週末に投資をゆっくり考えるための材料

投資にはいろいろなスタイルがあります。

オーソドックスなインデックスファンドに投資する人もいれば、テーマ型や分配を重視した非インデックスファンドに投資する人もいます。個別株やETFを好む人もいますね。

今回は、定説を考え直すことをやってみます。

ちょっと長いので、時間のある時にゆっくり読んでください。


コストの優位性


投資の世界では、インデックスがアクティブよりもいいというのが定説です。

コストの優位性がメリットとして生きてきますので、超長期の積立投資ならコスト重視でインデックスファンドの方が無難です。

それで超長期の積立投資をコア戦略として持ちながら、数年単位のサテライト戦略を加味する場合、そっちはインデックス投資に縛られて選択肢を狭める必要はないでしょう。

なぜなら、5年くらいならコストの有意性はあまり発揮されないからです。


さて、検証


このところ検証しているデータを使います。

過去記事:「積極運用でも低コスト」が気になったので コストとリターンの関係を検証

ここで使ったデータに、同じ期間のTOPIXのインデックスファンドを加えます。

非インデックスファンド:427ファンド
TOPIXインデックスファンド:55ファンド

合計482ファンドのコストとコスト控除後リターンの関係は以下のようになってます。

投資の定説 小黒とら

青点が非インデックス、赤点がインデックスです。

コストとコスト控除後リターンの相関は

非インデックスファンド:0.125
TOPIXインデックスファンド:-0.950

非インデックスファンドでは、コストとコスト控除後リターンはほとんど関係がありません。それに比べて、TOPIXインデックスファンドでは「-0.950」という強い逆相関が出てます。

インデックスファンドは、コストが低い方がコスト控除後リターンが高い傾向です。

だから、インデックスファンドならコスト重視で選ぶのがいい。

わかりやすいです。

では、インデックスと非インデックスの比較はどうでしょう。


過去5年のデータで検証


過去5年のデータを使って、コスト控除後の年率リターンで考えます。

コスト控除後の年率リターンの分布はこうなってます。

投資の定説 小黒とら

非インデックスの方が裾野が広いですね。

インデックスと比較すると、負けているファンドもあれば勝っているファンドもあります。

では、全体としてはどうなの?

と気になります。


全体の傾向


コスト控除後リターンの平均と1標準偏差は次の通りです。

非インデックスファンド:μ9.49%、σ4.76%
TOPIXインデックスファンド:μ8.17%、σ0.22%

非インデックス属とインデックス属に分けたとき、今回の観測期間においては、非インデックス属の方がリターンが高かったのです。その差、1.32%です。

ただし、非インデックス属のリターンの分布は大きいので、よくないファンドを選んでいたら残念な結果ですし、いいファンドを選んでいたら大喜びということもあります。

そういうブレを望まない人は手堅いインデックスファンドがいいですね。


またまた、リターン差は有意か


先ほどの結果
非インデックスファンド:μ9.49%、σ4.76%
TOPIXインデックスファンド:μ8.17%、σ0.22%

これを図示すると以下のようになります。

投資の定説 小黒とら

で、分析したデータをもとに、非インデックス属とインデックス属のリターン差1.32%が誤差の範囲か、意味のある差なのかを検証しました。統計的にはt検定です。

結果、P(T<=t) 両側は、2.17E-06(%)でした。統計的には有意な差といえます。


この結果から言えること1


インデックス属のリターンの平均は、非インデックス属のリターンの平均とは有意な差がありました。

過去記事では理論的に考えましたが、今回は実証的に見てみました。

どちらも結論は同じです。

インデックスが平均とは安易に考えない方がいいでしょう。


この結果から言えること2


インデックス属のリターンのブレは狭いし、非インデックス属のリターンの平均にそこそこ近い

グループ分けするとインデックスの方が1.32%ほど負けていたのですが、それでもインデックスファンドの中から選んでいれば、

1. インデックス属のなかでの当たり外れはほとんどない
2. どれを選んでも非インデックスの平均にそこそこ近いところに収まる

ということで、無難な選択になっていました。


まとめ、のようなもの


今回の検証で分かったは次の4点です。

1. 非インデックスではコストとコスト控除後のリターンの関係は薄い(相関係数0.125)
2. インデックスではコスト重視は有効(相関係数-0.950)

3. インデックスは非インデックスの平均にはならない(統計的に有意な差がある)
4. インデックスから選べば当たり外れは小さく、非インデックスの平均にそこそこ近くなる

もちろん、過去5年のデータの1セットだけの結果なので、結果のロバストネスには注意が必要です。

ただ、コストとリターンの関係や、インデックスと非インデックスの関係を考えるには興味深い結果といえるのではないでしょうか。

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2000:

興味深い内容です!
アクティブファンドはコストで選んじゃダメなんですね!
サテライト用にインデックスファンドに余裕勝できるアクティブファンドを見つけたいですね。

面白いから全然長く感じませんよ(*^-^*)
どのグラフも勉強になります

2016.04.02 22:14 りあるむえ #- URL[EDIT]
2001:

それにしても、インデックスファンドは結構アクティブファンドに負けてますね。
一番上の散布図を見るとインデックスファンドが売れなくなりそうですね(;^_^A

事実が言葉ではなく、可視化されているところが素晴らしいです!

2016.04.03 01:21 りあるむえ #- URL[EDIT]
2002:

※2000,2001:りあるむえさん
アクティブファンドはコストを最優先で選ばない方がいいかなーと思います。
アクティブとインデックスの相対的な優位性は、相場の局面によるのかなと思います。だからどちらでも好きな方を選べばいいんでしょうね。

2016.04.03 11:46 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]
2004:

こんばんは

アクテイブ、インデックスファンド、個別株、ETFをすべて持っていますが、利点も欠点もあるので個人的には組み合わせて使っています。
アクテイブファンドが難しいのは多く種類がありどれが良いのか選ぶ難易度が高いと思います。
片やインデックスは商品による差は概ね手数料で決められますので個人的にはインデックスがやりやすい気がします。
良いアクテイブファンドを選ぶ基準は難しいですね?

2016.04.03 18:04 yazirobe777 #- URL[EDIT]
2006:

※2004:yazirobe777さん
そうですね。良いアクテイブファンドを選ぶ基準は難しいですね。
インデックスもアクティブも個別株もETFもそれぞれに利点も欠点もあるというのは、まさにその通りですね。

2016.04.03 18:35 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]

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