外債不要論は、結局どうなの? に対する回答

このところ為替が動いてますね。

ある人と為替の話をした中で、それで外債不要論の考え方ってどうなんでしょうねーという話になりました。

今回は、外債不要論についてあらためて整理します。


外債不要論


外債不要論とは、

1. 内外で期待リターンは同じ。
外国債券と日本債券のリターンを比較したとき、外債のリターンは為替で調整されるため、理論的には期待リターンは一緒になる。

2. リスクは外債の方が大きい。
為替リスクの分、外国債券の方がリスクが大きくなる。

3. コストは外債の方が大きい。
一般的には外債の方がコストは高い。

というものです。

期待リターンは同じだけど、リスクが大きくてコストが高いので外国債券はいらないという結論です。

で、この論について、私は過去にいくつか記事を書いています。ご興味あれば読んでいただきたいのですが、ちょっと理屈っぽい内容なので、結論だけ知りたい方は今回の記事だけで大丈夫です。(^^;)

過去記事:
外債不要論を考える 外債と円債は同じリターンになるか
外債不要論の合理性を考える 金利平価について


私の結論


私は、理論的な結論として、外債と円債は同じリターンになるとは考えていません。

外債不要論は、
1. 直物の為替レートを動かす要因が購買力(インフレ)格差と金利格差しかなく、
2. かつ、購買力平価と金利平価が直物の為替レートについて厳密に成り立つ、
という条件付きで、

3. 外債と円債は同じリターンになる
という結論を導くものです。

しかし、1と2の前提は成り立ちません。

1と2が成り立つとすると、貿易や投資によるマネーフローは為替の動きには関係しない、ということになります。それは現実とは違いますね。おかしいです。最近のリスク回避による円高も、1と2からは説明できません。つまり、1と2の前提が成り立つと矛盾が生じるので、私は背理法的な考えで3は偽であると結論付けます。

1と2が成り立つなら3になる。しかし、1と2は成り立たないんだから、3とは言えない。

これが私の結論です。


実証的な結論


実証的な面でも、外債不要論は誤りです。実際のリターンでみてみましょう。

まず、外国債券インデックスファンドと、国内債券インデックスファンドの推移です。

外債不要論 小黒とら

外国債券ファンド
ダイワ 投信倶楽部外国債券インデックス(04314004)
BM:シティ世界国債インデックス(除く日本、ヘッジなし・円ベース)

国内債券ファンド
日本債券インデックスファンド(64311011)
BM:NOMURA-BPI総合

外国債券は国債のみ、国内債券には社債も入るという違いはありますが、その違いを差し引いても外国債券のリターンと国内債券のリターンが同じとはいえません。

では、年あたりのリターンはどうでしょう。それが次の図です。

外債不要論 小黒とら

この図を見ても両者のリターンが同じになるとはいえません。


大事なことは


投資は自己判断、自己責任ですね。

よくわからないものには投資しない、というスタンスと同じように、よく理解できない理論には乗らない、というスタンスも大事ですね。


さらに大事なことは


これまでのお話は、あくまで考え方の整理です。

相場観としていま外債に投資するのがいいかどうかは別問題です。相場が荒れているときは、リスクオフの資産として円が買われやすく、円高に進みやすいのでご注意ください。


まとめ、のようなもの


外債不要論については、私は正しくないという結論です。

あまりにも非現実的な仮定を置いているからです。

仮定のことはよくわからないし、仮定の上に構築したロジックもよくわからないけど、結論は正しいんだろう、と考えるのは危険です。

よくわかんないものには投資しない、よくわからない理論には乗らない。

不案内なところで、よくわかんないままに乗った電車は、反対行き。

しかも急行。

海外でヒヤヒヤした経験があります。(^^;)

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1607:

今日新宿に用事があったのですが、始めていく場所で、出て右いくところをいきなり左にいって迷子になりかけました(5分後にオカシイと気が付きました

投資も迷子になりつつも、道を訂正できるのなら、問題ないのでしょうけど。一つ間違えると、間違えたまま続けてしまいそうです。

にしても、新宿という街はワカリマセン!何十回も行っているのに・・・都庁方面は苦手です^^;;

2016.01.16 20:35 煙々 #- URL[EDIT]
1608:

外債のリターンについては理論通りにならないとは私も思います。よく外債不要論を言っている人の主張は外債の為替リスクをとるなら株式でとったほうがいいというのが多いみたいです。

どちらにせよ、自分が納得できるもので運用しておくべきでるよね。

2016.01.16 20:39 クロスパール #- URL[EDIT]
1610:

