運用コストは資産形成の一つの要素 唯一、最優先の要素ではなくて

投資の基本として、ドルコスト平均法の積立投資を長期的に、運用コストの低い投資信託で行うことが推奨されます。

積立投資、長期的、低コストです。

一般的な投資指南本はそうですし、金融庁が主導する積立NISAはまさにこの理念を具現化する制度です。

で、今回は低コストについて


基本的な考え方


低コストはいいことです。これが基本的な考え方です。

ただし、「コストが低いほうがいい」となると条件付きです。

(ほぼ)同じものであれば、コストが低いほうがいい。

です。

TOPIXをベンチマークとするインデックスファンドは、ほぼ同じものと考えていいでしょう。トラッキングエラーの大小の違いはあるにしても、どのファンドを選んでもポートフォリオの中身はほぼ同じです。

だから同じ指数にトラックするインデックスファンドならば、信託報酬が低いほうがいい。

ですね。


違うものなら


ところが、違うものなら、信託報酬が低いほうがいいとは言い切れなくなります。

バランス型ファンドでは組み入れる資産も違いますし、資産配分も異なります。それぞれのファンドではリスクリターン特性が異なります。

そのため運用コストは判断材料の一つにはなりますが、唯一、あるいは最優先の判断材料にはなりません。

具体的に見てみましょう。


信託報酬とリターンの関係


モーニングスターからデータを取りました。

小黒とら

過去5年(2002年3月末~2017年3月末)です。446ファンドあります。

横軸は実質の信託報酬料率、縦軸はトータルリターンです。どちらも年率。

トータルリターンは基準価額にもとづいていますので信託報酬控除後です。コストとトータルリターンには関係性が見られません。

信託報酬が低いほうがいいとは言い切れない結果です。


資産形成をするということ


実際のところ、資産運用というのは、資産クラスの中でアクティブにするかインデックスにするかという点よりも、どういうポートフォリオを作るかという点が大きいでしょう。

バランス型ファンドはポートフォリオの例です。たくさんのファンドを見ることで、リターンとリスク、コストの関係を見ることができます。

そこでコストとリターン関係ですが、先ほどの図のようにコストが低ければいいというものではないことが分かります。

あ、

大事なことなので念を押しますが、「コストが低ければいいというものではない」と言っているだけです。「コストが低いのがダメ」とも、「コストが高いのがいい」とも言っているわけではありません。

端的に言うと、コストが低ければいいという考えでは不十分。

という論点です。


リターンとリスク


先ほどの図ではコストとトータルリターンに関係性は見られませんでした。

小黒とら

こちらは関係性が見られます。

横軸は標準偏差(リスク)です。概ねハイリスク・ハイリターンの関係ですね。

資産運用で大切なのは、どのくらいのリスクを取ってどのくらいのリターンを狙うかの目算だと思うのです。


まとめ、のようなもの


今回は運用コストについて見てみました。運用コストは資産形成の一つの要素ですね。リターンを減じるので軽んじることはできません。

しかし、一つの要素であって、唯一の要素ではないですし、最優先すべき要素でもないと思います。

それは最初の図を見れば明らかです。運用コストとリターンには関連性は見られません。この結果から考えたいのは、コストが低ければ良いという考えで十分なのかという点です。

最近目にした記事では、手数料が○%以上のものは最初から投資の対象外にしましょうというのがあって、それはちょっと極論だなと思いました。

極論のほうが浸透しやすいですけどね。

人は自分で考えるより、他人から与えられる分かりやすい答えを受け入れたがります。論点や根拠を吟味しながら考えていくのは手間がかかるからです。

ただ、そうするしか自分の考えにはならないですよね。

手数料とリターン、リスク、資産形成をどう考えるか。

それは人それぞれ。自分の考えを持つことが大事だと思います。

ブログ村:よろしければ一押しをお願いします。
にほんブログ村 株ブログ 投資信託へ にほんブログ村 ライフスタイルブログ セミリタイア生活へ
 
3269:

こんにちは。
人それぞれ。おっしゃる通りですね。
短・中期に大きなリターンを狙うやり方とか集中投資の人は手数料は二の次三の次でしょうし、市場平均のリターンを考えている人はコストがリターンに影響するので敏感に。

ところで、金融機関の経営的に、ニーズに応えるのと収益の関係はどうなっているのかな?と思う事があります。
ただでさえ投資家が少ない日本で。
アメリカ並みの低コストを要求するうちに証券会社が潰れちゃったりして…。

投資の裾野が広がってほしいところです。
しかし、平日午後のワイドショー、ミヤネヤかな?でイデコの紹介をしていたのを偶々見たら…ヒドかった…。
「でも値下がりもするでしょ?損するかもしれないんでしょ。」しか言ってなかったような。
ファイナンシャルプランナーが出ているのに、喋るのは宮根ばかり。あ、呼び捨てしちゃった。失礼しました。
プランナーさんが「税金の控除がありますので‥」と言うと、「そうか、税金がね」と言っていましたが、順序立てて説明しないのかな?
きっと最後の方だけを見たのでしょうけど。
宮根の主観ばかり伝わった感じ。あ、また呼び捨てしてしまいました。
あれじゃ、誰もやりたくないと思いました。

関係ない話をしてしまい失礼致しました。

2017.05.02 11:41 みずほ #- URL[EDIT]
3270:

こんにちは

コストとリターンに相関性がないのは分かっていますが、ならば低コストに流れるのが普通なのかな?

同じ運用・・・例えばトピックスインデックスなどは比較してコストで決めて良いかと思いますが、アセットで考えると少し広めに考える必要があるのでしょう。

2017.05.02 17:25 yazirobe777 #- URL[EDIT]
3271:

※3269:みずほさん
人それぞれですね。
投資のスタイルは十人十色でコストの考え方もそれぞれですね。コスト単体でとらえるか、コスト控除後のリターンでとらえるかで入り口段階で分かれそうな気がしてます。

宮根さんの雰囲気が伝わりました。(^^)
投資に対してそういう人はいますよね。「損するんでしょ」みたいな。テレビ向けにはそっちのスタンスがいいんでしょうね。

2017.05.02 20:49 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]
3272:

※3270:yazirobe777さん
そうですね。同じ運用ならコストで決めていいと思います。それにコストが低いのに流れるのは自然なことだと思います。
コストについて、もう少し広めに考えてもいいのではと思いますね。

2017.05.02 20:59 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]

管理者にだけ表示を許可する