「30年後には投資金額が8400万円に?」を検討する

過去記事「競馬をやっているとお金は10分の1になる理由がやっとわかりました」で参照した元記事の続編がありました。[外部記事]

内容としては年間100万円を投資すると、30年後には投資金額が8400万円になるというものです。

今回は、長期投資をビジュアル化して考えてみます。


理論的にはその通り


参照したTHE PAGEの元記事が述べていることは合ってます。

年率のリターンを6%として、毎年100万円を投資し続けると、30年後には8400万円になります。

正確には83,801,677円です。

投資元本は3000万なので運用益が5380万円です。

超長期運用における複利の効果ですね。


元記事のいいところ


一般的なマネー雑誌では8400万円という数字が独り歩きします。長期で運用すれば複利効果で大丈夫みたいな気分になります。

で、今回参照した元記事のいいところは、リスクを考慮している点です。そこを引用します。

“競馬ほどではありませんが、株式投資にも収益の分布、つまりリスクというものが存在するからです。6%のリターンというのはあくまで平均であって、実際にそうなるのかは保証の限りではありません。
(略)
 これを30年繰り返すと、ものすごく儲ける人とそうでない人に分かれてしまいます。実際にコンピュータを使ってシミュレーションしてみると、1億円を超える人が2割出てくる一方、元本を割ってしまう人も3割程度存在していました。しかし7割の人は元本を上回り、2割が1億円超えですから、長期投資をするメリットはありそうです。”


リスクを考慮して元本割れの可能性にも触れています。


ただちょっと私の解釈とは違うところあり


引用した個所で私の考えと違うところがあります。

それは、確率、期待値と分布、実現する事象に対する考え方です。

具体的には、「ものすごく儲ける人とそうでない人に分かれてしまいます」という点です。

まず30年の投資をビジュアル化してみましょう。


ビジュアル化


期待リターンを年6%、年率のリスクを25%として、年100万円を30年間にわたって積立投資します。

長期投資の分布 小黒とら

対数リターンが正規分布するという一般的な仮定で10,000回のモンテカルロシミュレーションを行いました。

期待値は8379万円でした。理論値の8380万円とほぼピッタリです。シミュレーションの誤差は小さいと考えていいでしょう。

で、中央値は5200万円。期待値からは大きく下に位置します。

さらに、200万円で区切ったときの最頻値は2200万円から2400万円の層でした。

私の試算では、1億円を超える確率は24%、元本割れは26%です。


考えること


考えたのは確率の解釈です。

元記事では「ものすごく儲ける人とそうでない人に分かれてしまいます」という書き方でした。

10,000人の人がいたら、1億円を超える人が2,400人いて、元本割れの人が2,600人いる。で、1億円を超える人もいるけれど、2200万円から2400万円に終わる人が最も多い。

そんなイメージを受けますね。

でも、私はそうは考えません。

さきほどのシミュレーションはさまざまな可能性を含んだ分布であって、「潜在的な」概念なんです。

10,000人いても、同じ時期に同じ運用をしたら・・・

結果は同じ

ですよね。


発生確率と人数


想定した発生確率を人数に置き換えるのはミスリードの元です。

発生確率を、実現した(実現する)人数として考えると

自分が上手くいっていない時に、他の誰かが上手くいっているのだろう・・・
自分は元本割れで終わったけど、その裏で1億円にした人もいるはずだ・・・

と、自分の負けを他人の勝ちに結びつけて考えがちになります。

そんなことないですよ。(^^;

さきほどの確率は、リスク分布の仮定を置いたうえでの潜在的な確率です。実現する値が想定した確率分布に沿っているかは知る由もなく、参加者みんなが実現した値の影響を受けます。

当たる確率が決まっていて、誰かが必ず当たりを手にする宝くじの確率とは考え方が違います。


まとめ、のようなもの


長期で運用を想定するときは、分布で考えた方がいいです。

ボラティリティのある資産に投資する場合、単純に複利でギュイーンと出来上がりの額を考えるのは危険です。

その点、今回引用した記事は一歩踏み込んでますね。

ただ確率に関する考え方は私とちょっと違いますが、まあそれも、確率を確率で考えるか、人数に置き換えるかの違いですけどね。

人数に置き換えると、自分が上手くいっていない時に他の誰かが上手くいっているのだろう・・・と思いがちですが、そんなことないです。

他の誰か、なんて考える必要はないですね。(^^)

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