ピケティの二番煎じ? 日本のROEとGDP

日経平均の20,000円超えはあるかな・・・と、ちょこちょこ分析していたところ、興味深いことを発見したのでお知らせします。

ピケティの二番煎じのようなものです。

ピケティ本の主な部分は、資本収益率(r)が、経済成長率(g)を上回るというものです。

その点については過去記事「労働者より資本家になったほうがいい?」で、リターンの違いはリスクの違いなのでは、ということを考えました。

少し脱線ですが、資本収益率を株式投資のリターンととらえると、それは以前からある「エクイティ・プレミアム・パズル」という問題になります。エクイティ・プレミアム・パズルについては、機会があればあらためて書きます。

今回は日本のケースで(r)と(g)をみてみました


すごく雑な分析です


まず先に逃げを打っておきます。

これから私がお出しするのは本当に簡単な分析です。ピケティの二番煎じにならないレベルです。でも面白い結果なのでお付き合い下さい。

法人企業統計で日本の企業(金融業、保険業以外の業種・全規模)の「株主資本」と「当期純利益」から、ROEを計算しました。

株主資本は資本金、資本剰余金、利益剰余金の合計額
当期利益は税引き後です。

ROE = 当期純利益 ÷ 株主資本

このROEをピケティになぞらえて、(r)とします。

一方で(g)ですが、これは名目GDPの成長率を使います。


構造変化?


結果は以下の図です。

090_piketty_01.png

バブル期の1980年代でもROEはGDP成長率を少し上回る程度でした。

乖離が大きくなるのは2002年ごろからです。経済的には「小泉・竹中」路線で構造改革が進んだ時代です。

「小泉・竹中」路線の構造改革以降、ROEは改善しているのにGDPは低迷するということが長く続いています。

詳細な分析が必要ですが、感覚的に言ってしまうと、「富が企業の段階で留まってしまう」あるいは「富の配分先として、従業員のほかに株主を重視する」という状況が始まったのが、2002年ごろかなと感じています。

企業行動として、内部留保と株主への配当を重視するスタンスとなった。それと同時に、労働者の賃金が上昇しにくくなって、消費があまり喚起されず、だからGDPはそれほど伸びない。そういう構造変化が起きているというのが、私のひとまずの仮説です。


構造変化をもう少し深くみると


以下の図も興味深い結果です。

090_piketty_01.png

縦軸はGDP成長率、横軸はROEです。1981年から2013年までの33年分です。2002年の前後で色を分けました。

回帰分析したところ、2002年を期に構造変化が確認できます。

1981-2001まで
GDP成長率 = 0.94*ROE + 0.02
(係数のt値は13.1 決定係数は0.90)

2002-2013
GDP成長率 = 0.51*ROE + 0.04
(係数のt値は2.6 決定係数は0.41)

2002年以降は、企業の稼ぐ力であるROEと日本のGDP成長率との関連性が低下しています。

構造改革の結果、なんでしょうかねー。

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