とらコスト平均法による投資 ちょっとした投資アイデアです

積立による長期投資ではドルコスト平均法とか、ドルバリュー平均法とかがありますが、今回は「とらコスト平均法」をご紹介します。

ドルコスト平均もバリュー平均法もそれほど違いはないので、以下からはドルコスト平均法で統一しますが、ドルコスト平均法で私は問題だなと思う点があります。まず、問題点について整理します。


ドルコスト平均法の問題点
過去記事「ドルコスト平均法による長期積み立て投資にご注意」でも書きましたが、ドルコスト平均法のデメリットとして、際限のない難平(ナンピン)買いになりかねないことです。それに加えて、高値買いも避けられません。

そもそも、相場がどんな状況にあっても「常に買っていく」というのは合理的とはいえないというのが私の考え方です。

今回はナンピンではなく、高値掴み対策を取り上げます。


あなたの考えはどちらのタイプに近い?


まず、以下の2つのうち、あなたがどちらの考えに近いかです。

1. 株は長期的にはプラスリターンだから、とにかく長期投資をすれば報われる。
2. 株は景気変動とともに上下するし、フェアバリューを越えてバブルになることもあれば、ファンダメンタルズを越えて売り込まれることもある。だから高値掴みを避けて、安いときに仕込むべき。

1. であるなら、普通のドルコスト平均法で積立投資がいいと思います。
2. であるなら、以下をお読みください。


とらコスト平均法


毎月決まった額を投資に回すコツコツ型で、投資のことは考える時間もあまりない人向けの簡単なフォーミュラー運用を紹介します。

とらコスト平均法です。

考え方はシンプル。毎月、決まった額を投資か貯蓄に回します。今回の例は毎月150,000円、10年間です。積立総額は18,000,000円です。毎月50,000円を30年でもいいのですが、3倍の金額で1/3の期間の方がリスクは小さいです。[過去記事]

とらコスト平均法のキモは、毎月末に以下の判断をすることです。

1) 月末の株価が、投資開始以来の最安値であれば、株式に投資
2) 月末の株価が、投資開始以来の最安値でなければ、銀行預金

これだけです。
銀行預金に回した分は毎月積み上がるでしょうけど、それは最安値になった時に一括で株式投資に振り替えます。そうして翌月はまた、150,000円を株式に投資するか、銀行預金に置くかをきめます。

10年の間に株価は少なくとも1回は大きな上下があります。投資開始して上昇することもあれば、下落することもあります。安値を更新するまでは銀行預金に毎月預けて、安値を更新したタイミングで、預けていた分を一気に投資にまわします。

そうするメリットは、高値掴みをしないということです。


過去のデータで10年間


1984年1月から1993年12月の10年間
1984年2月から1994年1月の10年間


2005年2月から2015年1月の10年間

これで254のデータが取れます。254のデータでドルコスト平均法と、とらコスト平均法を比べました。

とらコスト平均法 小黒とら

横軸は、投資総額 18,000,000円に対する損益額です。

高値掴みを避けて、安値になった時にそれまでの銀行預金分を株式に回す、とらコストの方がうまくいっています。

株価が高いときは無理に投資せず、銀行預金に毎月ためておいて、時期が来たら一気に株式に振り替える。そういうやり方もちょっと考えてみてはいかがでしょう。


重要なひとこと


私は投資の基本はリスク管理だと思っています。リスク管理で大事なことはポジション管理だとも思っています。

なので、自動的にポジションが増えていくドルコスト平均法(およびその派生形)は、私は取り入れていません。上のお話は、あくあまで、「毎月機械的に投資するよりも、高値掴みを避けるという点で預金も使いながら資産形成を考えてはいかがですか」という趣旨です。

とらコスト平均法が万全だという意味ではありませんのでご注意ください。

小黒とら

 
47:

隔週でそれをやってみようかと、密かに思っていました。
(頑張って、月20,000円が限界ですが…)
ニッセイの日経225インデックスと外国株式インデックス、どちらにしようか迷っています。

2015.02.10 23:42 みみん #v9N23lz2 URL[EDIT]
48:おもしろい!

ためになる記事でした。
毎月決まった額を積立投資してますが、確かに常に買っていくのがいいのかと漠然と疑問に思っていました。かといってタイミング判断は難しいし。この記事はためになりました。

2015.02.11 09:08 ななし #- URL[EDIT]
49:

※47:みみんさん
そうですね。隔週でやってみるのもいいかもしれませんね。(金額はあくまで例ですので・・・)

2015.02.11 15:28 小黒とら #- URL[EDIT]
50:

※48:ななしさん
コメントありがとうございます。
ドルコスト平均法は手軽なんですが、リスク管理の点では私は必ずしも合理的な投資行動だとは思っていません。常に買っていくのがいいのかについても、私は「そうではないでしょう・・・」と思っています。

2015.02.11 15:34 小黒とら #- URL[EDIT]
81:

とても面白く参考になります。
質問なのですが、相場が上がり続けて、例えば、ずっと数年投資最低ラインを下回らなければ、何年でも待つ、ということでしょうか。

2015.02.27 18:17 ファン #- URL[EDIT]
82:

※81:ファンさん
コメントありがとうございます。

はい。何年でも待ちます。
とらコスト平均法は、相場見通しを持っていない人が高値掴みを避ける手法です。いまが安値圏にある、この先しばらく上昇しそうという見通しを持っていて、上値ではいったん売る、という戦略を持っている方には向いていないやり方です。

株式に投資するチャンスがなくても、数年間、しっかり毎月預金を積み立てれば意外と貯まってるものです。高値掴みをするよりは、投資機会がなかったほうがいいという割り切った考え方です。

2015.02.27 20:42 小黒とら #- URL[EDIT]
83:

とてもわかりやすいご返答、どうもありがとうございました。

2015.02.27 23:24 ファン #- URL[EDIT]
94:

この投資法のバックテストは何でされているんでしょうか?
日経平均やTOPIXであるなら、アメリカ株でのバックテストもお願いします。

2015.03.12 06:47 AKI #- URL[EDIT]
95:

※94:AKIさん
バックテストは日経平均株価です。
アメリカ株は興味深いご指摘なので機会を見てやってみたいと思います。

2015.03.12 11:55 小黒とら #- URL[EDIT]
100:

バックテストを楽しみにしています。

私も単純なインデックス積立は欠点も多いと思っています。

一番の欠点は、アセットアロケーションの名の元に、リターンを抑える投資をしてしまうことでしょう。
安い時にどれだけがっつり買えるかが、重要だと考えています。

2015.03.13 23:59 AKI #- URL[EDIT]
101:

※100:AKIさん
私もAKIさんと同じような考えです。
高い時に買わないことと、
>安い時にどれだけがっつり買えるかが、重要
ですね。

2015.03.14 08:41 小黒とら #- URL[EDIT]

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