インデックス投資のメリットに対する誤解

インデックス運用をすると「市場の概ね平均的なリターンが得られる」という説があります。

平均ならいいよね。

という思いでインデックスに投資している人もいると思います。

今回は、インデックス投資を考えます。


平均とは?


インデックス運用で市場平均のリターンが得られるというのは、経済評論家の山崎元氏の持説です。

インデックス運用とは、公表されている株価指数(=インデックス)と同じ銘柄と投資ウェイトで株式等を保有する運用方法で、(1)市場の概ね平均的なリターンが得られること、(2)運用手数料が低廉であること、(3)株価指数に連動するので運用状況を把握しやすいことなどのメリットを持っている。 (引用元外部記事


(2)と(3)は同意します。しかし、(1)は同意できません。

どういうことか検証していきましょう。


「平均」の定義


アクティブ運用者を10人(=10のアクティブファンド)とします。

平均とは、アクティブ運用者10人が得たリターンの単純平均とします。10人の中には良好な成績の人もいますし、不振の人もいますね。

その10人の平均点をリターンの単純平均とします。


試算の前提


市場にある株式はA社、B社、C社の3銘柄のみ。どの銘柄も、発行済み株式数を浮動株ベースで21株とします。

インデックス投資は、A社、B社、C社を1株ずつ持ちます。残り各20株をアクティブ運用者が取り合うことにします。

期首と期末の株価とリターンはこうします。

小黒とら

ここまで特に違和感はないですよね。


平均にならない例1


試算結果を示します。

774_active_01.png

10ファンドを合計すると、A社、B社、C社の株数は20株となります。

インデックスファンドのリターンは47.1%

アクティブファンド10本の平均リターンは64.9%

なお、このケースでは各ファンドの期首のウェイトによる加重平均リターンは、47.1%となってインデックスファンドと同じになります。


平均にならない例2


アクティブファンドの期首のウェイトで「加重」しても平均にならないケースがあります。

以下が一つの例です。

774_active_02.png

C社は株主優待で個人投資家の人気が高いとします。

優待目的で株式に投資する人は、インデックス対比で優劣を競うアクティブ運用とは違う投資家です。世の中にはインデックス対比での勝ち負けにこだわらない投資家がたくさんいます。

そういう投資家がたくさんいて、優待目的でC社の株式をたくさん保有しているとします。

そうするとC社の株は流動性が低いですよね。流動性の低い小型株は、一般的なアクティブファンドでは敬遠される可能性があります。

インデックスファンドならきちんと市場ウェイト通りに買います。アクティブファンドはC社の株を敬遠する(あまり出回っていないので買いにくい)結果、さきほどの保有比率になります。

そうすると、「加重」しても平均にならないんです。


整理します


ケース1の結果
アクティブファンドのリターンの単純平均は、インデックスファンドのリターンと異なる。
ただし、
アクティブファンドのリターンの加重平均は、インデックスファンドのリターンと同じ。

ケース2の結果
アクティブファンドのリターンの加重平均は、インデックスファンドのリターンと異なる。


この結果から言えること


1. アクティブファンドのリターンの単純平均は、インデックスファンドのリターンと異なる。

2. アクティブファンドのリターンの加重平均は、流通している株が「すべて」インデックスファンドとアクティブファンドで保有されている時に限り、インデックスファンドのリターンと同じ。

3. アクティブファンドのリターンの加重平均は、流通している株の一部がインデックス運用とアクティブ運用とは異なる投資家に保有されていて、インデックファンドとアクティブファンドですべてが保有されていない場合、インデックスファンドのリターンと異なる。

で、

現実の株式市場は、「3」ですよね。

単純平均でも加重平均でもアクティブ運用のリターンの平均はインデックス運用のリターンとは異なるんです。


インデックス投資について


インデックスファンドの特徴
(1)市場の概ね平均的なリターンが得られること
(2)運用手数料が低廉であること
(3)株価指数に連動するので運用状況を把握しやすい

私は、(2)と(3)だけでインデックス投資する理由は十分だと思うのです。(1)は正しくないのでメリットとするのは無理があります。

値動きが把握しやすく、かつ、コストが低い。

それだけで十分。

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2845:

