現役時代の積立投資の出口戦略、あるいは着地戦略について

積立投資の出口戦略の記事をいくつか目にしました。

ドルコスト平均法がいいのか一括投資がいいのかも永遠のテーマですし、現役時代が終わった後の運用をどうするかも尽きない話題です。

今回は、私なりの出口戦略についてです。


私がアドバイスするとしたら


新入社員が入ってくる4月だからでしょう、確定拠出型年金をどうするか、若いうちから投資をすべきか、生命保険をどうするかといったテーマの記事を見かけます。

で、私が若い人に確定拠出の投資の話をするとしたら・・・

まあ、まだ若いんだし、年寄りになるまでに時間もあるんだから、ゆっくり学んで考えたらいいよ。リスク資産に投資する場合でも最初はそれほどリスクを取らない方がいいよ。って言うでしょうね。

で、さらに

より大事なのは、「現役を終えるころの着地だよ」って言います。

終わり良ければすべて良し。(^^)


なぜ出口戦略、着地が大事か


投資の出口戦略、あるいは着地は大事だと思うんです。

なぜか。

それは老後の資金計画に大きく影響するからです。

具体的に見ていきましょう。


老人になっても若いころと同じリスクが取れるか


70代になっても、現役時代の30代や40代と同じリスクが取れるでしょうか。

現役時代なら給与所得があるので多少の含み損は耐えられますが、年金生活になってからの大きな含み損は精神的にも良くないですよね。

だから、シニア世代になったらリスクはそれほど取れないと考えるのが自然です。

そこで以下の条件で試算しました。

現役時代の投資期間は30年。毎年60万円(月5万円)を積立投資します。ライフサイクルの成熟によってリスクを落としていきます。

最初の10年
期待収益率5.0%、リスク20%のポートフォリオで運用

次の10年
期待収益率3.5%、リスク15%のポートフォリオで運用

最期の10年
期待収益率2.0%、リスク5%のポートフォリオで運用

年齢がたつにつれて保守的なポートフォリオでの運用になります。リスク資産を減らして安全資産を増やすと考えてもいいです。年を取るにつれてリスクを落としていくのは妥当な投資法ですよね。


30年後の期待値


投資の元本は毎年60万円×30年で1,800万円です。

30年後の積立投資の終了時点の資産額の期待値は、年複利の運用で計算すると29,207,379円です。だいたい2,920万円です。

で、いつも書いていることですが、リスク資産への投資なので分布で考えましょう。

でも今回は積立期間が終わった時の資産額の分布は省略します。その代り別の分布を考えます。

それは取崩ができる期間の分布です。


シミュレーション


10,000回のモンテカルロシミュレーションを行いました。

シミュレーションによる積立期間終了時の期待値は、29,229,861円でした。推計誤差は0.08%なので、十分に信頼性のある結果です。

で、シミュレーションのポイントを整理します。

1. 積立が終わった時の積立額を原資に
2. 運用を継続しながら、
3. 毎年120万円(毎月10万円)を取り崩すとしたら、
4. 何年でゼロになるかです。

で、取崩期間中の運用はそれほどリスクを取れないとして、期待収益率1.0%、リスク2.5%の保守的な運用としました。

ちなみに運用しなければ、2,923万円÷120万円なので、24年でゼロになります。


さて、結果(ここが本題)


シミュレーションの結果を示します。

積立投資の出口戦略 小黒とら

分布は上の図のようになりました。だいたい20年から25年に集まってます。

で、より重要なのは次の図です。

積立投資の出口戦略 小黒とら

縦軸は、積立期間が終了した時点での資産額
横軸は、取崩しできる期間

「積立期間が終了したときに、いくらになっているか」と、「その後何年にわたって取り崩せるか」との間に強い相関があるということです。

ま、当然と言えば当然の結果ですね。


結果から考えること


積立期間の終盤でリーマンショックに当たってしまい、大きく資産を棄損した・・・

そんなケースではその後の取り崩しも早く終わってしまいます。長生きリスクを考えると取り崩す額を少なくしないといけなくなります。

逆に、アベノミクス相場で大きく吹いたときが積み立ての終わりが見えてくるケースなら、引退までにはまだと早いけど、いいところである程度の利益を確定しておけば、引退後の取り崩しも余裕が見込めます。

だから積立期間の終盤戦は大事。

私はそう思ってます。

出口戦略というよりは、着地戦略というべきなのかもしれませんね。

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2020:

着地は確かに大事だと思いますがコントロールすることはできないので結果的に国内債券クラス(現金含む)を多くしておくことがベターなのかなと考えています。

一番いいのはキャッシュフローを生み出せる力が身についていることだと思います。

2016.04.10 06:55 クロスパール #- URL[EDIT]
2021:

着地戦略は私も非常に大事だと思います。

ただですねえ・・・・・・と書いていたら、
ちょっとコメントとしては長くなりすぎたので、
リンクフリーのお言葉に甘えて、
自分の方の記事にさせていただきますね。
m ( _ _ ) m

2016.04.10 07:43 mushoku2006 #/EliecKQ URL[EDIT]
2022:

私は息子たち(20代前半)に、確定拠出年金については、
ハイリスクハイリターンでとアドバイスしました。
『重要なのは最後の7~10年だよ』と何度も強調した上でです。
バランスは、キャッシュを貯めることで取ればいいからと。

親友の御主人(アラフィフ)が、昨夏に一旦すべてを
元本確保型商品に移したと聞いて、ものすごく納得できたし、
もし、次の山がもっと大きかったとしても、そのショックより、
次の暴落が大きかった or 山が小さかったショックの方が、
私個人としては、きっと大きいだろうと予想できるるので。



仲のよかった友達が40代で急逝したのをキッカケに、
伝えたいことは文字にして遺しておかないと焦ったり、
自分の運用ももしもの時の策を講じておかなきゃと、変にバタバタしています(苦笑)

2016.04.10 16:28 みみん #yLibkmaY URL[EDIT]
2024:

※2020:クロスパールさん
そうなんですよね。一番いいのはキャッシュフローを生み出せる力ですね。
老齢になっても年金以外に収入があれば、また違う考えもできますね。

2016.04.10 17:56 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]
2025:

※2021:mushoku2006さん
リンクありがとうございます。
せっかくなのでmushoku2006さんのブログに返信させていただきます。(^^)

2016.04.10 18:00 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]
2026:

※2022:みみんさん
20代のころにスタートダッシュでリスクを取るのはありですね。あとでのリカバリーはききますから。
漠然とでもリタイアを考える年齢になったら、少しずつ着地を考えた方がいいですね。
リスクを取っての下落は(含み損でも)現実の損失ですが、リスクを取らない時の上昇は機会損失でしかありませんね。リタイアが近づいたら慎重になった方がいいですね。

2016.04.10 18:08 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]

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