消費税延期と社会保障費、タックスヘイブンと法人税について

1日に、安倍首相が消費税の延期を表明しました。

今のタイミングで延期をするのは悪くない決断だと思います。自民党の中でも麻生財務大臣と谷垣幹事長が難色を示しましたが、お二人は財政再建を重視する財務省側の立場なので、安倍首相と意見が相違するのは自然なことですね。

麻生財務大臣は財務省の大臣ですから、すぐには「消費税の延期?あ、OK!」とは言えないでしょう。そういう立場の人でもありますし。

今回は、税金について


消費税の延期と社会保障


消費税の増税を延期するわけですから、当然に、社会保障制度の見直しも行われることになります。

消費税と社会保障費の関係は不可分です。安倍首相は赤字国債は出さないと言っていますので、消費税の増税を見送った影響は、社会保障費の抑制という形でバランスを取ることになります。

で、社会保障のうち、どこを抑制すべきか。

少子高齢化が待ったなしで、かつ、人手が不足している保育士・介護士の待遇改善にはお金を使うべきですよね。福祉としての保育や介護は、マーケットメカニズムが働かない(働かせるべきでない)分野なので、行政がきちっと待遇を考えないとねーと思います

年金制度もきちっとやって欲しいですね。まあ、今回の増税延期で年金のカットとはならないでしょうけど、将来にわたっても懸念はできるだけ少なくしてほしいです。

将来受け取る年金額がカットされる、と煽って投資をすすめる人は多いですから。(^^;


それじゃ、どこを抑制する?


社会保障費でメスを入れるべきなのは、生活保護と医療費の分野でしょう。

まず、生活保護ですけど、生活保護を受けてパチンコが・・・というのが話題になりますが、私はそこはあまり気にしません。

そこよりも、生活保護の受給者は、保険適用の医療費が自己負担なしという制度が気になります。この制度(医療扶助)によって、生活保護者が不要な薬(主に向精神薬)を溜め込んで横流しして現金収入にするとか、医者が生活保護者を薬漬けにして潤うといった貧困ビジネスを生んでいます。

そこにメスを入れるべきですよね。

生活保護者でも、ある程度は医療費を負担すべきだと思います。


医療と介護


医療・介護と一緒に語られることが多いのですが、医療と介護は分けて議論した方が良いでしょう。

年を取ればどうしても機能の衰えは出てきます。それを介助する、介護するのは必要です。一方で、医療と称していたずらに延命治療するのは自然ではありませんし、QOLの点から私は疑問を持っています。

だから、今の時点での考えですけど、私は介護にはお金を使い、医療費は抑制という方向が望ましいのではないかと思ってます。

高齢者の医療費の自己負担が低いことで、本来なら不要な薬を服用している人もいると思います。

薬なんかに頼るより、食事を気にかけて運動で体を鍛えればいいんだよ。

と、ある高齢者のお言葉が耳に残っています。

体質や体力は人によって違うので、みんながみんな食事と運動で薬いらずとなるとは限りませんが、考え方としては、薬に頼るのは少なく、自然な取り組みで機能を維持していきたいと思ってます。

過去記事:一番楽なのは自然死 読書感想文「『平穏死』のすすめ」


パナマと法人税


ところで、法人や富裕層がパナマに資産を持っている件です。

5月23日に、財務省は、国際的な課税逃れを防ぐために、パナマとの間で租税情報を交換する協定で実質合意しました。[外部記事]

パナマと口座情報を交換する協定を締結するのは、日本が初めてだそうです。

税金の捕捉という点で、十分でないかもしれませんが、必要な一歩ですね。

ちなみに、国際間の課税の点では、「税源浸食と利益移転」(BEPS:Base Erosion and Profit Shifting)というのが問題になっています。

BEPSとは、「多国籍企業等が、グループ関連者間における国際取引により、その所得を高課税の法的管轄から無税又は低課税の法的管轄に移転させることで、国際的二重非課税を生じさせるもの」という概念です。

国税庁がレポートを公表していますので、ご興味のある方はリンク先をご覧ください。[国税庁]

OECDのレポートを引用する形ですが、国際的二重非課税について、「Googleの『ダブルアイリッシュ&ダッチサンドウイッチ』」と、具体的な企業名も出したりしてます。


