とんちん年金と50歳の男性が75歳まで生きる確率

第一生命保険が長生きした場合に備えた個人年金保険を発売するというニュースがありました。[外部記事]

年金を10年で受け取る他、生きている限り受け取れる仕組みも選べます。

今回は、この個人年金保険の損得勘定について


商品の概要


商品名は「とんちん年金『ながいき物語』」です。[参考リンク]

人生100年時代の到来に向け、ますます長くなるセカンドライフを安心して過ごすために、「トンチン」性を高めた個人年金とのことです。

トンチン・・・

17世紀のイタリア人のロレンツォ・トンティに由来した名称だそうです。

死亡時の死亡返還金を抑えることで、生き残った加入者の年金額を大きくする仕組みです。具体的には、年金支払開始日前に被保険者が死亡した場合は、払込保険料相当額の7割しか死亡返還金として戻ってきません。

年金支払開始日前に死亡した人には薄く、生き残った人には厚く支払う仕組みです。


具体的な損得勘定


掛け金と受取額の関係はこうです。まず10年確定年金で見てみましょう。

トンチン年金 小黒とら

さて、この年金の損得勘定です。

かなり複雑なので順を追っていきましょう。


死亡を考えないケース


50歳で加入した人が、70歳あるいは75歳で年金を受け取れます。死亡を考えないで話を進めます。

そうすると、①のケース(男性50歳)では、毎月3万円を20年間拠出すると、毎年77.02万円を10年間受け取れます。

拠出額:36万円×20年 = 720万円
受取額:77.02万円×10年 = 770万円

年金総受取時変換率:770÷720 = 106.9%

まあ悪くはなさそうです。

でもね、と

これを年あたりのリターン(IRR:内部収益率)で計算すると、

年0.45%です。

普通預金よりはいいですが、20年間コミットすることを考えると必ずしも高くないですね。

しかも!

途中で死亡したら元本割れです。


しかも、途中で死亡したら


このトンチン型の年金で考慮すべきは、途中で死亡することです。

死亡返戻金は払込保険料相当額の7割です。

途中で離脱すると元本割れ確定です。

で、問題は死亡で途中離脱する確率がどのくらいあるかですね。


50歳男性が70歳まで生きる確率


厚生労働省の生命表を元に計算しました。

50歳男性が、受取年齢の70歳(①のケース)まで生きる確率は、

85.9%です。

意外と低いですね。

14.1%は受取年齢の70歳になる前に死亡します。死亡した人には払込保険料の70%が返金されて、返金されない残りは生き残った人への支払い原資になります。(保険会社の経費、利益はひとまず置きます)

で、死亡の確率を考慮して利回り(IRR)を計算すると・・・

0.19%でした。

ん・・・

どうでしょう。

20年間の拠出期間で、途中で離脱すると元本割れが確定することを考慮すると、私にとっては魅力的ではないです。


ひとまずまとめ


今回の試算をまとめました。画像クリックで大きくなります。

833_tonchin_02.png

タイトル色掛けしたところが私が試算した数値です。

長生きに備える保険なので、途中で死亡することを含めた実質リターンで見るのは必ずしも適切ではないかもしれません。

途中で死亡したら損、長生きできればちょっとお得。

そう考えるのがいいんでしょうね。


ところで、終身年金なら?


今回取り上げた「とんちん年金『ながいき物語』」には、死ぬまで受け取れる形の年金もあります。

ケース①と同じ拠出なら毎年37.86万円が受け取れます。100歳まで生きると返還率163%です。

で、この受け取り方はお得でしょうか。

長くなったので次回にします。

次回記事:トンチン年金「終身型」(個人年金保険)の損得勘定

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