日銀レポート、「株価(TOPIX)は-55%下落」に思うこと

前回の記事のコメント欄でColorless Freedomさんが「金融システムレポート別冊シリーズ」を紹介してくれました。

それをきっかけに日銀のレポートをいくつか読みました。そこに興味深いものがあったので紹介します。

今回は、日銀レポートについて


金融システムレポート2016年10月


金融システムレポート2016年10月」はご一読をおすすめします。

日銀の基本シナリオは、株価(TOPIX)と名目為替レートは横ばいを見込んでいます。波乱のないシナリオです。

それが基本ですが、日銀はリスクシナリオを持っています。

金融システムの安定を守るのが日銀のお仕事です。その一環としてのリスクへの備えですね。基本は横這いとしつつ、もしかしたらこういう事もあるよね、というストレステストです。


テールリスクのシナリオ


テールイベントを想定したストレステスト。

海外経済の成長率は、2015年の+3.1%から、2016年+2.8%、2017年-0.2%へと大幅に減速するシナリオで、国内経済(実質GDP)の成長率は、2017年度は-3.7%と大幅なマイナスとの前提で・・・

・株価(TOPIX)は、2017年第3四半期にかけて-55%下落し、その後横ばい
・国債利回り(10年物)は、2016年度-0.11%、2017年度-0.18%まで低下
・名目為替レートは、2017年度80円/ドル、2018年度78円/ドルで推移

となります。


特定シナリオのストレステスト


日銀は上記のストレステストと別に、特定イベントでのストレステストもしています。

それが、「ドル金利のタームプレミアムが拡大することを想定」したリスクシナリオです。要は日本の銀行がドルを調達しにくくなることでリスクが高まるというシナリオです。

日銀レポートで指摘されるシナリオは興味深いです。引用します。

これまで低位に抑えられてきたドル金利のタームプレミアムの拡大は、長期金利の上昇をもたらし、米国経済が減速する。米国経済の下振れは、貿易・金融チャネルを通じて世界経済に波及する結果、わが国経済も減速する。

こうしたドル金利の上昇や世界経済の減速は、グローバルに企業財務を悪化させ、信用コストが増加する。この間、新興国から米国など先進国への資金流出が起こり、新興国の成長率がさらに下押しされたり、ドル建て債務を抱える新興国企業の財務悪化を招く可能性もある。

さらに、こうした状況のもと、各国の株価は下落し、ドル長期金利の上昇とともに、金融機関の有価証券評価損益を悪化させ、国際統一基準行の自己資本を減少させる。


ん・・・

ちょっと整理。


つまりはドルが貴重になると


ドルの金利が上昇し、ドルの調達がしにくくなるのがリスクです。

米国の長期金利の上昇 → 米国経済が減速。

米国経済の減速 → 世界経済も減速、日本経済も減速。

ドル金利の上昇や世界経済の減速 → 新興国から米国などの先進国に資金が移動 → ドル建て債務を抱える新興国のリスクが高まる。

こうした状況のもと、各国の株価は下落。

悪いことのスパイラルですね。(^^;

ちなみに日銀レポートは2016年10月なので米国大統領選挙の結果が出る前です。トランプさんが保護主義的な姿勢を強めると、それは追加的なリスクだろうな・・・と思います。


まとめ、のようなもの


ここ数日は米国金利の上昇で日米金利差が拡大し円安に振れています。

円安になると日本の株式にはプラス要因なので、意外に強い相場が続いていますね。

ただ、米国金利の上昇はそれなりにリスクを高めるというのは心に留めていたいです。新興国や信用力の劣る企業の信用リスクの高まりには気を付けたいところです。

トランプ次期大統領の政策もまだ不透明。

過度に悲観せず、過度に楽観せずに見ていきたいですね。

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2753:

いつも好き勝手なコメントをしてご面倒をおかけしていますが、すこしでも興味のある情報をご提供できたのであれば、幸いです。

2016.11.17 22:35 Colorless Freedom #- URL[EDIT]
2754:

※2753:Colorless Freedomさん
先日はありがとうございました。
引き続き好き勝手なコメント(^^)をよろしくお願いします。

2016.11.18 19:14 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]

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