「流星ワゴン」がドラマ化 原作の読書感想文

重松清さんの「流星ワゴン」がドラマ化されました。

私は原作を文庫本で読みました。ある時期に時間を持て余すことがあって、重松清、横山秀夫、東野圭吾といった方々の本を片っ端から読んだことがあるのです。小説を読むことだけで一日が終わる生活。いまから振り返ると人生の転機でした。

選んで読んだのではなく、たまたまそこにあった本として「流星ワゴン」も読みました。ふだんあまり小説を読むことのなかった私ですが、読んでみると面白いですね。金融や経済の実用的な本を読むと知識が広まりますが、小説を読むと心が広がる気がします。

重松清さんなら、パッと思い出すだけでも「流星ワゴン」「その日のまえに」「リビング」「送り火」「ビタミンF」「ナイフ」を読みました。

読みながら引きずり込まれたのは「その日のまえに」です。これはいつか読書感想文を書くつもりです。

今日は「流星ワゴン」について


流星ワゴンの原作


原作と映像(ドラマ)は同じではないと思っているので、あくまで原作の小説のお話です。ネタバレになるようなことは書きません。

流星ワゴンの私にとっての主人公は、永田一雄(ドラマでは西島秀俊さん)でもなく、永田忠雄(香川照之さん)でもありません。

永田美代子(井川遥さん)でもありません。

原作で心を動かされたのは、流星ワゴンの持ち主である橋本義明(吉岡秀隆さん)です。
橋本親子が私にとっての主人公です。

橋本親子は脇役で、原作も永田親子を中心に描かれているのですが、私はどうしても橋本親子に気が行ってしまうのです。

しかも子供の方ではなく、原作でも影の薄い橋本お父さんの方にです。

ただ、話は橋本ではなく永田親子を中心に進みます。永田忠雄(チュウさん)は一昔前の強い男ですし、永田一雄は仕事と家庭に悩む現代のちょっと弱い男性です。強い父性を象徴するチュウさんと、悩みながら生きる一雄という関係に、私もそうですが多くの男性は自分を一雄に重ねるでしょう。

だからメインは「一雄=自分」という目線ですんなり原作も読んでいけます。


橋本親子


ただ、私はどうしても橋本親子のお父さんの方に関心が行ってしまうのです。なぜ流星ワゴンを運転しているのか、息子との関係は・・・というのはネタバレでもないことだと思いますが、ここでは書かないでおきます。

永田家のことがメインですから、橋本親子のことは原作でもあまり書かれていません。それだけに想像も膨らませながら橋本親子のことを読んでいくと、永田家のチュウさんと一雄、あるいは一雄と一雄の息子の関係にはない、別の親子関係がみえてきます。

橋本親子のお父さんこそ、私にとっての主人公です。

ドラマがどういう味付けになるのかはわかりませんが、原作は読む視点をいくつも持てる味わい深いものです。原作を読む機会があれば、ぜひ橋本親子のお父さんに注目してください。

橋本のお父さんの不器用な父性愛が、私には胸に迫るものがありました。

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