国の借金と国富について

ダイヤモンドオンラインに「『日本は借金が巨額でも資産があるから大丈夫』という虚構」という記事がありました。[外部記事]

田中秀明氏(明治大学公共政策大学院教授)の寄稿です。

今回は、日本の財務の雑感です。


概要


田中秀明氏の記事は、国の借金の大きさに警鐘を鳴らし、財政再建の重要さを主張する内容です。

国のバランスシートを提示して説明が進むのですが、思ったのは、財務省の見解に近いな・・・ということです。ちなみに田中秀明氏は元財務官僚です。国のバランスシートとその見解については財務省のサイトの方がコンパクトにまとまっていますので、そちらをご紹介します。

財務省のサイト

財務省のサイトには2009年(平成21年)時点の国のバランスシートが示されています。

資産:647兆円
負債:1,019兆円

で、資産・負債差額として、マイナス372兆円

企業のバランスシートで考えると純資産(資本の部)がマイナス372兆円ということなので、「債務超過」の状態です。


これをベースにした話


ダイヤモンドオンラインの記事は上記の債務超過状態をベースにした議論です。

国は企業に例えると債務超過の状態だ。だから財政再建は待ったなし。

という論調です。

ん・・・

たしかに、国(政府部門)の債務超過は大きいですけどね。


国富という視点


財務省ではなく、内閣府が出している資料も見てみましょう。

国民経済計算です。[資料]

これによると、国全体(政府だけでなく民間部門も含む)でみた「正味資産(国富)」は

国富(資産から負債を差し引いた正味資産に相当)は、平成26暦年末には3,108.5兆円(前年末比+2.0%、同差+60.0兆円)と、2年連続の増加となった。


とあります。

国富3100兆円です。

ちなみに過去からの推移は以下です。

img_2e833dd02a2f3ec7aca56ba4949cf26f150637.jpg
(画像出典:Wikipedia


楽観も悲観も


国富を見ればそれほど心配はいりませんが、政府の財務バランスを見ると悲観になります。

ただ、政府の負債は、裏を返すと国民の資産(貯蓄)です。

政府の負債を減らすには、国民の資産と相殺すれば良くて、つまりは増税と政府支出の抑制(たとえば国民の医療費負担の増加、行政サービスの有料化)につながりますね。

一方で、国富はそれなりにあって、対外純資産は徐々に増えています。

国全体のバランスで見たとき、政府のバランスを整える緊急性や必要性がどれほどなのか。

私は国の借金を過度に悲観はしていませんし、そうかといって手放しで楽観もしていません。

ハイパーインフレや円の暴落、預金封鎖は現実味が薄いですが、少しずつ、本当に少しずつ、年金の抑制、社会保障(医療・介護費)の負担増、行政サービスの低下や有料化はありうるのかな・・・程度には思っています。

あ、あと、消費税の引き上げですね。

しょうがないけれど社会の持続性を考えたら受け入れられる。

そういう程度で財政再建や社会保障改革が進む気がします。

雑感でした。

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2708:

こんばんは

だいたい物事、「絶望するほど悪くはないのですが、楽観するほど甘くない」といった感じなのでは?
おっしゃるように極端な論調が流布されるなか少しづつ増税や制度改悪が進んでゆく流れかと思います。
それぞれの立場で倹約や見直しを進めるのが吉でしょう。

まあ、テールリスクは困ったことにだいたい事前に騒がれないもの。根拠のない極論に乗せられては損なことですね・・・


2016.11.03 20:25 yazirobe777 #- URL[EDIT]
2710:

※2708:yazirobe777さん
そうですね。だいたいのことは絶望と楽観の中庸なところに落ち着くんでしょうね。
将来、年金が抑制されても、医療費の負担が高くなっても、それでも何とかなると思っていた方がいいんでしょうね。

2016.11.03 21:45 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]

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