貯蓄と投資と投機に賭博 (2)

前回の「貯蓄と投資と投機に賭博」の続きです。

この続編では投資と投機と賭博(ギャンブル)の戦略についてお話ししていきます。

投資と投機はそれほど違いがない、あるいは定義を分けることにそれほどの意味がないというのが私の持論です。ですからここでは投資と投機を同じように論じます。


投資と投機の戦略


投資も投機もタイミングが重要です。

投信の販売員からは長期投資をすすめられて、「最適な投資タイミングはわかりません。ですからドルコストで投資して長く保有するのが一番です」と聞かされます。

投信を販売する側としては、積み立てのように定期的に投信を買ってくれるのが一番です。販売する側にとって「一番」いいことが、投資する側にとっても一番とは限らないのです。

投資にとって重要なのはタイミングです

投資を始めるタイミングによって長期的にプラスリターンを得られることもあれば、いくら長期投資をしてもマイナスから脱せないこともあります。

投資を手仕舞うタイミングも重要です。利食いも難しいですし、ロスカットも難しいのですが、うまく手仕舞えたら次へつながります。

入り口と出口のタイミング。これが重要です。


投資と投機の違いをあえて言うとしたら


投資と投機の違いをあえて言うとしたら次のようになります。

投資は投資対象をよく理解して、株の場合であれば企業価値(value)と株価(price)との差を認識しながらお金を投じる行為です。

投機は投資対象のことをあまり理解しないで、なんとなく行けるだろうという見切り発車で資金を投じる行為です。

私はこのように考えています。
投資と投機を分けるのは、投資対象や期間の違いではなく、プラスサムかゼロサムかの違いでもなく、お金を投じる側のスタンスの違いです。

ただ、投資対象のことを理解していると思っても理解しきれないことはありますし、誤った情報やデータ用いて一生懸命に企業分析することもあります。また、えいやっ!という投機的な思い切りがないと資金を投じられないこともあります。

ですから突き詰めると投資と投機の差はあいまいです。


賭博の戦略


賭博はネガティブサムです。期待値がマイナスだから数多くやれば必ず損をします。公営ギャンブルも私的な賭博も、宝くじもそうです。

ですからルーレットや宝くじのような運を天に任せる賭博の場合は、ハイリスク・ハイリターン型の集中投資が最適戦略です。
ルーレットの場合、1~36の数字と0があります(簡略化のため00は考えません)。37個の可能性があるわけですね。

ルーレットの必勝法は一点買いです。

1つの目にチップを置いて当たると36倍になって帰ってきます。払い戻し率としては36×1/37ですので97.3%となり、期待値としては2.7%のマイナスとなります。

たくさんルーレットをやると、その結果はマイナス2.7%に収斂します。大数の法則です。

ですから、当たりやすい赤黒で2倍の戻しを得ながら長くやるよりも、1点買いで大穴を狙いに行ってうまくいけば早く切り上げるのが得策です。


戦略


プラスサムのゲームなら、たくさんやって大数の法則に収斂させるのがいいのですが、現代の株式投資などは「長期であればプラスサム」ということは何ら保証されていません。

投資や投機のようにプラスサムかどうかわからないものを相手にする場合は、タイミングが重要です。タイミングによってプラスの結果にもなりますし、マイナスの結果にもなります。長期的にみてプラスサムと言い切れないのは、日経平均株価だけでなく、ナスダックや中国株の指数を見てもわかります。

なお、賭博のようにネガティブサムが決まっているゲームなら、ヒットアンドアウェイのような集中投資の短期勝負しかありません。


処女と少女と娼婦に淑女が女性という共通項があるように、貯蓄と投資と投機と賭博も手持ち資金を増やしたいという目的には共通項があります。多少の違いはありますが、根っこは一緒です。それぞれの違いを考えるよりは、根っこの部分である「どうすれば資金を増やせるか」を考えるのが有益です。

そのうえで、それぞれに適した戦略でアプローチすることが大事ですね。

 

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