カテゴリ:投資や投機や貯蓄について の記事一覧

NISAに向いている人と向いていない人 NISAと英国ISAの違い

NISAの制度設計について考えました。

NISAはメリットを享受できる人もいれば、メリットを感じない人もいる制度だと思います。

なので、ご自身の投資スタイルがNISA向きならNISAを利用するのが良くて、自分のスタイルがNISA合わなければ無理に使うこともないという、まあ当たり前の結論です。

今回は、NISAについて


NISAと英国ISA


日本のNISAは英国のISA(Individual Savings Account)をモデルに作られました。

ISAのSはSavings、つまり貯蓄です。もともとは英国の低い貯蓄率を改善するための制度です。だからISAでは株式型 ISA と預金型 ISA の 2 種類があります。

さて、「日本型」ISAであるNISAは、株式型 ISA がモデルです。

ただし、大きな仕様変更が行われています。


仕様変更


私が思う、NISAと英国ISAの最大の違い。

それは「資限度額の考え方」です。

NISAの非課税投資枠は120万円です。ただし、枠は使い切りです。1月に120万円で株式投資をして2月に売ってしまうと、その年の枠は使い切ってしまいます。

年間の「累積購入可能額」が120万円ということです。

ところが、英国のISAはそうではありません。

英国ISAは非課税枠は11,520ポンド(約172万円相当)です。こちらは、「拠出額」に対する制限です。

どう違うかというと、英国では年間172万円をISAの口座に入れることができ、その口座の中では自由に売買できるということです。口座内で株式投資をして、それを売って、売却資金を使って別の銘柄に投資し直せます。

まさに投資の「非課税枠」です。

英国からISAを輸入するとき、「拠出額」から「購入可能額」に非課税枠の制度を変えたんですね。


NISAは売らない人向け


英国ISAと日本型のNISAを比較したとき、NISAに向いている人は長期保有を大前提に考えている人なんでしょうね。

長期のバイ・アンド・ホールド。

そういう投資スタイルの人はNISAに向いていると思います。

一方で、年に数回でも、たまーにでも、銘柄を入れ替えたい人には向いていないですね。


思うこと


NISAは特定の銘柄(たとえばバランス型ファンド)を継続的に投資していくスタイルに合っています。基本的には売らずに継続保有する投資法です。

逆に考えると
それ以外の投資法では使い勝手の悪さを感じると思います。英国のISAとは違って投資対象の入れ替えがしにくい仕組みだからです。

思うのですが

NISAは、広く遍くというよりは、特定の投資スタイルに合った制度と考えるのがいいんでしょうね。

で、さらに思うのは

特定の投資スタイルに合った制度にした結果、広がりが出にくくなっているのではないかなーということです。

私は、英国ISA並みの売買の自由度があったほうが広がりやすいと思ってます。

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草食投資隊の「投資ビギナーにオススメなのはどれ?」に思うこと

朝日新聞のウェブ版に「不動産、FX、債券、株式の違い 投資ビギナーにオススメなのはどれ?」という記事がありました。[外部記事]

草食投資隊の3人のトークですが・・・

今回は、投資初心者と情報について


インフレのリスク


草食投資隊の人たちはインフレのリスクに言及しています。

私は日本はインフレを懸念する状況にないと思っているのですが、ただ、マクロ経済の見方は人によって分かれます。草食投資隊の方は本気でインフレを懸念しているのかもしれません。

しかし、そうであるなら不動産投資に否定的になるのが解せません。


インフレと不動産


気になるところを引用します。

中野 次に、不動産投資について考えると、家賃という子を産む投資ではあります。ただ、不動産の価値が同じか上がれば良いですが、災害など予期しないリスクもあるので、自分がつぎ込んだお金以上に損をすることもありえます。株はすぐ売却できるけど、不動産はできないですからね。だから地味でコンサバ(保守的)な投資がオススメ。


ん・・・どうでしょう。

たしかに不動産を購入する場合は、その物件固有のリスクを抱えますし、当初にまとまった資金が必要になります。通常はローンを借りての投資になります。

長期・分散・積立の考えでは、分散と積立には合わないアセットです。

ただ、資金の問題はさておき、インフレを見込んで、長期的な視点での投資を考えるなら不動産は検討に値します。冒頭でインフレを喧伝して不動産に否定的なのは違和感があります。

ちゃんと賃料が取れる物件ならば、長期的な投資で経費控除後の純収益(NOI)が積み上がります。購入価格と、経年によるNOIの変化、物件価値の変化にもよりますが、将来に物件価値が低下してもIRRでプラスのリターンを得ることは可能です。


