ドルコスト平均法について 改めて考えたところ

ドルコスト平均法について、いくつかメールをいただきました。

ドルコストが特段良い手法ではなく「気休め」程度なら、投資家はどうすればいいのかという質問です。投資家が集まるイベントでドルコスト平均法が取り上げられたことが質問の背景です。

私はそのイベントには参加していないので、そのイベントでの文脈としてではなく、あくまで一般論としてドルコスト平均法の考え方を整理していきます。


何がポイントか


最初に選択肢が2つあります。

1. 株式市場の割高・割安は、ある程度判断できる
2. 株式市場の割高・割安は、判断できない

株価の水準や将来の方向性などを予測し、それを投資行動に反映させることについての基本観の違いです。水準や方向性の判断は言葉を変えると「タイミング戦略」です。

投資の基本観、哲学としてどちらの立場を取るか、それが大事です。


FPや経済評論家は「2」が多い


株価はランダムウオークするので将来を予測しても無意味。

「敗者のゲーム」や「ウォール街のランダム・ウォーカー」などはこういう立場ですね。現代ポートフォリオ理論も、株価の対数リターンは正規分布する(=ランダム性があって予測不可能)という前提です。

なので、投資理論的な人ほどタイミング投資に否定的です。株価の将来を予測しても無意味、当たらないのだから、という考え方です。株価がランダムで予測可能性がないとなると、株式市場の割高・割安も判断できないという立場です。

FPや経済評論家の多くはこの立場ですね。

あれこれ考えてもしょうがない。短期的な損益のブレは気にせず、長期投資で投資の成績が期待リターンに収れんするのを待っていればいい、とアドバイスします。

では、この立場で論理的に考えましょう。


ドルコストが最適


株価は予測不可能。これを基本観にします。

だから、いつが投資に適した時期かは分からない。いくらの株価が投資に適した水準かも分からない。

だから、ね。

そういう基本観に立つならば、ドルコスト平均法が最適な戦略になる。

ではありませんか。

「いつが投資に適した時期かは分からない」という前提条件の下で、投資の時期を最適化しようとすれば、コンスタントに買っていくというドルコスト平均法が最適な戦略になるわけです。しかも、安値では多くの口数が買え、高値では少ない口数を買うことで、トータルでの取得コストを低減させるメリットもあります。

ね。もう一度言います。

「いつが投資に適した時期かは分からない」という前提条件の下では、ドルコスト平均法は最適。


理論的に考えて


頭の体操をしましょう。

期待収益率がプラスという前提で、一括ですぐに投資するのがいい。長期の複利効果を得られるから。

こういう考え方がありますね。

でもね、と。

それって矛盾。

一括ですぐに投資するのがいいと判断できるなら、「いつが投資に適した時期かは分からない」と矛盾するんです。

ね。

いまでしょ。

の一言で済んじゃいます。

現実は、期待リターンをプラスに見たとしても、リスクがあるわけです。リスクを考慮するから、みなさん、どうやって投資したらいいかで苦労するわけですよね。

それに、その期待リターンが正しいかどうかも本当は分からないんです。


蛇足


「積み立ての期間が終わってしまえば」、ドルコストでも一括でも、リスクとリターンは同じなのでドルコスト平均法が優れていると思う必要はないという話もあるそうです。

でもね、と。

「積み立ての期間が終わってしまえば」の前が大事なんです。そこがポイントですよね。

ドルコストと一括の大きな違いは、買い付けのタイミング。資産形成のプロセスそのものが違います。だから、「積み立ての期間が終わってしまえば」という前提を置くのは誤りです。

置いちゃいけない前提です。ポイントがずれちゃいますから。


まとめ、のようなもの


「いつが投資に適した時期かは分からない」という考えを基本に据えるなら、「コンスタントに投資時期を分散させる」ドルコスト平均法は最適な手法となります。

で、念のためですが・・・

私は、ある程度は水準や方向性を予測できるだろうと思ってます。なので、「いつが投資に適した時期かは分からない」という考えではありません。だからドルコスト平均法は用いていません。

特に、割高なときにドルコストでどんどんリスク資産が増えるのは避けたいんですよね。

で、思うのですが・・・

「自分がどう考えるか、どういう手法でやっているか」と、「理論的に考えてどうか」は別物ですね。

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2395:

こんばんは

「特に、割高なときにドルコストでどんどんリスク資産が増えるのは避けたいんですよね。」

概ね一致します。
個人的には今は割高ゾーンと考えるので積立停止か最少にするかと思います。割高ゾーンで体力を削られると肝心な時に大玉が打てませんからね・・・


2016.07.17 22:54 yazirobe777 #- URL[EDIT]
2396:

