今後の為替を占ってみました 円高ですね

為替は予想がつかない。

たしかに、為替は株価よりも予想しにくいと思います。特に短期的な動きはなおさらですね。日銀総裁の発言や財務大臣の発言でかき乱されますし、外国の要人発言や金融政策でも大きく動きます。

でもね、と。(^^;

今回は、為替の中長期的な方向性を占ってみます。やれるだけやってみましょう。


結論は円高


数年くらいのスパンで見たときの方向性は、円高と出ました。

円の実効為替レートでのお話です。

特定の通貨に対してではないので投資には使いにくいのですが、まあ、だいたい米ドルでもユーロでも、主要な通貨に対しては概ね同じような方向でしょう。

で、なんで円高を予想するか、ですが・・・


循環(サイクル)分析


円高を予想するのは、循環的な動きからです。

株式投資の場合は成長を期待して、債券投資の場合は保有によるインカムの積み上がりを期待して長期トレンドに賭ける投資もありですが、為替の場合は、より循環的な動きへの勝負になるでしょう。

そこで循環分析です。

ん・・・

はい。MSCIのときに作ったエクセルシートの使い回しです。(^^;

過去記事:MSCIワールドのトレンドとサイクルを分離

今回の材料は「実質実効為替レート」と「名目実効為替レート」です。データは日銀のサイトから取りました。


これまでの動きとこの先の予想


まずは図をご覧ください。

為替の循環分析 小黒とら

上に行けば円高、下に行けば円安です。

実質実効レート(赤線)で見ると、だいぶ円安水準です。

ちなみに、黒田日銀総裁は2015年6月の時点で、実質実効為替レートで見てこれ以上の円安はありそうにない、という趣旨の発言をしています。

過去記事:実質実効為替レート これ以上の円安ありそうにない

水準的には円安レベルですね。

で、循環的な動きを見たのが次の図です。

まずは実質です。

為替の循環分析 小黒とら

次に名目。

為替の循環分析 小黒とら

さて、どちらも上に行きそうな気配です。上に行く=円高です。


アベノミクス、クロダノミクスは終わり


7年から10年くらいの景気サイクルを考えると、アベノミクス相場は終わりつつありますね。(もう終わっていると言う人もいますが・・・)

リスクオフの局面入りでしょうかね。

実体経済では債務は増やす方向ではなく削減の方向でしょうし、設備投資は拡大よりは抑制気味になるでしょう。国や業種によっては設備廃棄とかも余儀なくされるかもしれませんし、雇用はこれまでよりは抑制的になるかも。

で、株式市場や為替市場はそれを少し先取りします。

伊勢志摩のG7サミットは、どうやって景気を盛り上げるかという攻めの議論よりは、いかにして失速を防ぐかという守りの議論になりそうですね。


余談です


ここからは余談。

日銀が公表している、実質実効レートと名目実効レートの関係から面白いことが分かります。

それは日本と貿易加重相手国とのインフレ格差です。

実効レートの実質と名目の差は、(貿易加重した)諸外国とのインフレ格差と考えられますよね。で、その差から年率のインフレ格差の指数を作ったのが以下の図です。

為替の循環分析 小黒とら

プラスなら諸外国の方がインフレ率が高いことを意味します。日本よりも外国の方がインフレ率が2~4%高いんですね。

で、黒田日銀総裁になってからは、格差を縮小させたことが分かります。


マイルドなインフレ


私は、所得の増加を伴うマイルドなインフレは望ましいと思ってます。

たとえば、米国と日本のランチを考えましょう。1ドル100円とします。

米国では10ドル(日本円で1,000円)、日本では1,000円が現地の人のちょっとしたランチの値段だとしましょう。キリのいい数字で。

で、思考実験。

米国では毎年物価が3%上昇するとします。賃金も同じく3%上昇して、米国人の実質的な購買力は変わらないとします。(話をシンプルにするため物価と賃金を直結します)

日本では毎年物価が0%上昇、賃金も0%で、こちらも実質的な購買力は変わらないとします。

米国人も日本人も、国内だけを見ていれば購買力は変わらないのですが・・・

この状況が20年続くとします。

すると、米国では10ドルのランチ代が、20年後は18.06ドルになります。一方、日本ではランチ代は1,000円で変わりません。

どちらも国内の購買力は変わらないことを思い出してください。米国も日本も、物価上昇と賃金上昇をイコールとしたからです。

20年後の為替レートも1ドル100円とすれば、米国のは1,800円のランチ代ですし、もし購買力平価を成り立たせるなら、為替レートは55円台になります。

安倍首相と黒田日銀総裁が取り組んできたインフレ率と賃金上昇の問題って、「国際間の購買力の問題」という面もあるんだろうなーと思います。

余談が長くなってきたのでこのへんで。

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2108:こんにちは〜

これ、凄く面白いですね!
http://www.bis.org/statistics/eer/tables_i.pdf
みはまって出てこれなくなりそうになりましたので、ブックマークして何とか離脱しました。
BRICs間の格差を見ると、何だか泣けてきます。イギリスは、思ったいたよりはるかにポンド高で驚いており、より長期で見た時にどういう波形になるのか?、今どの辺りにいるのか?、とらさんを真似てチェックしてみようと思います。

流石、とらさん、インスパイアリングです!お手本に感謝です〜!

2016.05.04 04:39 のろのろ #- URL[EDIT]
2109:

※2108:のろのろさん
BISのデータは興味深いですね。国際比較も面白そうです。
イギリスのポンドは堅調ですね。ユーロを採用していないことが影響してるのかもしれませんね。(^^)

2016.05.04 21:06 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]

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