カテゴリ:投資や投機や貯蓄について の記事一覧

ドルコスト平均法が確実な投資方法 この表現に違和感あり

「投資を始める前に!理論的にはもうかるドルコスト平均法を検証してみた。」という記事を読みました。[外部記事]

粗製乱造型の記事だなー

というのが率直な感想です。

投資関連のメディアが増えたからでしょうか。中には残念な記事があります。玉石混交の中で全体の量が増えた結果、割合としては石の割合が増えている感じがします。

今回は、投資の基本について


表現に疑問


引用元記事で気になる表現を引用します。

「理論的にはもうかるドルコスト平均法」

「ドルコスト平均法が確実な投資方法であることについては、評価が固まっています」

んー

理論的には儲かるって、どういうことなんだろう。

確実な投資方法って、そうなのかな。評価が固まっていると言い切っていいのかな。

という思いです。


投資関連の情報を見極めるポイント


私の評価基準です。

投資関連の情報で断定的な表現を多用する文章は、かなり用心して読むようにしています。特に、「理論的には儲かる」とか「(ほぼ)確実に儲かる」とか、「これが正解」とかです。

投資の基本中の基本は、「絶対確実な儲け話は無い」ということです。

絶対確実を求めるなら、リスクフリーレートのリターンしか得られません。概念としては国債の利回りですね。(国が破綻しないという前提ですけど)

儲けたいならリスクを取らなければいけません。リスクを取るなら「確実」はあり得ません。


他に気になる点


他にも気になる点があるので引用します。

日経平均ETF、TOPICS ETF、または、ニューヨークダウETFのようなインデックス・ファンドに投資をするのが、ドルコスト平均法の強みを生かす方法です。


ETFのようなインデックス・ファンド?

それにTOPICSではなくてTOPIXですね。

なんか、大丈夫なのかな・・・

元記事の筆者は自分でドルコスト平均法を実践したことあるのかな、という思いを持ちました。

もちろん経験していなくても語っていいんですけどね。


思うこと


ウェブを探せば投資情報がたくさんあります。

ただ、情報は玉石混交ですね。

医療や健康、法律、税務、投資のような分野は情報の質や真偽が分かりにくいです。

だから繰り返しになりますが、一つの目安として、断定的な表現を多用する文章は用心して読むようにしています。

世の中、断定できなことが多いですし、確実なことはあまり無いと思うんです。

投資で絶対確実に儲けたいですけど、無いものねだりですね。(^^;

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「証券マンはツラの皮が厚くなければ務まらない職業」と言う山崎元氏について

山崎元氏が「証券マンはツラの皮が厚くなければ務まらない職業」と言っています。[外部記事]

山崎元氏は証券マンや銀行員のことを悪く言いますね。ちなみに銀行のビジネスモデルについては「捕まらずに盗み続けることができると確信するなら、泥棒は、腹ぺこでなくても盗み続けるだろう」と言っています。

過去記事「山崎元氏の銀行批判に思うこと」の末尾をご覧ください。

今回は、自分で判断することについて


山崎元氏の見識


山崎元氏の金融機関批判は話半分に聞いた方がいいですね。

その理由としては、金融機関の批判は煽情的なものに過ぎないこと。環境の分析が甘く、批判が的外れなことがあることです。(過去記事

つまりマイルドな炎上商法と言えます。

また、投資に関する情報でも山崎氏の言葉を鵜呑みにするのは危険です。

「外債不要論」「インデックス最強論」などでは、理論的な誤りを含んでいるにも関わらず、強引に自説を展開するからです。(過去記事


山崎氏の基礎知識に疑問


東洋経済の「厳しい下落相場で勝つにはどうすればいいか」で山崎氏の基本的な知識に疑問を持ちました。[外部記事]

引用します。

筆者の楽天証券経済研究所の同僚である香川睦氏(チーフグローバルストラテジスト)の計測によると、2010年からの日経平均を「円換算したNYダウ」で回帰すると、何と相関係数が0.987(決定係数は0.974)という凄まじく高い説明力があったという


んー

その分析でいいのかな

山崎氏の同僚である香川氏の分析なので第一義的には香川氏に問うべきでしょう。とは言え、引用して記事化しているので山崎氏の知識も問いたいところです。

何が気になるかと言うと、時系列データをそのまま原数値で回帰分析している点です。いわゆる「見せかけの回帰」が生じます。詳しく知りたい方は「見せかけの回帰」「単位根」「定常過程」などでググってください。


ちなみに


2000年から2015年の「日本の高齢者人口」と「トルクメニスタンンのGDP」を紹介します。

correl.jpg
(左右のスケールはグラフが重なるように調整しています)

原数値で相関を計測すると0.956です。決定係数なら0.914。

一致度がかなり高いですね。

同じようなトレンド性を持って動くものは、原数値で測った時に高い相関を持ちやすいんです。時系列分析を行うときは、その点に注意を払わないといけません。

こういうデータを扱うときは、データの期間ごと(この例では1年ごと)の変化率で相関を測るといいです。そうすると相関は0.094で、ほとんど関係がないことが分かります。


