全ての環境で負けないポートフォリオ 続編 債券投資の考え方

前回の記事「全ての環境で負けないポートフォリオに思うこと」で、債券投資で19%のリターンを得るのは難しいと書きました。

これについてお問い合わせを受けました。

今回は、固定利付債と変動金利債券について


長期国債のリターン


話をシンプルにするためにデフォルトリスクは無いとします。インフレ連動債券は考えません。一般的な長期国債(固定利付債券)に話を絞ります。

債券投資のリターンは、クーポン収入のインカムゲインと、金利が変動することによるキャピタルゲイン(キャピタルロス)の合計です。

長期国債に投資する場合、金利が低下すればキャピタルゲイン、金利が上昇するとキャピタルロスです。


長期国債のキャピタルゲイン


現状、日本国債10年の利回りは年0.07%です。

厳密性にはちょっと目をつぶって、年1回のクーポン払いとして、クーポン0.07円、額面100円の10年満期の新発国債を想定します。

この債券を100円で買えば、インカムゲインは年0.07%です。

債券投資で19%のリターンを得るには、金利低下によるキャピタルゲインで稼ぐしかありません。

で、そのためには

10年国債の利回りが「マイナス1.74%」にならないといけません。

現実的にはかなり難しい数字ですね。


さらに言うと


これまでの計算は長期国債を想定したケースです。

注意しないといけないのは、個人向け国債(変動10)の配分が20%あることです。個人向け国債(変動10)は商品性が長期国債とは根本的に違います。

長期国債は「固定金利債券」への投資
個人向け国債(変動10)は「変動金利債券」への投資

先ほど、長期国債に投資する場合、金利が低下すればキャピタルゲインと書きました。長期国債(固定利付債券)への投資は、金利低下がメリットになります。

しかし、個人向け国債(変動10)は、金利低下はデメリットです。

金利が低下すると最低保証の0.05%に張り付いてしまいます。長期固定とは違って、金利低下によるキャピタルゲインはありません。


債券内での逆相関


ちょっとまとめます。

金利低下した場合
長期国債(固定利付債):○
個人向け国債(変動10):×

金利上昇した場合
長期国債(固定利付債):×
個人向け国債(変動10):○

です。

長期国債と個人向け国債(変動10)の両方を持っていることは、ざっくり言うと、金利の上昇や低下の効果をお互いに打ち消しあう関係です。


違和感


個人向け国債(変動10)の部分では金利低下のメリットは取れません。

引用元にありました

「長期国債:20%」は、現状では、「ヘッジ付外債」か「個人向け国債(変動10)」に割り振る方がいいのではないか。


という意見に首をかしげます。

長期国債(固定利付債)への投資と、個人向け国債(変動)への投資では、金利に対する挙動が全く違います。得意とするマクロの経済環境が違うということでもあります。

安易に「割り振るのがいいのではないか」と言っていいのかなーと疑問に思います。

ヘッジ付き外債はまだ理解できますけどね。


思うこと


今回は、債券投資についてでした。

長期国債(固定利付債)と、個人向け国債の変動10では金利に対する挙動が違うことがポイントです。

「全ての環境で負けない」というと、すごく気になります。参考にもしたくなりますね。

ただ、だからこそ、詳細に見ていくことが大事ですね。それで納得できれば参考にすればよく、ちょっと違うよねと思えば参考にしないのがいいです。

高名な評論家の作ったポートフォリオだからと、吟味せずに受け入れるのは危険です。

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3505:

私はポートフォリオに債券を入れる理由って、満期償還まで保有して定期的な利払いかゼロクーポンで満期までの期間を複利にするゲインを想定していたのですが、普通の投資家の意図って債券の時価変動による資産総額管理なのかな。

記事を読んでると私の考えは異端っぽいですねw

2017.07.25 12:22 Colorless Freedom #- URL[EDIT]
3507:

※3505:Colorless Freedomさん
そうですね。債券は満期保有が手堅いと思いますし、異端でもないと思います。

今回は株式と債券の逆相関を暗黙の前提にした議論なので、満期保有ではなく、一期間のキャピタル変動を考慮しました。

2017.07.25 21:31 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]

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