よく分かりませんが、「概ね」が付いているから概ね平均とは言えるんじゃないですかね。反論するには「概ね」の範囲を超えて平均じゃないと証明する必要があり、これは無理だと思います。どっちかと言うと国語の問題かなあ。

インデックス投資は理論が全てだから曖昧な表現は許されないと思うのですが、それをやると読者が付いてきませんよね。現に私もこの記事に付いて行けてませんw

2016.12.23 01:24 さいもん #- URL[EDIT]
2846:

> (1)市場の概ね平均的なリターンが得られる

これはおかしいですね。「市場の概ね平均的な価格で売買できる」なら理解できますが。

リターンは売買タイミングで違ってきます。
投資家一人ひとりが「市場の概ね平均的なリターンが得られる」ことはないでしょう。

2016.12.23 07:29 Tansney Gohn #SNAM66t2 URL[EDIT]
2847:

※2845:さいもんさん
「概ね」の言葉はあいまいですね。国語の問題というご指摘はその通りだと思います。
ちなみに事例1と2の結果で私の感覚では概ねを超えています。(^^)

2016.12.23 09:22 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]
2848:

※2846:Tansney Gohnさん
(1)市場の概ね平均的なリターンが得られる
はい。これはおかしいです。

さいもんさんのご指摘にもありましたが「概ね」は曖昧ですし、もっと言うと「平均的な」の「的な」も曖昧さを含んでいます。

インデックス平均論は理論的な衣を着せていますが、結局のところ、曖昧さを含んでいる点で提唱者の「意見」に過ぎないんです。
なので「市場の概ね平均的なリターンが得られる」わけではないですね。

2016.12.23 09:32 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]
2849:

個人的な意見ですが、インデックス投資は、長期を前程にしているので、ある瞬間の状態を比較して、反論するのはちょっと難しいかな、と思います。(インデックス投資家でも似たような検証をされている記事を見たことありますが・・・)

なので、A、B,C社の値動きというパラメーターを変化させて、(自然なリターン、リスクで)各ファンドのリターンの推移をグラフでプロットして、どのファンドが市場の平均的なリターンに近いか?で、概ねなのか?概ねじゃないのか?判断するしかないような気がします・・・。

ちょっとめんどくさいですね。(;'∀')

2016.12.23 09:33 りあるむえ #- URL[EDIT]
2850:

※2849:りあるむえさん
そうですね。インデックス投資は長期を前提にしていると思います。
ただ、1期間モデルを10年のリターンと考えれば、10年のバイアンドホールドの結果と言えますし、30年とすれば30年です。平均になるか否かは、投資期間に依存しないはずです。

「概ね」とか、平均「的」という曖昧な語句は排除して、
1. インデックス投資のリターンは、複数のアクティブ投資のリターンの平均値である。
2. 1は、複数のアクティブ投資(部分集合)の合成が、市場全体(全体集合)と一致しない場合でも成り立つ。
として検証したところ、「偽である」というのが私の結論です。

概ね?を定性的に検証するため、パラメータ化してモンテカルロシミュレーションでやることは可能ですが・・・

たしかに、ちょっとめんどくさいです。(^^;

ポイントとしては
インデックス投資をする理由は本文(2)と(3)だけで十分というのが私の意見です。

2016.12.23 10:01 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]
2851:

インデックス積立投資は利益確定を先送りしているとも言えるので
始めるタイミングと利益確定のタイミングと
出口時の証券税制次第だと思いますね。
まぁ、どの投資方法にも言えることなんですけどね^^;

2016.12.23 18:47 freeflyfisher #- URL[EDIT]
2855:

※2851:freeflyfisherさん
そうですね。タイミングと出口時の証券税制は気になりますね。配当や譲渡益の税率がどうなるか分からないですよね。^^;

2016.12.24 15:52 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]

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