ちなみに、ちなみに


引用記事のように「日経平均」と「NYダウ円換算」で元記事と同じ期間の月次データで計測しました。

原数値:相関 0.984 (決定係数 0.968)
変化率:相関 0.542 (決定係数 0.293)

分析手法が違えば見えてくる世界も違います。もちろん解釈も。

山崎元氏が分析手法を気にしないで紹介した点が気になりました。山崎氏は理論的な話が多いのですが、その広がりと深さはどうなんだろうと思います。


マイルドな炎上商法


山崎元氏がマイルドな炎上商法をすることは、それはそれで一つのビジネス手法としてありだと思います。

一方、読者が賢明になることで、そのような炎上商法が通じる度合いが低くなるかなーと思っています。

供給側と需要側の問題です。

リスクが分かりにくくて高コストな金融商品もそうです。高値で売られる低品質な不動産もそうです。品質がよく分からない投資情報もそうです。すべて「情報の非対称性」に基づいています。

一般の需要者は品質がよく分からないので、供給側の言いなりの値段で買うことになります。また情報の真偽がよく分からないので信じるしかない関係です。


思うこと


質の低いものを排除するには供給側のモラルに期待しても効果は薄いでしょう。

究極的には需要側が賢明になることですね。

そのためには、建設的で大人の議論をするつもりで情報に接することだと思います。私のブログでも同意できる点は同意して、納得いかない点は「とら、何を言ってんだよ・・・」と批判するのがいいと思っています。

品質を見極める、真偽を見極める。

供給側に委ねる割合を減らして、自分で判断する割合を増やしていきたいですね。

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実は初心者向き!という「債券」記事の問題点

年初から残念な記事を見かけました。

債券投資の記事ですが、あまりにも雑な作りです。初心者向けとしては「不適切な債券」を取り扱っています。

債券の正式名称は
ビー・エヌ・ピー・パリバ 2020年1月16日満期 円建
早期償還条項付 参照株式株価連動社債(楽天株式会社)

いや、これを初心者向けの記事で取り上げるのはマズいです。


初心者向き?


「実は初心者向き!押さえておきたい『債券』投資の基礎知識」という記事です。[外部記事]

引用元記事で書いてある内容は、国債や普通社債のような「一般的な債券」なら問題ありません。一般的な債券とは、償還が固定で利息が固定または割引債の形で発行されるものです。

それ以外の、償還日が変化するコーラブル債、株式に転換できる転換社債、利息が変化する変動利付債などは複雑になるので初心者向きとは言えません。

で、今回の「ビー・エヌ・ピー・パリバ 2020年1月16日満期 円建 早期償還条項付 参照株式株価連動社債(楽天株式会社)」という、ながーい名前の債券は、償還日や利息だけでなく償還額も変化する、とても複雑なものです。


参照株式株価連動社債の本質


元記事が取り上げた債券は、満期1年、利息6.3%です。

一見すると年6.3%なら良さそうですね。

発行体であるBNPパリバの格付けはAA格なので信用度は高いと言えます。

ところが債券の名称に「参照株式株価連動社債(楽天株式会社)」とあります。これがキモです。

この債券は、楽天の株価によっては元本が割れるリスクがあります。

大事なのは、この債券の投資のリスクとして発行体のBNPパリバや楽天の「信用力」はあまり関係ないってことです。リスクの本質は「楽天株式会社」の「株価下落」にあります。


大損するリスク


ノックイン・プットオプションを内包した債券です。

ノックアウト条項も付与しているので複雑ですが、本質的には、楽天の株価が30%下落したら大損する(可能性が極めて高い)債券です。

そのリスクを負う対価が6.3%の利息です。

見合うのかな・・・

ちゃんとリスクを計算しないと見合うかどうかは判断できないです。ちなみに計算したところ私は投資の魅力を感じませんでした。

まあ、少なくとも「実は初心者向き!」というタイトルを付けて紹介する債券ではありませんね。


思うこと


今回見かけた記事の問題点は、一般的な債券を前提とした説明なのにノックイン債券を取り扱ってしまったことです。逆に言うと、ノックイン債券という特殊な債券を載せているのに、一般的、表層的な説明しかしていないことです。

1. ノックイン債券の特性を「知らずに」載せたのなら

取り扱った人や編集部の不勉強が露わになったということでしょう。リスクの本質部分を理解しないままに、債券は初心者向けですと書いてしまうのは、ちょっと危険なサイト運営だなと思ってしまいます。

2. ノックイン債券の特性を「知っていて」載せたのなら

ノックイン債券のリスク特性に触れないのは不思議です。リスクに触れずに、債券の一般論を説明するなら国債を例にするのが良かった気がします。

いずれにしても「○○は初心者向き!」という言葉はそのまま受け入れない方がいいですね。

特に投資の話では。

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稲妻が輝く瞬間 NYダウの歴史的な上昇に思うこと

バイ&ホールドを実践する人がよく引き合いに出すのは「敗者のゲーム」です。

チャールズ・エリス氏の「『稲妻が輝く瞬間』に市場に居合わせなければならない」という表現で有名な本です。あの本を読むと、ベストの数日を逃すとパフォーマンスが極端に悪くなるから常に市場にいた方がいいと思えます。