余談ながら


不動産投資のリスクは、災害など予期しないイベントよりも、魅力の乏しい物件を高い値段で買ってしまうことかなと思います。

資産の本質的な価値(value)に比べて、高い値段(price)で買って失敗するのは、不動産でも株式でも共通している気がします。


株式投資と不動産


「株はすぐ売却できるけど、不動産はできない」とあります。

たしかに、流動性の違いは大きいですね。

ただ、ちょっと腑に落ちないです。

草食投資隊は、株式投資で成長の果実を取るには長い時間が必要、何かあったらすぐ売ってしまうのは投資とは言えないという趣旨の発言が多いと思っていただけに、不動産との比較で「株はすぐ売却できる」とメリットを強調するのは、なんだかちょっと違和感ありです。


思うこと


独立系の投信会社の経営者としての草食投資隊の立場は理解できます。

また、私もFXや金、商品、不動産よりは、一般的な株式や投信の方がビギナーには向いているとは思います。

ただ、ポジショントークが強いなーと感じました。

投資を始めて間もない方は、特定の人の意見に強く影響されない方がいいですね。いろんな意見にたくさん触れて、自分にとってしっくりくる考え方が形成できるのがいいと思います。

あ、

投資を始めて長年経ってる人も、いろんな意見にたくさん触れるのは大事ですね。(^^;

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投資の勘違い 株式投資と企業の成長について

日経を読んでいたら、「投資は悪いことなのか 日本人の大いなる誤解を解く」という記事がありました。[外部記事]

投資に関する悪いイメージを払拭したいという思いだと読み取りました。
ただ、別の誤解を生む恐れが・・・

今回は、投資に関する誤解について


投資の勘違い


引用した記事に限らないのですが、以下のような説明をよく見かけます。

あなたがどこかの企業に投資をしたとします。その企業は得られたお金を元手に新たな事業を展開します。


とあって、

その企業が商品開発を行い、今まで世の中になかった素晴らしい商品が誕生することになれば、世界はより豊かになります。


と続き、

投資を通じて世の中が豊かになる手伝いをしたことで、最終的にあなたの懐も豊かにすることになるわけです。


と結びます。

さて、どうでしょう。実はここに大きな誤解が潜んでいます。


株式投資とは


トヨタ自動車の株式を買うとします。

株式投資ですね。

さて、私がトヨタに投資したときのお金の流れはどうなるでしょう。簡略化するとこうなります。

通常の株式投資

958_secondary.png


通常は既に出回っている株券を証券会社経由で購入します(株券は電子化されていますので比喩的に)

私は、お金を払って株券を手に入れます。私が払ったお金は、トヨタ自動車にではなく、私に株券を売った人に渡ります。

実際には、売買当事者の間に決済機構が入りますので直接の関係ではありません。ただ、実質的なお金の移動と株券の移動を考えると、そこにトヨタ自動車は介在しないです。


流通市場


既に市場に出回っている株式を売買する市場は、流通市場(セカンダリーマーケット)と呼ばれます。

ほとんどの取引は流通市場での取引です。

その場合、株券とお金は、投資家の間をぐるぐる回ってます。

私がどこかの企業の株式に投資したとします。その企業は得られたお金を元手に新たな事業を・・・とはいきません。


発行市場


ところで、企業はまれに公募増資などを行います。

新株発行による資金調達です。

その増資に応じて株式を取得する場合なら、投資家のお金は企業に回ります。図にするとこうなります。

958_primary.png


こういう取引なら、その企業は得られたお金を元手に新たな事業を・・・となります。企業が新株を発行して資金調達する市場は、発行市場(プライマリーマーケット)と呼ばれます。

流通市場と発行市場の違い、結構大事ですね。


イメージ先行にご注意


株式投資のイメージアップのためでしょうけど

1. 企業に投資をする。
2. 投資によって、企業は資金を得て新たな事業を展開する。
3. 新たな事業によって、世界はより豊かになる。
4. 世界が豊かになることで、投資した人も潤う。

というロジックには注意が必要です。

1→2 に至るプロセスをよくよく考えないといけません。


思うこと


株式や投資信託に投資したお金は、最終的にどこに行くのか。

増資に応じるなら、企業に行きます。
既に流通している株式を購入するなら、株式を売った投資家に行きます。

投資を通じて世界経済が豊かになり、それによって投資家も潤うのは夢があります。きれいなストーリーだけに水を差すのは野暮なんですけど・・・

「日本人の大いなる誤解を解く」と題する記事にしては、別の誤解を与えるのではないかなーと危惧しました。

老爺心ですね。(^^;

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北朝鮮がミサイルを発射 なぜ近隣の日本の円が買われるのか

為替が108円台半ばまで円高が進んでます。

北朝鮮がミサイルを発射してリスクオフの動きになってます。今日の日経平均は0.45%の下落、欧州株価指数は軒並み1%を超える下落になっています。

今回は、不透明感が増している相場について


なんで円高?


