日本の1人あたりGDPの順位が低下することについて

日本の1人あたりGDPが低下しています。

「1人当たりの名目GDP、過去最低の20位」[外部記事]


引用記事


読売新聞の記事を抜粋して引用します。

内閣府は22日、2015年の国民1人当たりの名目国内総生産(GDP、ドル換算)が前年比9・6%減の3万4522ドルだったと発表した。(略)

ドルベースの1人当たりGDPは、経済協力開発機構(OECD)に加盟する35か国中、前年より一つ下の20位となり、比較可能な1994年以降、過去最低の順位となった。


ドルベースなので少し注意が必要です。

円安・ドル高が進むとドル換算GDPは目減りします。ちなみに円ベースでは前年比3.4%増で4年連続で増加しています。

で、今回のテーマは「1人あたりGDP」です。


1人あたりGDP


日本は少子高齢化が進みます。総人口も減っていきますし生産年齢人口(15歳~65歳)も減っていきます。

その他の条件を一定にしたとき、労働の投入量が減ればGDPの総額は減ります。

なのでGDPは縮小の圧力がかかるわけですね。

GDPを維持、拡大させるには

1. 労働投入量を増やす
2. 1人あたりのGDPを増やす

のアプローチがあります。

1.は出生率を上げるのが一つの手ですが、いま出生率を上げても、赤ちゃんが成人するのに20年かかります。即効性はないですね。

女性の労働参加率を引き上げたり、定年を伸ばしたりして高齢者の労働を促すのも一つの手です。「一億総活躍社会」の構想ですね。ただ「保育園落ちた日本○ね!!一億総活躍社会じゃねーのかよ!!!」という政争もあって、こちらもすぐに何かが変わるとは思いにくいです。

あとは、移民を受け入れるかという問題になりますが、こちらも議論百出しそうです。


では1人あたり?


で、このところ目にするのは、「1人あたりGDPを引き上げよう」という議論です。

労働の生産性を高めようとする動きです。

とはいえ労働生産性は古くからのテーマです。根深い問題なので一朝一夕では改善しにくいでしょうね。過労自殺や残業を巡る考え方もそうですし、パワハラもそうです。

文化論的な問題とは別に、人口動態的な問題として1人あたりGDPが向上しにくい理由もあります。


人口動態的な問題


結局、生産年齢人口の問題に行きつきます。

1人あたりGDPは、「働いている人の1人あたり」ではなくて、「全人口の1人あたり」です。

子供や学生、退職者なども含めての1人あたりです。

働く人の生産性が上がっても、働いていない人の数が増えれば、1人あたりの生産性向上は薄まります。場合によっては、働く人の生産性が上がっても1人あたりの生産性がマイナスになることもありえます。


日本の年齢


主要国の中央値年齢を示します。

平均年齢が取れなかったので中央値年齢ですが、見たい情報としては足りています。データ出典は国連(出典

各国人口中央値 小黒とら

横軸が国民の人口の中央値です。

日本(46.5)、ドイツ(46.2)、高所得国(39.7)、米国(38.0)、中所得国(28.9)、低所得国(18.5)。カッコ内が年齢。

ちなみに、全世界で日本より高齢の国・地域はありませんでした。

傾向としては高所得国、先進国ほど年齢が高く、低所得国は年齢が低くなっています。


まとめ、のようなもの


日本の人口動態を考えると、これまでの延長線上ではGDPの成長は大きくは期待しにくいです。働いて富を生み出すだけでは経済が上手く回らない構造なのかなと思います。

ポイントは分配と消費のサイクルかな。

企業は富を生み出しています。でも従業員は疲弊しています。

働き方改革。

改革の対象は、働く側(労働者)か、働かせる側(企業)か。

両方なんでしょうけど、より後者の問題かなと思ったりします。

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2859:

こんばんは

生産性を向上させてGDPを上がれば、税収アップにつながり問題解決の一旦になりますが、それが一般市民に降りるのかが問題ですね。何らかの手段が必要と思います。

2016.12.25 22:06 yazirobe777 #- URL[EDIT]
2861:

※2859:yazirobe777さん
こんばんは。
そうですね。トリクルダウンが機能する仕組みが必要なのかなと思います。生産性の向上が一般市民の豊かさに直結するといいですね。

2016.12.26 18:19 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]

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