でも、それってどうなんでしょう。

今回は、稲妻が輝く瞬間について


昨日のNYダウ


昨日のNYダウは1,086ドル高。

史上最大の上昇幅です。稲妻が輝く瞬間ですね。

図表で見てみましょう。過去6カ月です。ただ上昇と下落は幅ではなく率にしています。

inazuma01.jpg

赤いのが昨日の上昇。

この図で分かることは、大きく上昇する前には、それなりの下落があるということです。


長い視野で


昨日のNYダウ。上昇率としては4.98%です。

ちなみに2001年からデータを取ったところ、最大の上昇率は2008年10月にあった11.08%でした。

長い期間で見てみましょう。

inazuma01.jpg

なかなか興味深い図です。

実は、大きな上昇は2008年頃のリーマンショックの時期に起きているんです。


敗者のゲーム


「敗者のゲーム」は参考になる部分は多いです。

ただ、すべてを無条件で受け入れるのは危険です。

特によく引用される次の箇所は要注意です。

ベストの上昇日10日を逃すだけで - 検証期間のわずか0.5%にも満たないが - 、平均収益率はその三分の一を失い、18%から12%へと低下する。


計算上はその通りなんですけど・・・

さっきも見たように、ベストの上昇日と大きな下落日は表裏一体です。同じような時期に起きています。

大きく下落した後に、大きく反発する。

大きく上昇した後に、大きく売り込まれる。

そんな落ち着きのない相場状況の時に稲妻が輝くわけです。


思うこと


このごろは相場の動きが激しくなっているので、改めて「敗者のゲーム」を取り上げました。

相場が激しい時に右往左往するとかえってやられる。

超長期投資なので相場が乱高下しても気にしない。

というスタンスでどっしり構えるのは一つの方法ですね。一方、

稲妻が輝く瞬間を取り逃すとリターンが大きく下がる。

という思いで市場に居続けるのなら、「稲妻が輝く瞬間と、大きく下落する瞬間はかなり近接している」という点を認識していた方がいい気がします。

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老後資金は貯めるな! タイトルで釣るのはいかがなものか

老後の不安は誰にでもありますね。

お金を持っていても不安だそうです。ある程度の高齢者になっても、その先の老後が心配だという話も聞きます。尽きない悩みです。

漠とした不安があるので「老後には○円必要ですよ」と不安を煽るのが受けるんでしょうね。相場の調子が良かった頃は1億円。最近は3,000万円が多いように感じます。

ところで今回取り上げるのは逆転の発想で勝負してます。

「老後資金は貯めるな!」という内容です。


タイトルで釣る


「これってマジ!? 逆転の発想『老後資金は貯めるな!』の真相」という記事を読みました。[外部記事]

中身を読む前に、残念な内容かな・・・と思ってしまいました。

読む前に予断を持つのは良くないのですが、タイトルに「マジ」「ヤバい」「○○するな」「○○するだけ」「○○だけが知っている」「富裕層」「末路」「!」が含まれていたら、残念な内容であることが多いです。

で、今回は「マジ」「○○するな」「!」と3翻乗ってきたので、まあそんな感じです。


肝心の内容


内容を要約するとこんな感じです。

モデルケースは男性で65歳。
貯蓄が2,000万円。

年金の受給を70歳に繰り下げます。65歳から70歳の5年間は、貯まっている老後資金を取り崩して暮らすことにします。

そうすると・・・

年金の受給額は42%増えるので、あとは死ぬまで安泰

というお話しです。


どうなんでしょう


年金の繰り下げ受給の話ですよね。

それを「逆転の発想 『老後資金は貯めるな!』」というタイトルを付けるのはどうなんでしょう。

私はちょっとタイトルに騙された感を受けました。

老後資金は貯めるな、と言いながら、モデルケースでは65歳で2,000万円を持っています。繰り下げ受給をするには、繰り下げまでの間をどうするかは大きな問題ですね。65歳時点で貯蓄0円で、しかも収入が無いとしたら、この話は成り立たないです。

結局のところ、70差から繰り下げ受給をするなら、70歳まで貯蓄を取り崩すか、働くか、その両方かが必要でしょう。

老後資金は貯めるな!

というのは、ちょっと違うと思います。


思うこと


「老後資金は貯めるな!」というタイトルで目を引いて、その内容は「年金の繰り下げ受給」でした。

んー

そういうやり方ってFPとしては逆効果じゃないかなと思います。

なんだ、違うじゃん。と思われるのはマイナスな気がします。

年金の繰り下げ受給はいい食材なだけに、調理法にちょっと残念な思いを持ちました。

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