議会制民主主義、国民投票、カウンターデモクラシーに思うこと

英国のEU離脱は少なからぬショックを招きました。EU離脱という結果を受けて、経済的な影響のニュースもさることながら、国民投票という手段自体に対する議論も盛んになっています。

国民投票をしたことの是非です。

今回は、民主主義についての雑感です。


民主主義といっても


民主主義といっても、議会制民主主義(間接民主主義)もあれば、今回の英国のように有権者による国民投票で国の進む方向を決める直接民主制もあります。

で、今回の国民投票は事前の予想とは違った結果なので大きなショックになりました。だから国民投票で決めることの是非が議論されていますが・・・

ちょっと考えてみましょう。

もし事前予想通りに「残留」で終わったとしたら、その後、国民投票の是非がいまほどに議論されるでしょうか。

いま国民投票の是非が議論されているのは、予想外の結果で株価が暴落するなどのショックがあった結果を受けてのことですね。まあ、ある意味では結果を見ての議論です。

こういう状況の時に、国民投票や直接民主制の是非を議論するのは環境的にはネガティブバイアスがかかりそうな気がします。


国民投票について


原則論ですが、私は国民投票は民主主義の一形態としてありだと思っています。

ただ、すべての意思決定を国民投票で決めるのは非効率ですし、国民が各種の議案を理解するのも大変ですし、そもそも全国民に判断のための情報が開示されるとしたら外交などで問題があるでしょう。だから議会制民主主義が基本になります。

その上で、国論を二分するような重大な事項は、最後の最後は国民の判断を仰ぐというのはありでしょう。

直接民主制の場合は、大衆はムードに流されやすいという懸念が指摘されます。

でもね、と。

最後の最後、国としていい意思決定ができるかどうかは、そこを含めての国民の民度によるんじゃないでしょうかね。

国民投票ってのは、直接意思決定に参加するわけですから、国民一人一人(正確には有権者一人一人)の意思決定能力も試されるわけです。


結局のところ


結局のところ、議会制にしても直接にしてもベストはないでしょう。

議員を信頼するなら、議会制民主主義。
国民(有権者)を信頼するなら、国民投票。

どちらも信頼できず、自分の考え方しか信頼できないなら・・・

世捨て人になるしかないですね。(^^;


カウンターデモクラシー


議会制民主主義も国民投票も、私はその結果で物事が進むのは理念としては受け入れられます。

制度としては民主的に決まったことですからね。

でも、カウンターデモクラシーという考え方は受け入れられません。

カウンターデモクラシーとは、議会制民主主義を選挙以外の方法で支えようとする考え方です。フランスのピエール・ロザンヴァロン(Pierre Rosanvallon)氏が唱えている概念です。

過去記事:「カウンターデモクラシー」という聞きなれない言葉

私は、このカウンターデモクラシーは、多くの人の思いが反映されるのではなく、声の大きな意見が反映されやすくなるという点で懸念しています。

サイレント・マジョリティーとノイジー・マイノリティの攻防は古くからの議論ですね。


決めたら進むだけ


民主主義の要点は、多数決というよりは、議論と前に進むための妥協だと思うんです。

討論で理解を深め、妥協点を探り、なるべく多くの合意を得て、物事を決めて、先に進む。

議論しても妥協できず、前に進めない事態に陥ることがありますね。で、ものごとが停滞したときの打開策として多数決があるのだと思っています。

決めない事には先に進めないですからね。

決めて、前に進むための手段としての多数決です。

決まったらあとは前に進むだけです。

離脱、残留、どっちにしても一長一短はあるでしょう。英国人は離脱と決めたのだから、あとは前に進んで行くだけですね。

英国民にエールを送りたいと思います。

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2317:

こんばんは

投票にしろ多数決にしろ問題は間違っていても多数決で勝った方が採用されることかと・・・
(極論すれば1+1=3とするという法案?が議会を賛成多数で通過するれば通ることになる・・・)

といっても第三者が英の投票結果が間違っているともいえません。(英国人以外がそんなことを言うこと自体が間違いでしょう)
でも今後、紆余曲折が予想されますので世界的には落ち着かない日々が続きそうです。 投資家はパニクラないことが肝心でしょう。

2016.06.27 21:39 yazirobe777 #- URL[EDIT]
2318:

※2317:yazirobe777さん
そうなんですよね。今回の英国の件ではなく一般論として、多数決で愚かな決定が下ることはあります。集団の意思決定の難しさですし、避けられない問題点ですね。
間違った方向で多数決が流れないようにするためにも、多様な意見を持ち寄っての議論と妥協(合意)が大事だと思ってます。

それにしても、しばらくは落ち着かない相場になりそうですね。(^^)

2016.06.27 21:53 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]
2319:

まだ騒ぎ?が収まらず、、ですね。
今回、投票率がどうなるかも関心が高かったですが、棄権は全く無視でいいのかな?と疑問でした。最低投票率の基準とかないんですかね。
棄権=意見がないなら無視で良いのかもしれませんが、どっちが良いか本当に迷うと言う若者もいて、決められないから投票に行かないと責任の重みを感じている人もいました。(事前のBBCニュース)
判断材料が適切に提示されていたのかな?とも思いました。
離脱派の政治家が「経済には影響ない」と言っていたのはちょっとどうかと思います。

この前、スイスでベーシックインカムの国民投票を行いましたが、具体的で導入派も反対派も財源の根拠まで明らかにしていました。
投票率も90%くらいと高いし。これなら価値があるというか納得というか。

国民投票の定義というか扱い方というか…が適当だったのではと今更ながら思いました。

2016.06.28 21:19 みずほ #- URL[EDIT]
2320:

※2319:みずほさん
騒ぎはまだ収まらないですね。
判断は迷うと思います。決められないという人の苦悩も理解できます。
判断材料もバイアスはありそうですね。離脱派は楽観的な見通しを提供しすぎたかもしれませんし、残留派は離脱派の楽観論を崩し切れなかった感はありそうです。
ここに至る道筋でいくつか為政者の判断ミスがあったにしても、こうなった以上は開き直って前に進むしかないんでしょうね。そういうリスクも含めての民主主義なのかなと思いますし、それが歴史の不思議さなのかなと思ったりもします。

2016.06.28 22:51 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]

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