地銀は債券投資より地元企業への融資をすべきか

金融庁は地方銀行などを対象に、国債や外債、預金、貸出などの金利リスクについて新たな規制を導入する方針です。[外部記事]

金利リスクを抑制して、その代わりに信用リスクを取らせたいようです。

今回は、金利リスクと信用リスクについて


地銀の行動


地銀はダブついた資金を債券投資に回しています。

日本国債はゼロ金利、マイナス金利ですね。そのため国債投資でリターンを得ようとすると、より長期の債券に投資するなどのリスクを取らないといけません。

で、債券の満期までの期間が長いほど、金利が上昇したときの痛手も大きくなります。


外債のリスク


地方銀行は外国債券にも投資しています。

ただ、おそらく米国債や欧州債券などの信用力の高い債券でしょう。しかも、為替リスクはかなりヘッジしていると思います。

要は国内債券の代替としてのヘッジ付外国債券投資です。

為替ヘッジするとリターンが国内債券と外国債券で同じになるという話しはありますが、実際のところは、長短金利差(いわゆるイールドカーブの形状)が違うため、為替リスクをヘッジした外国債券の投資で、日本国債への投資以上のリターンを狙うことは可能です。

もちろん、見通しが外れた場合は日本国債への投資以上の損失を被るリスクがあります。

ともかく為替リスクをヘッジして、かつ、米国や英国、ドイツなどの国債への投資であれば、為替リスクと信用リスクの点ではそれほど大きなリスクテイクではありません。


融資のリスク


債券投資は金利リスクですが、企業に対する融資は信用リスクと流動性リスクを負います。

日本国債の信用リスクはほぼゼロとみなせます。ところが企業への融資は、その企業が破綻するリスクがあります。

また、国債ならいつでも市場で売却することができます。ところが企業への融資は、途中で手放すわけには行きません。

リスクの質が根本的に違うんですね。

その分、企業への融資は信用リスクを反映して貸出金利が高くなるのですが、それもゼロ金利、マイナス金利の影響を受けて信用リスクに応じた金利が取れているのかは疑問です。


金融庁の公式見解


日経の記事によると、地銀が債券投資している資金を「地元企業への融資やベンチャー発掘などにあててほしい」というのが金融庁の公式見解とのことです。

ただ、どうなんでしょう。

地元企業で借入ニーズがある企業がどのくらいあるのか。借入のニーズがあったとして、その企業の経営状況はどうなのか(赤字操業の企業に融資するのは健全ではありませんね)。

そもそもベンチャー発掘はそう簡単なことではなく、債券投資よりも難しい判断が必要でしょう。リスクも高いですね。

そういう点を考えると、債券から融資へと簡単には動きにくい気がします。


思うこと


個人が貯蓄から投資へといってもなかなか動かないように、地銀に債券から融資へといっても金融庁が思うようには動かないのかなと思います。

で、地銀は債券投資より地元企業への融資をすべきか、ですが

私は、融資できる先には融資すべきだだと思います。ただ、融資は債券投資よりリスクの高いことだろうと思うので、リスクの取りすぎは要注意だと思ってます。


おまけ、のようなもの


タイトルの問いは形を変えると

金利リスクを減らして、信用リスクを増やすべきか、ともなります。

どういう種類のリスクをどのくらい取るか。アセットアロケーションならぬ、リスクアロケーションですね。

地銀それぞれが頭を悩ます問題ですし、見方を変えれば投資家の資産運用も同じことです。

リスクアロケーションがリターンの9割を説明する。

という説があるかどうかは知りませんが。(^^;

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