その地位や社会的影響力に見合った行動を


ルールの範囲内で、できるだけ節税するのはありだと思いますが、それも程度問題でしょう。

特に、世界的な大企業であるなら、なおさら、その大きさ、影響力に応じた矜持があってもいいと思うんですよね。

過去記事:パナマ文書と舛添都知事の豪遊について

大きな企業が莫大な利益をタックスヘイブンに移して、課税の負担を低くして、全体として見ればそれは望ましい形ではないでしょう。


法人税


さて、パナマ文書から少し話を転じて、日本の法人税についてです。

日本の企業は法人税の減税を求めていますが・・・

私は、法人税を減税してもいいと思うんですよ。

ただし、配当性向を上げた分について損金扱いを認めるという形でなら。

つまり、REITのように、ある条件を満たした配当については、その分を損金扱いにできるという制度です。REITの場合、配当性向が90%以上なら、配当金を損金扱いにできます。そのため実質的にはREITには法人税がほとんどかかってません。

これを援用すればいいと思うんです。

配当で出した分、しかも閾値を設定してそれを上回った分。

それに対しては損金算入を認めるから、税負担は軽くなる。

ね、これならいいと思うんです。

もっとも・・・

内部留保がしにくくなるので、企業経営サイドは、いや、そうじゃなくて・・・って言うかもしれませんね。

今回は、話題が拡散しました。

では、よい週末を。(^^)/

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2234:

時代や時勢に関係なく、危機意識を持つ人とそうでない人がいます。収入の多寡や環境に関係なく。

人生をどのように考え、どのように準備するかについても人それぞれではありますが、こんなはずじゃなかったという人の大半は、ただ考えてこなかったのではないかと。

団塊の世代が年齢を経て考えてこなかったツケをすべて社会保障で救うには限界があると思っています。削るべきなんでしょう。削らなければムリなんだろうとも。
でも、選挙を考えると、消費税を上げないが社会保障を削ると、そういう方向にはいかなさそうです。

医療に関してはそのとおりだと思います。少ないけれども負担を負わないと、無料だからといって不正に走ったり、無意味に治療に走ったりと、そういう人はいますから。

2016.06.03 22:41 煙々 #- URL[EDIT]
2235:

こんばんは

消費増税延期については個人的には微妙です。今後の社会保障関連のステルス的な値上げが危惧されますから・・・

生活保護の医療費については指摘の通りで使い放題はちょっと考えものですね。
パチンコは良く引き合いに出されますが、受給者がすべてパチンコで毎月10万勝てば生活保護費はいらなくなります。(笑)
(まあ、受給者がきちんと申告すればですが・・・)

パナマ文書や企業の姿勢および都知事?
「重は軽の根たり」といいます。
あの方や企業はいったい何のため存在しているのか良く考えて欲しいものですね。

では良い週末を!

2016.06.04 00:02 yazirobe777 #- URL[EDIT]
2236:

※2234:煙々さん
将来の備えは人それぞれで濃淡はありますね。
社会保障を削る必要はあると思います。特に医療費はこのままではマズイ気がしますね。

2016.06.04 18:51 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]
2237:

※2235:yazirobe777さん
社会保障関連の負担は増えそうですね。負担増なのか福利厚生のカットなのかにもよりますけど。
公人や企業は、純粋に個や一企業の利益を追求しているだけではいけないと思うんですよね。

2016.06.04 18:55 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]
2242:

生活保護受給者の約45%は高齢者ですね。
高齢者が減り始める時代になれば、生活保護受給者も減るという論もありますけど、どうなるでしょうか。
これは年金未納問題にもつながるのでしょう。現状でも国民年金未納率の高いのは若者ですから。将来の生活保護予備群にならないように、最低賃金の改善必要かなと思います。
この最低賃金問題は、障害者や母子家庭の生活保護にもつながるように思います。
年金未納が4割という話もあるけど、公的年金適格者の95%程度は年金支払っていますね。そうでないと、将来とんでもない数の生活保護者が出ますから^^。
ただ、年金免除者が納付者の中に入っていますから、すぐには安心できないんですけどね。

生活保護費の半額は医療扶助ですね。
これは、確かに大きな問題ですね。

というより、日本にとっては、この医療費という問題にメス入れられるかどうかは、生活保護と医療扶助ということから離れても、死活問題となりますね。
平均寿命が世界最高水準ということは、それを維持するための医療が行われていることと表裏一体と思われますから。
超高齢者(80歳以上とでもしましょうか)の人口激増と、超高齢者一人当たりの医療費には驚きます。



2016.06.06 17:18 いろいろでセカンドライフ #- URL[EDIT]
2243:

※2242:いろいろでセカンドライフさん
いまの制度のままなら生活保護世帯は減らない気がしますね。高齢者、低所得の若者、母子家庭といった経済的に弱い人たちは増えていくと思いますので。自助努力で解決できない、政府の強制力がないと解決しない問題だと思います。

社会保障の本丸は医療費だと思うんです。年金はしっかり手当てして、高齢者医療の負担を引き上げるべきだと思うんです。特に、後期高齢者医療制度の見直しは待ったなしだと思うんですけどね。

2016.06.06 21:23 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]

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