日本型金融排除 預金者の立場で考えたこと

日本型金融排除。

金融庁が作った言葉です。もともと「金融排除」という言葉があって、それに「日本型」を冠したものです。

今回は、金融について難しく考えました。(^^;


金融排除


金融排除の解説をwikipediaから引用します。[参照]

もともとヨーロッパでは低所得層や異民族が社会的に疎外された扱いを受けることを社会的排除(social exclusion)として問題にしていた。その土壌の上で、金融サービスの面でこれらの社会層が排除される問題を金融排除(financial exclusion)と呼ぶようになった。この議論はイギリスから始まり、オーストラリア、カナダ、香港など様々な国や地域で議論されている。


社会的に疎外された扱いって、一歩進むと差別になりますね。

そういうデリケートな社会問題です。本来は。

さて、日本型金融排除ですが、金融庁の資料ではこうなります。[参照]

十分な担保・保証のある先や高い信用力のある先以外に対する金融機関の取組みが十分でないため、企業価値の向上等が実現できていない状況



日本型金融排除と金融庁


金融庁が金融機関に求めているのは、担保主義から事業性(将来性)重視への転換でしょう。

金融庁は、銀行に信用力が劣る企業への融資を増やすことを望んでいるようです。銀行が融資することによって、融資を受けた企業の価値が向上できる。そういうストーリーでしょうね。

一見すると良いことのようですが・・・

預金者の立場で考えてみましょう。


預金者と株主


多くの人は銀行に対しては預金者の立場ですね。

預金者は言い方を変えれば債権者です。債権者は、あらかじめ定められた金利と元本の返済を受ける立場です。株主とは違って、預金者は銀行がいくら儲けても受け取れる利息は増えません。

株主なら銀行が儲ければ配当が増えるかもしれませんし、株価上昇も期待できるでしょう。

預金者と株主では銀行に求めるものが違いますね。


安定が望み


預金者は、銀行に健全な経営を求めます。

無謀な融資で不良債権の山になったり、有価証券投資の失敗で大損して破綻されるのは最悪です。業態は違いますが、リーマンショックは御免です。

頑張り過ぎないでいいから、ね。

審査を甘くして融資を増やして不良債権を抱えるよりも、ガチガチに担保を取って、保証も取って、石橋を叩いて融資をしてよ。信用力の劣ることころに高い金利で貸さなくていいから。信用力の高い大企業に低い金利でもいいじゃない。

どうせ預金の利息はほとんどゼロなんだから。

破綻してペイオフだけは勘弁して。

というのが預金者(債権者)の立場です。

株主の立場なら、チャレンジングな経営で業績を伸ばしてくれて、それで配当が増えたり株価が上昇してくれるのを望みますけどね。


銀行にどこまで求めますか


預金者としては、銀行には潰れないで安定してくれることが望みです。

担保不足で信用力の劣るところに融資して、将来の不良債権の種になっては困ります。マクロ的な視点では預金を取り扱う金融機関は、預金者保護の点からも、金融システムの安定の点からも、健全経営が求められます。

で、率直な思いとして

日本型金融排除を解消する取り組みとして、金融庁がコンサルティングや事業再生支援などを銀行に求めるのは納得できますし、事業性に基づいたた融資も納得できる点はありますが・・・

ただ、それも程度問題なんでしょうね。

預金を集めることができる銀行は、破綻したときの影響が大きいです。

なので、銀行はそれほどリスクの取れる主体とは思えません。

担保不足や信用力の劣る企業への投融資は、別の業態も分散して担うべきだと思いますね。あるいは小口証券化して投資家に持ってもらうとかも含めてです。


思うこと


現状で信用力の劣る企業への融資が不十分だとして、

金融機関が取り組むべき問題もあるでしょうし、バンクローン市場など、信用リスクを広く投資家が保有する仕組みを整備するといった行政側が取り組むべき問題もある気がします。

企業融資をどこが担うのか。信用リスクをどこが負担するのか。

ローンを転売しやすくすると審査が甘くなり、別の問題を引き起こすのはサブプライムローンで学んでいます。仕組み作りは複雑なパズルです。

信用リスクの高い企業が資金調達できる環境を整備するには、行政の国民本位の姿勢も問われているのではないでしょうか。

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3592:リスクは低くする方向だと思うので・・・

https://jp.reuters.com/article/fsa-regional-banks-idJPKBN19L0GV
「地銀の金利リスクに新規制」とも矛盾を感じます。

融資とは違う領域ですが、欧州が日米などに先んじて、デリバティブの証拠金規制を強化します。これもリスク低減の規制です。
http://jp.reuters.com/article/currencies-hedge-eu-idJPKCN1BQ091

信用がある事業体を相手にしても担保を確保していくのに、信用力が劣る企業への融資を増やすことを期待するのは金融庁自体の行動が矛盾してますよね。その手の投機はベンチャーキャピタルとかクラウドファンディングとかで良いように思います。

2017.09.17 05:02 Colorless Freedom #- URL[EDIT]
3593:

※3592:Colorless Freedomさん
そうなんです。
金融庁の政策に矛盾を感じることがあります。アパートローンや個人向けのカードローンを問題視する一方で、事業性融資で信用リスクを取らせようとする点に違和感があります。
信用リスクを取れる仕組みや主体を増やす方が良いように思いますね。

2017.09.17 22:31 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]
3597:何度もすみません・・・

https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL20HIE_Q7A920C1000000/
金融庁の3メガへのカードローン残高などの管理に関する査察のニュースもありましたが、この記事の「民間企業向けの貸し出しは前年比4.2%増」という記述を見ると企業向け貸し出しも順調に増えてると感じます。
金融庁の想定している貸出先の問題が分からないです。

2017.09.21 11:51 Colorless Freedom #- URL[EDIT]
3600:

※3597:Colorless Freedomさん
金融庁の意向は分からないですね。
いまの金融行政に一抹の不安を感じます。
金融庁のカードローンへの取り組みはご都合主義との批判も出てますね。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52936

2017.09.22 20:45 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]

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