期待成長率の鈍化と株価の下落

先週金曜のNY市場の下落を受けて今日の東京市場は弱かったですね。

いまのところ欧州市場も軟調スタートです。

今回は、成長率の鈍化と株価下落の関係について


過去記事のおさらい


過去記事で「将来の期待キャッシュフロー」について触れました。

株式の理論価値は、少なくとも2つの変数、将来の期待キャッシュフローと、その割引率(=リスク・プレミアム)の関数だと書きました。

過去記事では将来の期待キャッシュフローにはあまり触れませんでしたので、今回は将来の期待キャッシュフローの低下による株価の下落を考えます。

リスク・プレミアムは不変とします。

また、将来キャッシュフローは、便宜的に「利益」という用語で進めます。


モデルケースAとB


シンプルな例にしましょう。

来年の1株当たり利益予想が100円の企業があります。

その企業の利益成長を2通り考えます

A:利益成長は年3.0%
B:利益成長は年2.5%

その企業のビジネスリスクを折り込んだリスク・プレミアムは年5%とします。


理論株価


理論株価をDCF法の永久還元法で計算します。

ん?

永久還元法の利点と弱点はひとまず不問にしましょう。企業価値を精緻に測るのが目的ではなく、考え方の整理が目的なので。

さて、永久還元法は次の式です。

V= D/(k-g)

Vは株価。Dは来年の利益。kはリスク・プレミアム。gは期待利益成長率。

この式の詳細は省きますが、ポイントは

理論株価は、「来年の利益(D)とその期待成長率(g)」と「リスク・プレミアム(k)」で計算できるという点です。

「来年の利益(D)とその期待成長率(g)」が、過去記事でいう「将来のキャッシュフロー」です。


モデルケースAとBでの株価


モデルケースA:期待成長率3%

  Va = 100 / (0.05-0.03) = 5,000円

モデルケースB:期待成長率2.5%

  Vb = 100 / (0.05-0.025) = 4,000円

利益の期待成長率が落ちると、理論株価は低下します。

ポイントは、成長率がマイナスにならなくても、成長率が鈍化するだけでも株価は低下するという点です。

本当の株価はもっと複雑に動きますけど、考え方の整理にはなります。


まとめ、のようなもの


相場が織り込んでいるシナリオよりも、利益の成長が鈍化しそうだ。
増益ではあるものの、市場が期待していたほどの決算ではない。

こういうときは失望感から売られやすいです。

決算が悪くなくても株価が下落するのは、それまでに織り込んでいるシナリオが強気だから、ですね。

市場がどのくらいの強気を折り込んでいるのか、実際の企業業績はどうなるのか。

そこの読みが難しいです。

過去記事:八百長レースと、株式市場の需給とファンダメンタルズについて

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