PERの意味を再確認

銘柄が割安か、割高かを判断する指標としてPERがあります。

よく使われますが意外と奥が深いです。

今回はPERについて


PER


PER=株価(Price)/利益(Earnings)

利益は一株当たり利益です
株価のところに時価総額を使うなら、利益は利益総額になります。

今回は株価と一株当たり利益の関係で話を進めます。


いや、そのかいせつは


PERの解説で、ん?と思うものがありました。

利益が変わらないとして、PERが○倍ということは

1. ○年分の期待が織り込まれている。
2. 将来の利益が現在の○倍まで成長するとの期待が織り込まれている。

という内容です。

いや、その解説はおかしい・・・です。


何がどうおかしいか


PERが○倍ということは、○年分の期待が織り込まれている。

これについて考えます。「期待」という言葉はあいまいなので「利益」として話を進めます。(投資家の期待は利益に対する期待) なお利益は一定とします。

Q. PER20倍の株価は、20年分の利益が織り込まれているのか。

A. いいえ。

もーーーーーっと長い期間の利益が織り込まれています。理論上は永遠の利益です。


○年分の利益


普通とはちょっと違った数式でPERを示します。

Eが将来の利益、Pが現在の株価です。

769_PER_01.png

この数式の収束は

P=E/r

となって、PER式と実質的に同じになります。rがPERの逆数です。

PER式には永遠の未来が含まれているんです。

だから、PERが20倍だからといって、20年分の利益や期待が織り込まれているという解説は誤りです。

あ、

式の変形にご興味のある方は、「無限等比級数の和」がキーワードになります。


実際に


PER20倍の株式で実際にエクセルでやってみました。

PER20倍ということは、株価100円に対して毎年5円の利益があることを意味します。なので利益は5、株価は100としました。

769_PER_20.png


先ほどの長い式を使って、n年分の利益を織り込んで計算した株価です。織り込む期間が長くなればなるほど、現在の株価100円に収束していきます。

20年だけの利益では足りません。

ちなみに、PER30倍だとこうなります。

769_PER_30.png


こちらも同じく、30年の利益では足りないのです。


重要なポイント


PERは、株価と利益の比率で、「株価が利益の○年分」という言い方がされます。

ただ、それはあくまで比率であって、「○年分の利益なり期待が織り込まれている」のではありません。


さらに踏み込んで


PERが○倍だから、「将来の利益が現在の○倍まで成長するとの期待が織り込まれている」という解説もあります。

でもね、と。

こちらも正しくありません。

いまのTOPIXの予想利益ベースのPERは約17倍です。(出典

東証一部上場企業の、将来の利益が現在の17倍まで成長すると期待している投資家はいないでしょう。


まとめ、のようなもの


PERは、似たような企業の株価の割安、割高を比較するときには有効です。

でも解釈には注意が必要です。

PERって、数式は簡単ですが意外と奥深いです。

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2837:PERの不思議

PERは、似たような企業の株価の
割安、割高を比較するときには有効

そうなんですよね
いい数字が出やすい業種と
そうでない業種があります

国別のPER比較表なども見かけますが
会計制度の異なる国同士を
税引き後利益で比較しても
参考程度にしかならないだろうに
といつも思っていました

2016.12.18 06:01 消費しないピノキオ #0bEIyvWM URL[EDIT]
2838:

※2837:消費しないピノキオさん
そうですよね。似たような企業でない場合、単純には比較できないですよね。
PERはあくまで参考程度ですね。

2016.12.18 19:24 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]

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