちなみに私は、短期間で入れ替えることもあれば、数年ずーっと保有している銘柄もあります。

まあわりと柔軟にやってます。


ところで余談


先日、三越のネコ像を見に行きました。

その時の写真。

ogurotora05131.jpg

狛犬のように並んでいました。

実際に見たら、つい微笑んでしまう像でした。(=^・^=)

ブログ村:よろしければ一押しをお願いします。
にほんブログ村 株ブログ 投資信託へ にほんブログ村 ライフスタイルブログ セミリタイア生活へ

インデックス投信の「安物買い」の記事に思うこと

インデックス投資について、興味深い記事がありました。

日経の「インデックス投信、『安物買い』しないための注意点」です。[外部記事]

いい記事でした。

今回は、インデックス投資について


リターンもリスクも指数並み


以下の指摘はシンプルかつ重要です。

まず知っておきたいのは、インデックス投資は指数並みのリターンの獲得が期待できる一方で、指数と同じだけのリスクを負わなければならない点だ。


そうですね。

インデックス投資はリターンもリスクも市場並みですね。

株式指数のインデックス投信なら、ボラティリティ(=リスク=標準偏差)で年率10~20%程度の価格変動リスクを負うわけです。


2つのファンドで考える


期待リターン5%で、リスクは15%の資産があるとします。

ファンドA:期待リターン5.0%(コストゼロ)
ファンドB:期待リターン4.5%(コスト0.5%)

リターン、リスク、コストは年率です。

さて、両方のファンドに100万円を10年間投資したら、その差はどうなるでしょう。


検討のポイント


検討のポイントは、リスクを考慮して分布を考える点です。

期待リターンはプラスですけど、リスクがあります。うまくいけば大儲け、うまくいかないと損するかも・・・

ファンドA:165万円(64~426万円)
ファンドB:157万円(61~405万円)

最初の数字は期待値。カッコ内は±2標準偏差の上下限で、ほぼこの範囲内に収まると予想できる水準です。

対数収益率での計算です。リスクは系列相関がないものとして√10で計算しています。

さて、どうでしょう?

期待値では8万円違いますが・・・

まあ、それ以上にカッコ内の分布幅が気になりますね。


両者の違いをビジュアルで


100万円以下の元本割れ、100万~150万円・・・などの区分で、どのくらいの発生確率になるかを計算した図です。

rr01.png

左が期待リターン5%の場合、右が期待リターン4.5%です。

もちろん、期待リターン5%の方が全般的には有利です。

ただ、10年間の投資は、宝くじの矢のように、このルーレットがぐるぐる回っているのに対して矢を放つようなものです。

しかも、10年間のバイ&ホールドなら、今、矢を放って、どこに当たったかが分かるのは10年後です。


現実には分からない


先ほどの図は、期待リターンとリスクの数値を設定したから描けたものです。

実際には分からないです。

どんなルーレットなのかは。

たとえば、期待リターン5%で、左がリスクが15%、右がリスク20%の図です。

rr02.png


何を重視しますか?


元記事にはこんな指摘も。

根強く流布する「コスト安のインデックス型投信はアクティブ型より運用成績がいい」という説も、多種多様なアクティブ型をひとくくりにした一面的な見方だ。


この点、同感です。

コストの低い投信を選ぶことは良いことだと思います。

一方で、「一面的な見方」に陥るのは避けたいですね。コストは大事ですが、それだけに終始すると見方が一面的なものになってしまいそうです。

コスト”も“大事なのか、コスト”が”大事なのか。

私は前者の考えです。

どんな形のルーレットで勝負しているのか。それを考えるとき、コスト控除後のリターンと、リスクの両方が大事だと思います。

事前には分からないですけど。

ただ、分からなくても大切なことってありますよね。

ブログ村:よろしければ一押しをお願いします。
にほんブログ村 株ブログ 投資信託へ にほんブログ村 ライフスタイルブログ セミリタイア生活へ

IRR関数を使わない 個人年金保険の利回り計算

以前の記事「個人年金保険の利回り計算について」に関して、個人年金保険の利回り計算の方法についてお問い合わせを受けました。

簡単なのはエクセルのIRR関数を使う方法です。

しかし、キャッシュフローが長期にわたるとIRR関数では計算できないようです。

今回は、IRR関数を使わない個人年金保険の利回り計算について


個人年金保険の利回り


利回り計算には「内部収益率」(IRR)を用います。

そもそも内部収益率とは・・・との説明は割愛します。ともかく、個人年金保険の利回り計算には内部収益率(IRR)を使い、エクセルではIRR関数がそれに対応しています。

ただ、IRR関数はキャッシュフローが多くなると計算できないようです。

なので、まずIRR関数を使ったやり方を説明して、そのあとでIRR関数を使わないやり方を説明します。


個人年金保険の例


シンプルな例にします。

1年目:10,000円 拠出
2年目:10,000円 拠出
3年目:据え置き
4年目:据え置き
5年目:12,000円 受け取り
6年目:12,000円 受け取り

という個人年金保険(らしきもの)を想定します。拠出と受け取りのタイミングは期末とします。

このときの利回りは?


