日銀の新たな政策の枠組み イールドカーブを政策の目標に思うこと

本日の大注目、日銀の金融政策決定会合が終わりました。

正直なところ日銀も手詰まりになっているのかなと感じました。

今回は、日本の銀行の手詰まり感について


日銀の意図するところを忖度すると


日銀は、イールドカーブ(利回り曲線)の形状を政策のターゲットにします。

どこまでコントロールできるか技術的なところは疑問が残りますが、イールドカーブの形状を政策のターゲットにすること自体は違和感はありません。

長短スプレッドが大きい方が銀行の収益には追い風です。

今回の日銀の措置は、銀行経営に配慮したものと私は思います。


単純化して考えると


市中銀行の立場で単純化して考えます。

1. 預金の金利と国債の利回りの差が、銀行の利ザヤA
2. 預金の金利と企業向け融資の差が、銀行の利ザヤB

国債は信用力が最上なので同じ期間(たとえば1年)なら、「融資金利」>「国債利回り」になります。そこで、銀行は国債で利回りを稼ぐときは通常は長期国債を保有して期間のリスクを取ります。

市中銀行にとっては、期間のリスク(金利リスク)を取って利ザヤAを狙うか、信用リスクを取って利ザヤBを狙うかの組み合わせです。


これまでの日銀


これまで日銀は、量的緩和で債券を爆買いして長期金利を低下させてきました。イールドカーブを潰してフラット化させたわけです。

その狙いは、利ザヤAがつぶれていく事で、銀行の行動を利ザヤBに仕向けることでした。
[参考過去記事]

ただ、それも限界が来てますね。

今回の措置は行き過ぎたフラット化を修正する意図があるのでしょう。

日銀の資料にも以下の言及があります。[資料]

"イールドカーブの過度な低下、フラット化は、広い意味での金融機能の持続性に対する不安感をもたらし、マインド面などを通じて経済活動に悪影響を及ぼす可能性がある。"



これまでの市中銀行の行動


市中銀行は融資を増やしてきました。

しかし、このところは伸び率が鈍化しています。融資の前年比です。

小黒とら


銀行が融資を伸ばしにくくなっている一方で、預金は増える一方です。預金の前年比です。

小黒とら

どちらも日銀のサイトからデータを取りました。

この傾向から思うに、この先、利ザヤBを伸ばしにくくなると思われます。単純に考えて銀行経営はしばらく厳しくなるでしょう。

そこで、日銀は利ザヤAに配慮することになったのかな、という気がします。


まとめ、のようなもの


私は今回の措置で日銀の手詰まり感と微妙な軌道修正を感じました。

日銀は物価の安定(安定的にインフレ率2%)も目標ですが、もう一つの目標である「金融システムの安定」に軸足を移したのかな、というのが第一感です。

金融論は複雑なので、私の見方がどのくらい妥当性があるかは議論の余地ありでしょう。

いろんな見方、いろんな意見があってしかるべきです。(^^)

過去記事
なぜ日銀は国債を購入するの? ポートフォリオ・リバランス効果について
2025年には地銀の大半が赤字経営 金融庁の試算に思うこと

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2590:

こんばんは

なかなか難しい発表ですね。
人それぞれの解釈が出来そうです。
明日は日経は休みですが、為替は円高・・・
FOMCも利上げはなさそうなので今日上がった分、金曜は怖いですね。

2016.09.21 23:11 yazirobe777 #- URL[EDIT]
2591:

※2590:yazirobe777さん
解釈に時間がかかりそうな発表でした。
為替は円高気味ですね。だんだん難しい局面になっていると思います。

2016.09.22 18:54 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]

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