ドルコストは「気休め」という説を主張される方は多くいらっしゃいますね。

しかし、自分も小黒とらさん同様、「いつが投資に適した時期かは分からない」という前提条件の下では、ドルコストというか、一括より時間分散投資を選択すべきだと思います。

もし、未来が良い相場だったなら、一括ほどでないにしろドルコストでも儲かります。

でも未来が悪い相場だったなら、ドルコスト有利は明白です。

以前もコメントさせていただきましたが「半値でも儲かる積立投資」という考えにインスパイアせれている方々が、なぜ時間分散投資を合理的だと思わないのか不思議です(実際のところ、その理由は明白で残念ですが)


「積み立ての期間が終わってしまえば」という話もよく聞きますが、どう動くかわからない相場に対して、時間分散するという利点を完全に無視した非論理的な考え方で、残念です。


この話は議論するまでもなく、数学的に完全に否定できる話ですが、逆が「真」とされていることとその理由が非常に残念です。

自分は、一括(スポット購入)のタイミングを計っていますが、ドルコストは非常に合理的な方法だと考えています。

長文申し訳ありませんでした。

2016.07.18 00:08 りあるむえ #- URL[EDIT]
2397:管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2016.07.18 00:22 # [EDIT]
2398:

たびたび申し訳ありません。

>「積み立ての期間が終わってしまえば」、ドルコストでも一括でも、リスクとリターンは同じなのでドルコスト平均法が優れていると思う必要はない

非論理的すぎて怖いです。

その他にも、ドルコストと一括では、リスクに曝されているお金の量と期間が違うから比較できないという意見も聞いたことがあります。

それを比較しないと何を比較するのか教えていただきたいです。(;'∀')

2016.07.18 00:36 りあるむえ #- URL[EDIT]
2399:個人的な意見ですが

ドルコスト平均法は、一括で投入する十分な資産がないから小分けで積み上げて買うしかない、という状況に対する対応の一つだと思います。

2016.07.18 00:42 Colorless Freedom #- URL[EDIT]
2400:

サラリーマンが月々の給与で積み立てるが如く投資をするのに適当な投資手法であるだけですよね。
最初から大金あり一括で問題にするのは、「期待収益率がプラスという前提」を考えるなら、矛盾を感じます。右肩上がりが前提なんでしょう?最初に投入した方がお得でない理由は?と聞いてみたくありますね。株価は予測不可能という前提に立っているにも関わらず、と。

2016.07.18 01:50 煙々 #- URL[EDIT]
2401:

こんにちは、とらさま。

投資信託以外(外貨MMFやETF等)に投資する際に
『明日はどうなるかわからないからドルコストで』
と考えたこと自体が皆無なので、
『投資信託だけ何故?』と、ずっと不思議に感じています。
(なんとなく答えも見当がつきますが)

yazirobe777様のご意見にあるように、先はわからなくても
今が買い時か様子見かは、なんとなくでも判断可能かと。

2016.07.18 07:59 みみん #yLibkmaY URL[EDIT]
2402:

たびたび申し訳ありません。

ドルコストの合理性の話をすると、人それぞれの考えの前程が違って難しいですね(^^;)

でも、初期投資費用を一括投資するか?時間分散するか?と考えた場合、時間分散にもメリットはありますよね。

人それぞれ、投入額、投資期間、開始から終了までの値動きが違うので当然のかな、と。

ドルコストの否定の話は、車は大きい方が良く、小さいとダメだと言っているようで違和感があります。

人によって、条件、状況が違うのでどちらにもメリットがあるはずですが・・・。(というか間違いなくあります)

ドルコストが良い!という話ではなく、合理性があり、条件によっては、その選択が最適と言える場合があると考えています。

2016.07.18 08:25 りあるむえ #- URL[EDIT]
2403:驚きました

とらさん、ご無沙汰しております

素朴な疑問が1つあったので、コメントしてみました

1.株価はランダムで予測可能性がない
2.株式市場の割高・割安は判断できない

1はわかるのですが
1=2と考えているFPや経済評論家が多い
ということに、結構な驚きを感じていました

これが成立するには、現時点においても
株価が全ての情報を折り込んでいる
という前提が必要ですが
そう信じている人が多いってことなのかな

2016.07.18 16:24 消費しないピノキオ #0bEIyvWM URL[EDIT]
2404:

※2395:yazirobe777さん
>割高ゾーンで体力を削られると肝心な時に大玉が打てません
そうなんですよね。
いまはキャッシュを多めにして待ちの姿勢です。ゆっくりやります。(^^)

2016.07.18 18:52 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]
2405:

※2396:りあるむえさん
「いつが投資に適した時期かは分からない」という前提条件の下では、投資のタイミングを分散させる(試行数を多くする)のが合理的ですよね。

「積み立ての期間が終わってしまえば」という話は、明らかに非理論的ですね。

2016.07.18 18:57 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]
2406:

※2397のコメントをくださった方へ
コメントありがとうございます。拝読しました。
同感です。(^^)

2016.07.18 19:00 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]
2407:

※2398:りあるむえさん
非論理的ですよね。
ドルコストをすすめる人は、そういう話を聞いて何とも思わないのかなと逆に不思議になります。

2016.07.18 19:06 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]
2408:

※2399:Colorless Freedomさん
そうですよね。
小分けで積み上げて買うしかない、毎月の収入のうちから投資に回すのが現実だと思います。
ドルコストはメリット、デメリットを素直に評価すればいいと思うんです。

2016.07.18 19:10 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]
2409:

※2400:煙々さん
そうですね。月々の給与で積み立てるが如く投資をするのに適当な投資手法だと思ってます。私はそれに入口、出口の考慮が必要だとは思ってますが。

「期待収益率がプラスという前提」をもとに、できるだけ早く一括が良いと言うのであれば、投資のタイミングがわからないという議論も、リスク許容度の議論も必要なくなりますね。

ドルコストの議論を見ていると、言っている事の矛盾があって全体としての論理性が欠けていると感じます。

2016.07.18 19:18 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]
2410:

※2401:みみんさん
そうなんですよね。
今が買い時か様子見かは、なんとなくでも判断可能だと思います。「なんとなくでも」でいいんです。完璧に当たらないとしても個人の景況感って大事だと思います。
ドルコストは、メリットはあるのですが、入口と出口を考えないといけないなというのが私の考え方です。入口、出口論ではどうしても「判断」が必要になりますね。
私はドルコストのメリットは認めながらも、全自動のドルコストには否定的です。

2016.07.18 19:23 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]
2411:

※2402:りあるむえさん
投資のタイミングを分散させるのはメリットありますね。
ドルコストは、私も合理性があり、条件によっては、その選択が最適と言える場合があると考えています。

現状、ドルコストに合理性がない、どのような条件下でも最適となることはない、という点で説得力のある論は見たことがないので、ドルコストは合理性があり、条件によっては、その選択が最適と言える場合があると考えていいと思います。

2016.07.18 19:28 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]
2412:

※2403:消費しないピノキオさん
こちらこそご無沙汰です。(^^)
コメントはご無沙汰気味ですが、消費しないピノキオさんのブログはいつも楽しく拝見してます。

FPや経済評論家は現代ポートフォリオ理論の考え方を踏襲している人が多いと思ってます。それが無難ですから。

株価はランダムで予測可能性がないということは、株式市場の割高・割安は判断できないと同義になります。予測可能性という点において。

現代ポートフォリオ理論の考え方でいけば・・・
株式市場は情報効率な市場との前提で、割高・割安は即座に解消される。ミスプライスは存在しない。株価は等価マルチンゲールの確率過程(ランダムウォーク)に従う。それゆえ予測可能性はない。となります。

割高・割安が分かればミスプライスが解消される方向で予測が可能になり、ランダム性と矛盾してしまいます。

FPや経済評論家はどこまで1と2の関係を意識しているかは分かりませんが、この考えを丸ごと取り入れている人が多いと思います。

2016.07.18 19:41 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]
3178:

本当にさ、自分の愚鈍さを自覚していない奴、無知の知すらない阿保の寝言を読まされるのは時間の浪費だよね……
何が「「いつが投資に適した時期かは分からない」という考えを基本に据えるなら、「コンスタントに投資時期を分散させる」ドルコスト平均法は最適な手法となります。」だよ
お前さ、ランダムウォーク理論を何だと思ってんの?
いつが適しているかわからないんじゃなくて、その「いつ」が存在しないって言ってんだよボケ
投資に手数料がかかる以上、長い試行すればトータルは必ず負けるし、勝ち逃げできるか否かはすべて運に過ぎない

コイントスで例えれば頭の悪すぎるお前でもわかるかな?
表が10回連続して出たとして
それが出る前から出ることを予測することはできない
裏が一回出るたびに、表に賭ける額を増やしていくとかそういったことも意味がない
表が出ればそりゃ儲かるけどそんなのはただの運

「投資には適した時期がある」この妄想をまず正そうね
表が10回出るときに表に賭けるのが適しているけれど、それは予測不可能だし、出たとしてもただの運。ランダムに裏が出る以上、ドルコスト平均法でも全力賭けでも結果は何も変わらない

2017.04.04 22:29 #- URL[EDIT]
3181:

※3178:-さん
コメントありがとうございました。
いただいたご意見は今後のブログ向上に活用させていただきます。

2017.04.05 11:50 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]

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