IRR関数を使った計算


irr_01.png

拠出額をマイナス値、据え置きはゼロ、受け取りはプラスの値でキャッシュフローをエクセルの表に入れます。

そして、IRR関数を使って計算。

irr_02.png

結果は4.66%です。


IRR関数を使わない計算


IRR関数を使わない場合、「ソルバー」を使います。

ソルバーを使う前に、準備段階としての計算方法を説明します。

irr_05.png

まず、将来のキャッシュフローを現在価値に割り引きます。その計算は、セルC5:C10です。D列にあるのはC列のセルの計算式です。

C5には、「=B5/(1+$C$2)^A5」の式が入ります。C6以降も同様です。

セルC12は、セルC5:C10の合計です。

IRR関数で計算された4.66%をセルC2に置くと、C12はゼロになります。正確に言うと、「C12がゼロになるように、C2のIRR数値が決まる」という関係です。

さて、IRR関数が使えないとき、C2の数字が分からないわけです。

どうやって探り当てるか。


IRR関数を使わないで


irr_06.png

IRR関数を使わない場合、C2の利回りが分からないわけです。

なので、適当な数値を入れてみました。

そうするとC12はゼロになりません。

困りました。

C12がゼロになるように、C2の数字を手あたり次第に変えてみて、それでC12がゼロになったら「ビンゴ!」ですね。

ただ、手動でやるのは大変です。

そこでソルバーの出番です。


ソルバーを使った計算


エクセルの「データ」→「ソルバー」でソルバーを呼び出し、パラメーターを設定します。

irr_07.png

C12を、指定値のゼロとなるように、C2を変更していく、という意味です。

IRRがマイナスになる可能性があるので、「制約のない変数を非負数にする」のチェックは外しておいたほうがいいです。

なお、解決方法の選択は気にせず、デフォルトのままで大丈夫です。


ソルバーの結果


ソルバーで説いた結果はこうなります。

irr_08.png

ピッタリゼロではなく、微妙に-0.0000xxとかになりますが、実用上は問題ないです。

キャッシュフローが多数あるとか不定期に発生するなど、IRR関数で対応しきれないものにはソルバーが威力を発揮します。


月次と年次


年金保険のように月次払い、月次受け取りの場合はどうしたらいいか。

さきほどと同じように、キャッシュフローをエクセル上に再現して、IRRを求めれば月率のIRRが求まります。

そうして求めた利回りを年率換算すればいいのです。

月率0.6%と出たら、「(1+0.006)^12-1」で年率換算できます。

計算すると7.44%です。

今回はマニアックな内容でした。最後までお読みいただきありがとうございます。 (^^)

ブログ村:よろしければ一押しをお願いします。
にほんブログ村 株ブログ 投資信託へ にほんブログ村 ライフスタイルブログ セミリタイア生活へ

個人年金保険の利回り計算について

保険は必要な人が必要なだけ加入するのがいいと思ってます。

世の中にはいろんな保険があります。中には入らない方がいい保険もあるでしょうし、入った方がいい保険もあるでしょう。入る必要がない保険もあります。

ケースバイケースで判断すべきですね。


FPと保険


東洋経済オンラインの「47歳『貯金ゼロ女医シングルマザー』の苦悩」という記事を読みました。[外部記事]

筆者はファイナンシャルプランナーの岩城みずほ氏です。

多くのFPは中庸だと思いますが、中にはとにかく保険を勧める人と、とにかく保険を批判する人がいる気がします。

本来、保険は必要性と効果をケースバイケースで判断すべきだと思うのですが、保険の販売手数料が手厚いのでアドバイザー業務を歪めている感じがします。手数料のために保険を勧める人もいれば、その反動で保険にアレルギーを持つ人もいる感じです。

まあちょっと脱線。


気になった箇所


さて、本題。今日読んだ記事で気になった点を引用します。

個人年金保険です。

保険料払込期間10年
払込保険料総額は480万円
71歳から15年間、総額約629万6000円の年金が受け取れます。

10年間拠出して、15年間据え置き期間があって、その後の15年間で年金で受給する40年間の保険です。

この保険に対して、元記事には「おカネの置き場所としては、かなり損なところ」とあります。

引用します。

契約からおカネが最後に戻ってくる86歳までの40年間の年利回りにすると0.78%です。しかもよく見ると、支払う年間保険料48万円から、コストとして年6万0240円も手数料で差し引かれ、実際に運用に回っているおカネは41万9800円ほどですので、おカネの置き場所としては、かなり損なところですね。


さて、どうでしょう。


手数料は高いけど・・・


かなり損かな。私の考えはちょっと違います。

まず、元記事のサブタイトル「預けたおカネの一部は手数料で『消失』」という表現は、若干ミスリードな気がします。

まあ確かにコストとしては高いと思いますが、金融商品の損得は、拠出したお金と戻って来るお金の関係で考えるのがスッキリします。

つまり480万の拠出に対して、総額約629万6000円の受け取りの関係です。

で、その利回り。

元記事にあった計算はちょっと違う気がします。


利回り0.78%?


