パッシブ投資がマルクス主義に劣る理由について考えたこと

アライアンス・バーンスタインが「隷属へのひそかな道:パッシブ投資がマルクス主義に劣る理由」(The Silent Road to Serfdom: Why Passive Investing is Worse Than Marxism)というレポートを出しました。

今回は、インデックス投資について


レポートの内容


オリジナルのレポートは見当たりませんでした。

ウォールストリートジャーナル(日本版)の記事が参考になります。[外部記事]

ポイントを引用します。

“主張の核心は、上場投資信託(ETF)業界に主にけん引されたパッシブ投資の台頭が、最終的には経済における適切な資本配分を損なう可能性があるというものだ。すなわち、企業が経営状況にかかわらず、単に株価指数の構成銘柄というだけで投資家を呼び寄せることができる状況が続けば、資本主義の機能が損なわれ、少なくとも集権化された中央当局の判断に基づいて企業やプロジェクト間で資本の配分がなされるマルクス主義体制よりも、状況はひどいものになると主張されている。”


「経済における適切な資本配分を損なう可能性」と「マルクス主義」を結び付けてます。

さて、この点をどう考えるかです。


話を整理


パッシブ運用はインデックスに連動する投資成果を目指すものです。インデックス投資と同じことですね。

話をシンプルに、時価総額ウェイトでのインデックスとします。スマートベータとか高ROEインデックスとか、そういうのは置いておきます。

時価総額ウェイトでのインデックス投資が増えると、経済における適切な資本配分を損なうか?

それがポイントです。


インデックス投資の理論


インデックス投資をすすめる理由に、時価総額ウェイトでのインデックスが最も効率的なポートフォリオだとする考え方もあります。

時価総額ウェイトでのインデックスをCAPMの市場ポートフォリオとみなす(あるいは代替させる)考え方です。

土台となる前提を共有しないと議論がかみ合わなくなるのですが、ひとまず、「インデックスはそれなりに効率的なポートフォリオ」だと考えましょう。インデックスの効率性が高いからこそ、手数料を引けばアクティブは勝てないという議論になりやすいわけですし。


インデックスは効率性の高いポートフォリオ


さて、ポイントは・・・

インデックスは効率性の高いポートフォリオ

だとすると

「経済における適切な資本配分」は既に実現していてインデックスはそれに乗っている

と考えられますね。


考えたこと


パッシブ(インデックス)は受け身なので適切な資本配分はアクティブ運用の領域でしょう。

アクティブ投資が企業の価値を正しく評価し、経済における適切な資本配分を実現していると考えるべきでしょうか。

そうだすると、アクティブ投資は、全体としては投資が上手くいっていないとおかしいですね。企業価値を正しく評価しているわけですから。

それとも、経済における適切な資本配分は別の力で実現しているので、インデックス投資のように時価ウェイトに従うことがいいと考えるべきなのか。

あるいは・・・

どちらでもないと考えるのか。

ん・・・

もやもや感の残る終わり方ですね。(-_-;

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2548:

こんばんは

当該記事はバロンズにもありましたね。

ちょっと現状の日銀の買いを彷彿させられます。
日銀がすべての上場企業の買っている現在、
「マルクス主義体制よりも、状況はひどいものになる」
と言われれば・・・納得できます。

2016.08.31 19:30 yazirobe777 #- URL[EDIT]
2549:

インデックスでの購入ばかりになると、収益力のない会社やひどい財務状況の会社の株も買われてしまうので、ミスプライシングが拡大するのは間違いないでしょう。

ただ、そういう状況はアクティブ運用にとって天国のような世界なので、私ならパッシブ運用が流行ってる時にこそアクティブ運用にチャンスあり、と思っちゃいます。

が、これは投資する人にとっての利害の話で、「マルクス主義より悪い」という議論は、どうやら市場全体とか社会にとって良いか悪いかという話なようですね。

「インデックスが最も効率的なポートフォリオ」という見方は、多くの投資家による個別株投資(広義のアクティブ運用)の結果として現在の株価が適正であるという見方に基づいていますよね。問題は、1)そこからインデックス買いによってすべての銘柄が一様に上昇したり、インデックス売りで一様に下落するのが良いことかという点と、2)インデックス買いの恩恵で自社の株価が割高になった時、経営者が悪い人なら増資をしたり、株式交換によるM&Aを行ったりするインセンティブが働いてしまう点ではないでしょうか。バブルってそんな感じだったんじゃないかなあと思います。

ただ、この議論は、先物市場悪者論と一緒なので、本当は市場の時価総額に対して、インデックス運用や先物市場の適正な規模はどれくらいかというような議論をした方が建設的な気がします。インデックスや先物が市場を牛耳ってる度合を示す指標があれば、個別株やアクティブ運用の良いシグナルになるのではないでしょうか。

2016.08.31 21:38 エイハブ船長 #- URL[EDIT]
2550:

※2548:yazirobe777さん
日銀が大株主になっている状況は、望ましい姿ではないですよね。かなり歪んだ状況になっているので懸念材料ですね。

2016.09.01 17:52 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]
2551:

※2549:エイハブ船長さん
そうですね。インデックス運用の適正規模という議論の方が建設的ですね。

インデックスが効率的であるという考えの背景は、いまの株価が適正であるという見方に基づいていると言えます。そうであれば、インデックスが増えても問題ないと考えていいのですが、実感としてはインデックスが増えると市場は非効率になると考えられます。そのモヤモヤ感を解決するには、「インデックスが効率的である」という出発点を見直さないといけなくなります。
で、私はインデックスは効率的とは限らないという考えです。

2016.09.01 18:02 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]
2552:駄文

難しい話ですが、集権化された中央当局ってのも正しく配分できるものなのか…と考えたり…。
適性配分ってのも絶対正解は誰が導き出すのか…とかわかりません。

日経平均だと先物も業績関係なく上下動させるし…。
ブレグジットの時、そんな取引や貿易多くない(と思う)のにバカみたいに?暴落して「なんだかなあ」と思いました。
イギリスや欧州在住邦人はしょっちゅうチャイニーズと言われるらしいです。それくらい存在薄いのに…とか考えていました。

一方、確かにアメリカはPERが今、高いような。
最近、フィナンシャルタイムズが、バンガードの資金流入額を記事にしていました。
株価押し上げのために自社株買いしすぎ、みたいな事も聞きます。
そういうのが重なるとバブルになって、そして破裂するんでしょうか。

よく理解できないのに適当な事を言ってすみません。

2016.09.03 19:51 みずほ #- URL[EDIT]
2554:

※2552:みずほさん
適正配分って難しいですよね。中央集権的な計画経済も、自由主義の市場原理も、どちらにも一長一短はあります。市場原理と政府のバランスがうまくいくハイブリッドな経済体制が理想だと思います。
アメリカのPERは高いですよね。世界的に株価を上げるために金融に依存している面はあるので警戒はしておきたいですね。
経済も相場も好き勝手に話をするのがいいですよね。

2016.09.04 18:53 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]

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