インデックスの安売りと アクティブのぼったくり

インデックスファンドの低コストは、ぼったくりのアクティブファンドのおかげで実現しているという論があります。

実際どうなんでしょう・・・

検証してみました。

今回は、信託報酬料率について


検討の対象


検討の対象にしたのは、セゾン投信の「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド(SVGB)」です。

組み入れファンドのバンガードの料率ではなく、セゾン投信が収受している信託報酬料率に目を向けます

セゾン投信にしたのは事業ポートフォリオが簡素だからです。品揃えがSVGBの他に「セゾン資産形成の達人ファンド」だけという、分かりやすい構成なので分析がしやすいのです。

ビジネスとしての資産運用業という視点でセゾン投信の財務分析をします。


状況確認


SVGBの信託報酬率は、年0.68%±0.03%(税込み/概算)です。

このうち、セゾン投信の取り分は0.42%(税抜き)です。
(0.46%に対して、受託の0.04%を控除)

SVGBに似たファンドとして、「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」を持ち出します。

eMAXIS Slimの信託報酬率は、年0.22%(税抜き)です。

SVGBの0.42%に対してeMAXIS Slimは0.22%です。

厳密に考えると信託報酬は委託、販社、受託に分かれます。eMAXIS Slimの委託(運用会社)の取り分は0.10%、販社0.10%、受託0.02%ですが、そこまで厳密にしなくても、ざっくり0.22%の計算で今回の検証は事足りると思っています。(厳密にしても結論が大きく変わるわけではないという意味です)


検討のポイント


SVGBがeMAXIS Slimと同じ信託報酬率だとしたら経営は成り立つのか。

それがポイントです。

試算の前提として、SVGBの信託報酬率だけを変えます。「セゾン資産形成の達人ファンド」の料率は変えません。

整理するとこうなります。

931_cost1.png

SVGBがeMAXIS Slimと同じ信託報酬率なら、セゾン投信全体で見たときの料率が0.473%→0.298%になります。


経営は成り立つか


SVGBがeMAXIS Slimと同じ信託報酬率ならどうなるか。

経費は変わらないとしてこうなります。

931_cost2.png

収入が6.7億円から4.2億円に減ってしまい、営業の経費や人件費を差し引くと1.7億円の赤字になってしまいます。

これではビジネスが成り立ちませんね。


事業ポートフォリオ


セゾン投信のSVGBの0.42%がeMAXIS Slimと同じ0.22%になったら、セゾン投信は経営が成り立たないでしょう。

仮に、「セゾン資産形成の達人ファンド」の資産額がもっと多くて、もっと料率が高ければどうでしょう。

そうであるなら、「セゾン資産形成の達人ファンド」からの利益を当てにして、SVGBの料率引き下げは可能になりそうです。

事業ポートフォリオで考えるとそうなりますね。

他のファンドで儲かっているなら、それをバッファーにして別のファンドでコスト引き下げができます。


インデックスとアクティブの料率


インデックスファンドやインデックスファンドを組み込むバランスファンドの中には、ファンド単体で見たら採算割れしているものがあるでしょう。

でも、投資家としては関係ないですよね。

一方、アクティブファンドは「ぼったくり」かというと、まあ、そんなネガティブな言葉を使わなくてもいいと思うんです。料率は明示されている明朗会計ですから。

それに、見てきたように

セゾン投信のように、事業ポートフォリオの余裕の小さいところは価格競争しにくいです。アクティブで利益を出している投信会社の方が、インデックスの料率を引き下げやすいという考え方もできます。


思うこと


コストにおけるインデックスとアクティブの関係性です。

インデックスとアクティブを強く結び付けて、低コストが実現するのはアクティブのおかげと言う必要はないですね。

実体はそういう面があるにしても投資家には関係ないので。

それと同時に、

インデックスとアクティブをまったく切り離して、アクティブは「ぼったくり」と批判する必要もないでしょうね。

まったく切り離せるものではないでしょうから。

そんなことを思いました。

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3514:ぼったくり

とらさんが書かれているとおり、料率は明示されている明朗会計ですので「ぼったくり」という言葉を使うのはちょっとおかしいですよね。

元々の「ぼったくり」の一般的な意味は、先に明示した価格以上に後で不当に追加料金を騙し取ることを言いますので、ただ単に他と比べて高い安いということを「ぼられた」というのは投信に限らず違和感があります。

まぁとにかく、料金が気に入らなければ買わなきゃいいだけですね。買う人が判断すれば良い話で、外野がわざわざ批判するようなものでは無いと思います。


2017.07.30 18:25 ニャーゴ #- URL[EDIT]
3515:

※3514:ニャーゴさん
そうですね。「ぼったくり」という言葉を使うのはおかしいですね。
普通に「高い」と言えばいいのに、わざわざ「ぼったくり」と言うのは違和感あります。レッテルを貼りたいのかなという気がします。

2017.07.30 22:05 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]
3516:

大手が損失を出してでも低コストの金融商品を出す事が、その低コスト自体の金融商品が長く赤字であるなら、それは健全ではないのではないかと思います。投資家は関係ないと言えばそれまでですが。

寧ろ何兆円ものお金を集めて運用しているアクティブファンドをして信託報酬を下げないなど、大きく儲かるところで儲けて、大した額にもならないインデックスは客寄せパンダが如く。どうにもなぁ、と思うところです。

話はズレますが、そもそも何のための金融商品であり、投資であるかなと思うと、税制が10%に戻った方が間違いなく利益につながりそうです。なんか全てが小手先のどうでもいいような話に思えてなりません。いや、これは話が違いますか^^;

2017.07.31 00:26 煙々 #RaJW5m0Q URL[EDIT]
3517:

※3516:煙々さん
赤字が続く状況は健全ではないですね。
投資家は関係ないというのはちょっと言葉足らずだったかもしれません。インデックスの低コスト化は、アクティブの存在とは無関係ではないですね。
税率10%に戻るとうれしいです。(^^;

2017.07.31 20:33 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]

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