元記事には「40年間の年利回りにすると0.78%」とあります。

ただ、これは拠出と受け取りを一時金で計算しているようです。

拠出:480万
受け取り:629万6000円
期間:40年

629.6 / 480 -1 で40年間での増加率を計算して31.25%
それを単純に40年で割って

年利回り0.78%

でもこれって毎月(毎年)の拠出と受け取りのキャシュフローに合ってません。


毎月拠出、毎月受け取り


実際の利回りはどうなのか、計算しました。

毎月4万円で10年間払って480万円
15年据え置いて
15年かけて毎月34,978円(15年で629万6000円)の受け取り

というお金の動きを想定して利回りを計算しました。

すると

年利回り0.99%

ちょっとした違いのように思えるかもしれませんが、超長期間での複利計算なので意外とその差は大きいです。


思うこと


保険商品は計算が面倒です。

元記事には「保険と預金の利回りを比べるのは間違っていますよ」とあります。この点は一部同意です。

単純に比較はできないです。

ただ、「おカネの置き場所としては、かなり損なところ」と断じるなら、少なくとも、キャッシュフローの発生に合わせて利回りを計算しないとミスリードな気がします

記事からの限られた情報ですが、480万の拠出に対して、総額約629万6000円の受け取り。40年なら、まあ「かなり損」とまでは言えない気がします。

そんなにダメ出しするようなものかな・・・

というのが率直な思いです。

ブログ村:よろしければ一押しをお願いします。
にほんブログ村 株ブログ 投資信託へ にほんブログ村 ライフスタイルブログ セミリタイア生活へ

インベスターリターンはKPIとして適切か?

投信のリターンを測るものに、モーニングスターが公表している「インベスターリターン」があります。

計測期間中の資金の出入りを考慮した「金額加重収益率」のことで、内部収益率(IRR)と同じものです。

今回、「運用会社である以上、経営理念にインベスターリターンを大きくすることを掲げるのは当然」との記事を目にしました。

ん・・・

ちょっと違うんじゃないかなーと思います。


森本紀行氏の記事


森本紀行氏の「投資信託の質の「見える化」は可能か」という記事から、気になった部分を引用します。[外部記事]

インベスターリターンですと、タイミングの効果が含まれるのです。インベスターリターンがファンドのリターンを上回るときは、基準価格の低いところで資金流入があり、また、基準価格の高いところで資金流出があったときです。

 (略)

実際、ドルコスト平均法を実践しても、インベスターリターンはファンドのリターンを上回るわけです。


この点、後半の部分に事実誤認があると思います。

ドルコスト平均法を実践しても、インベスターリターンはファンドのリターンを上回るとは限りません。


具体例で


投資期間10年でシミュレーションしました。

基準価額の動きは恣意的に、以下のように設定しました。

investorreturn1.png

当初の基準価額10,000円、10年後の基準価額は12,500円。

10年で25%の上昇で、年あたりのリターンは2.3%です。(年複利)


ドルコスト平均法で投資したとき


毎年10,000円でドルコスト平均法で投資した場合、

10年後の評価額は104,800円ほどになります。

これを「インベスターリターン」の計算方法で計算すると

年あたり0.9%です。

なお、計算上、その他の資金の要因はゼロにしています。つまり、ファンドを構成するのは例示の金額だけです。


どう考えるべきか


さて、ちょっとまとめます。

基準価額ベースのリターン:2.3%
インベスターリターン:0.9%

これをどう考えるか。

インベスターリターンは資金の出入りの影響を受けます。ドルコスト平均法であっても、相場の動きによっては「高値掴みの後の下落」となってしまい、インベスターリターンで計測したリターンは悪化します。

インベスターリターンを理想的なKPIとするには慎重であるべきです。


性急すぎる結論


引き続き引用です。

運用会社である以上、経営理念にインベスターリターンを大きくすることを掲げるのは当然ですから、KPIは、顧客の利益と運用会社の利益が一致していることの整合性の評価指標として、機能するわけです。


さて、どうでしょう。

「インベスターリターンを大きくすること」は、運用会社が努力したら改善できるモノなのかな。その点が大いに疑問です。

インベスターリターンは、資金の出入りとそのときどきの相場の状況で変わるものです。それをKPIとして押し付けるのは運用会社に酷な気がします。

短期売買を抑えるなど資金の出入りにある程度関与できるとしても、それは運用会社というより販売会社ですし。


思うこと


顧客本位とか、顧客と金融機関の共通利益とか、そういう理念はいいと思います。

ただ、現実に立脚しない理念は、単なるイデオロギーに過ぎない気がしますし、場合によっては混乱を招くだけの気がします。

インベスターリターンが運用会社のKPIとして適切なのか。

インベスターリターンの特性からして疑問。
運用会社のKPIとして疑問。

なので私は適切とは思わないんです。

運用会社に求めるものとして、インベスターリターンの増大はちょっと違う気がします。

ブログ村:よろしければ一押しをお願いします。
にほんブログ村 株ブログ 投資信託へ にほんブログ村 ライフスタイルブログ セミリタイア生活へ