コヒーレント市場仮説 投資に向いている時期

今回はコヒーレント市場仮説(Coherent Market Hypothesis)についてです。

コヒーレント市場仮説というのは、トニス・ヴァーガーが「複雑系と相場」という本で唱えている説です。「複雑系と相場」の原題は”Profiting From Chaos”です。意訳すると「カオス相場で儲ける方法」といったとこでしょう。本棚にあった本に久しぶりに目を通したので紹介します。

コヒーレント市場仮説 小黒とら


主なテーマは「コヒーレント市場」です。
コヒーレントとは「干渉性がある」という意味で、本ではレーザー(指向性のある光波)が例にあげられています。

本から引用すると「臨界点未満では、レーザーは通常のランダムな光を発する。臨界点を超えると各分子からの光は結合する、すなわち隣の分子が生成した光と同位相で光を発するのである」

ある臨界点を超える前はランダム。臨界点を超えると同位相で揃った光を発します。

臨界点を超えると相転移するという物理学の世界の話しですが、この相転移は株式市場でも見られるというのがコヒーレント市場仮説です。

投資家ひとりひとりがランダムな相場観を持っているときもあれば、みんなが強気で揃ってイケイケの相場観になっている時もあるということですね。


知っておくべきことは


株式相場はつねにランダムな世界とは限らないということです。

ヴァーガーは本の中で4つの状況を示しています。

1. 効率的市場(真のランダムウォーク)
2. 不安定な遷移相(非効率的市場)
3. コヒーレント市場(強気のもとでの群集行動)
4. カオス市場(若干弱気なもとでの群集行動)

興味深いのはコヒーレントな市場です。

コヒーレントな市場では、市場の動きはコヒーレントになっている(=位相が揃っている)ため予測可能性が高まります。

そういうときはリスク(ボラティリティ)が小さくて、リターンが大きくなります。ローリスク・ハイリターンです。

この本で重要なのは、コヒーレント市場仮説は「高い収益率がそれに比例したリスクを伴うことなしに達成できることを予言している」ことです。

相場は常に同じような状態ではなく、ハイリスク・ローリターン(カオス市場)のときもあれば、ローリスク・ハイリターン(コヒーレント市場)のときもあるということです。実感にも合いますね。


休むも相場


あなたが漁師だとしましょう。毎日毎日、いつでもどんなときでも漁に出ますか?

海が荒れていて危険なわりに漁獲高が期待できないときは漁に出ませんよね。逆に、天候も穏やかで転覆の危険もなく、豊漁が期待できる状況であれば、毎日休みなく漁に出ますよね。

漁師さんであれば、リスクとリターンを見極めて漁に出ると思うのです。

相場も同じです。

相場が荒れていて危険なわりにリターンが期待できないときは、資金を引き上げるべきで、相場が落ち着いていて高いリターンが期待できるときに思いっきり投資すればいいのです。

なので、私は相場の状況を考えながら投資額を調整しています。


Amazonのリンクを張っておきます。複雑系や経済物理学に興味のある方には向いていますが、古い本ですし値段が高いのであまりおすすめはしません。

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