北朝鮮がミサイルをぶっ放して世界的にリスクが高まってます。

なので株価が下がるのは理解できますね。

で、北朝鮮は日本の頭越しにミサイルを発射しています。日本の安全に対する脅威なのに、なぜ日本の円が買われて円高になっているのか。

日本のリスクが高まっているのだから、円は売られないの?
有事のドル買いじゃないの?

と思いますね。


好調時の円売り


円キャリートレードという取引があります。

元手がゼロで、あるいはレバレッジを掛けて投資をする投資家がいます。そういう投資家は、調達コストの低い日本円を借り入れて、リターンの高そうな株式で運用します。調達コストが低いのは金利が低いとほぼ同義です。その際、米国株への投資なら円売り、ドル買い。新興国への投資なら、円売り、新興国通貨買いの為替取引が発生します。

調達:日本円
運用:外国株式など

このポジションが円キャリートレードです。リスクが取れる状況ならこの取引を増やしていくことになり、円売り、外貨買いも増えます。

なので、リスク選好が強い時期は、株高・円安の組み合わせになりやすいです。

で、リスク拒否が強くなると、この流れが逆流します。


有事の円買い


思わぬ事態が発生してリスクを回避する度合いが高まるとします。

そうすると、株式などを売って現金化して、それを日本円に転換して、調達していた日本円を返済します。

外貨売り、日本円買いが発生するわけです。

なので、円キャリートレードの巻き戻しという観点からは、有事の円買いが発生しやすいんですね。


気になるのはこれ以上の円高


108円を切って107円台への円高が進むと、なんとなく円高トレンド入りかなという気がします。

円高になると日本の投資家の心理も悪化しますね。

為替の円高と投資家心理の委縮と景況感の悪化と、実際の相場の軟調と、それぞれが相互作用してスパイラル的に弱気を醸成するリスクもあります。

あ、

ミサイルによる緊張感は一時的なイベントで、また右肩上がりの相場に戻る可能性ももちろんあります。


思うこと


私は数ヶ月~数年程度の期間で投資を意識しています。

そのくらいの期間で見たとき、慎重に見ておいた方がいいかなと思っています。まあ、儲け損なってもいいや、大きくやられるよりは、という感じですね。

何はともあれ、生き残ること。

生き残れなければ長期投資もないですからね。(^^;

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「貯蓄から投資へ」から、「保険から投資」へ?

貯蓄性の保険は止めて投資しましょう、という記事を見かけることが増えました。

時代は、「貯蓄から投資へ」から、「保険から投資へ」に移っているのでしょうか・・・

今回は、保険と投資についての雑感です。

なお、基本的な考えとして、保険は必要な種類の保険に、必要なだけ加入するのがいいと思ってます。


保険を解約してiDeCo?


「『貯蓄型保険』には入らないほうが良い理由」という記事があります。[外部記事]

率直な感想ですが、貯蓄性保険は有無も言わさずダメで、iDeCoやNISAは誰にとってもいいもの、という前提が強すぎるなーと感じました。

本来、その人の置かれている状況で最適な方法は違うと思うのですが、おそらく誰がどんな状況で相談しても結論は同じで、保険を解約してその分をiDeCoやNISAで投資しましょうとなる気がします。

それでいいの?

という気がしました。


保険のあれこれ


まず保険に入り過ぎているのはデメリットですよね。

月払い保険なら長期的に資金拠出をコミットしないといけないので、家計の資金繰りが硬直化する恐れがあります。それに、死亡保障など保険本来の部分では、加入者が全体としては損する仕組みなので掛け過ぎは避けたいです。

で、貯蓄性保険を途中までやっている人はどうしたらいいでしょう。

元記事は保険に加入して1年という設定なので解約しても傷は浅いのでしょうが、では、加入歴が長い人にはどうアドバイスするのという問題も出てきます。なので以降は加入歴はニュートラルに考えます。

解約すると元本割れするのはデメリットです。安易に解約をすすめられるものではないと思います。

家計の資金繰りを圧迫している度合い、死亡保障の水準が大きすぎるのか否か、いま解約したときの受け取れる金額、今後の家計の資金状況、などによって答えは変わってきます。

少なくとも
それぞれの保険ごとに続けた方がいいのか、解約の方がいいのかを比較検討すべきですよね。

その際、
「4%で運用できたとすれば」とか、「複利で」とか、投資する方が圧倒的に有利になる前提は置かない方がいいですよね。


保険から投資へは、問題ないの?


今回引用した記事でもそうですし、過去記事「『なぜ保険に入ってはいけないのか?』が気になりました」でもそうですが、保険と投資を同列比較していいのか疑問です。

私は貯蓄性保険の投資採算性を考えるに、投資との単純比較はできないなーという思いを強くしています。

・保険を全部解約して、それでiDeCoやNISAで運用しましょう
・保険は必要ないから、その分を積立投資しましょう

というアドバイスは、相手の状況によっては不適切になりますね。

保険と投資では機能もリスクも違いますから。(^^)

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