銀行と企業の関係に、医師と患者の関係を当て嵌めることへの違和感

「銀行には顧客を賢くする義務がある」という記事を読みました。[外部記事]

ん・・・

今回は、フィデューシャリー・デューティって何だろう?について


理想と現実


顧客との共通価値の創造とか、顧客本位とか、そういう理念は大事だと思います。

で、人には理想を出発点にして現実を振り返るタイプと、現実を出発点にして理想を求めるタイプがいます。

私はどちらかというと後者だと思ってます。

なので、理想と現実の問題では、現実から考えてしまうクセがあります。


銀行には顧客を賢くする義務がある?


銀行でも証券会社でも、投信会社でも基本的には営利目的の企業です。株主がいて、第一義的には株主のために利益を追求します。

もちろん利益追求の過程では株主だけでなく、ステークホルダーとの関係も重視されます。

ただ、突き詰めると利益追求の存在ですよね、企業は。

それが現実。

で、理想としては、近視眼的に自らの利益を追求するのでなく、中長期的なスタンスで顧客との共通利益を最大化しましょう、となります。

その理念は分かります。


喩え話に違和感


気になる点を元記事から引用します。フィデューシャリー・デューティについてです。

この医師と患者の関係を、銀行と企業の関係に当て嵌めて考えたらどうなるか、これが金融庁の提起した課題です。銀行が顧客である企業に対して最善を尽くして経営支援する旨を確約していたら、つまり、銀行が顧客に対してフィデューシャリー・デューティーを負うとしたら、企業としては、業況の悪化を隠すどころか、積極的に銀行に伝えて支援を求める、そうすれば、銀行としても早めに適切な対応を行うことができて、「三方よし」が実現するはずだ、これが金融庁の仮説なのです。


ん・・・

「三方よし」の考え方は賛同しますし、医師と患者の関係は信認にもとづくものでしょう。

ただ、その医師と患者の関係を、銀行と企業の関係に当て嵌めて考えていいのかどうか、です。

ここ、結構大事だと思います。


医者と銀行


患者は医者を信頼して、包み隠さず病状を申告して適切な治療を受ける。

同じように、企業と銀行の関係がフィデューシャリー・デューティーで結ばれたものなら、企業は銀行を信頼して、包み隠さず経営状態を申告して適切な支援を受けるはずだ、という論です。

それは理想的にはそうかもしれませんね。ただ、医者と銀行では違う点があると思います。

銀行と企業は、債権者と債務者の関係でもある、ということです。


多層な構造


銀行と企業の関係をフィデューシャリー・デューティーでとらえるのは一つの見方です。

もう一方で、債権者と債務者という関係性は無視できません。

その前に、医者と患者の関係性を整理します。

医者は患者から信頼を受けて一生懸命頑張ります。患者を治そうとします。しかし、医者の最大限の努力にもかかわらず、患者がこの世を去ってしまうことがあります。医者にできたのは苦痛を和らげて少し延命することだけ。

こういうこと、ありますよね。

で、冷たい話ですが、医療過誤がなければ、患者が命を落としても医者がなんらかの損失を被るわけではありません。

さて、ここで銀行と企業の関係性です。

銀行は債権者です。企業が倒産したとき、融資が焦げ付くなどで銀行がなんらかの損害を被る恐れがあります。

この点は医者と患者の関係とは違うところです。


思うこと


フィデューシャリー・デューティって、用語としてはかなり大雑把な気がします。

いくらでも拡大解釈ができるので。

フィデューシャリー・デューティって何だろうと思うのと、金融機関の行動規範に、拡大的にフィデューシャリー・デューティを当てはめるのは日本経済にとって望ましいことなんだろうか・・・と思います。

銀行と企業の関係に、医師と患者の関係を当てはめるのはちょっと違う気がするんですよね。

利害関係の構造が違いますから。

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3550:管理人のみ閲覧できます

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2017.08.25 00:03 # [EDIT]
3551:

※3550のメッセージをくださった方へ
コメントありがとうございます。
拝読しました。(^^)

2017.08.25 22:05 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]

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