外債に限らず債券(利付債券)のリターンはクーポンですから、いまの米国債10年債でクーポン2%台ではリターンの割に為替リスクが多すぎですね。
外債が良いか悪いかは時期によると思います。長期買い持ちには適さないアセットクラスだと思います。

2016.01.17 07:48 Tansney Gohn #SNAM66t2 URL[EDIT]
1612:

こんにちは、小黒さん。

僕も小黒さんがおっしゃられる通り、外債と円債は同じリターンになるとは思いませんし、理論通りに行くとは考えていません。

まぁ。。投資したい人は投資すればいいし、したくない人はしなければいいだけで要は自分の頭で考えずに他人の意見だけに振り回されなければ好きにすればいいと思いますからね。

P.S.突然のお願いで不躾ですが、相互リンクをお願いすることは可能でしょうか?ご検討お願い致します。

2016.01.17 13:14 ふわわた #- URL[EDIT]
1613:判断別れますよね。

私の経験では、円高の大嵐で4%も5%の利率も粉々?に吹っ飛びました。
その逆、円安の幸福もその1年前に経験しました。
白い証券会社!?と黒い証券会社!?の洗礼?
まあ、為替を理解していなかった自分が悪いのです!

黒い証券会社はその後も黒い誘いをかけてきました。
さすがに女の勘?で、乗ったらアカンちゃう?と思い、ネットで色々と検索し始めました。

最後は電話しないで、と言えて良かったです。あっさりとわかりましたとの返事。婉曲に断って気をつかってバカみたいでした。

今はそんなことはないでしょうけど、自分が無知で悔しかったので勉強し始めました。

関係ない話になって大変失礼致しました!

為替は中リスクだけど、絶対手を出したらアカンものでもない…でしょうか。
外債は得か損か判断が持っている間に気迷いします。
為替と金利とか、需給とか、私の理解が乏しいからだと思います。

どうもお邪魔致しました。

2016.01.17 14:09 みずほ #- URL[EDIT]
1614:

※1607:煙々さん
新宿は私も苦手です。駅も複雑ですからねー。
そうなんですよね。間違っても訂正がきいて最終的に目的地に着ければいいんですよね。

2016.01.17 17:16 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]
1615:

※1608:クロスパールさん
外債不要論の理論通りにはいかないですよね。
為替のリスクをどうとるかは人それぞれの考え方次第ですね。

2016.01.17 19:42 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]
1617:

※1610:Tansney Gohnさん
そうですね。いまの債券の利回りからは躊躇しますね。
外債が良いか悪いかは時期によりますね。
外債はその時々で、って感じですね。

2016.01.17 19:46 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]
1619:

※1612:ふわわたさん
他人の意見だけに振り回されなければ好きにすればいいって、まさにその通りだと思います。
相互リンク大歓迎です。ありがとうございます。
ふわわたさんのブログをリンクしました。私のリンク集はサイトの一番下にあります。

2016.01.17 19:53 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]
1620:

※1613:みずほさん
為替は、絶対手を出したらアカンものでもないと思います。
レバをきかせたFXはリスクが高いですが、普通の外債投資をする分にはありだと思います。
為替と金利は各国の金融政策の影響が大きいのですが、それだけじゃない難しさがありますよね。株も難しいですけど。
証券会社の対応、お疲れさまです。(^^;)

2016.01.17 19:56 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]
1623:不要論の前提

「不要論」の説明で、不要論者は為替のリスクがあると認識しているようですが、為替変動の影響を受けるというのであれば、期待リターンが同じと前提することは矛盾があると思います。

が、それは置いといて、そもそも外債不要論は、本来、投資開始時点で為替エクスポージャーを完全(一応)にヘッジすることを前提としているんじゃないでしょうか?ヘッジなしベースであれば、いくらなんでも金利と為替が任意の投資ホライゾンでそう完璧に連動すると思っている人はいないでしょうから、管理人さんのおっしゃる通り、リターンは同じにならないと考えるのが当然です。

例えば、生保は「ヘッジ後外債」投資を多用していますし、世界の主要資産運用会社のグローバル債券運用もいったん米ドルヘッジ後ベースで各国債券に投資していますが、そういうものに関しての議論なのでは?

それであれば、完全(一応)に為替ヘッジしていても、円債とは異なる結果となるかどうか、議論の余地があります。そして、それは将来の為替直物がPPPで決まるかどうかということではなく、現在のフォワードやスワップが妥当かどうかということです。

「円債とは異なる」という立場は、フォワード・カーブがほぼ常に結果的に正しくない、しかも変動する(したがってヘッジコストが割安になったり割高になったりする)という事が根拠になるのではないかと。そのへんの投資判断ができる場合、収益源泉の拡大になるので外債投資は不要ではないという事になるんだと思います。

2016.01.18 19:41 エイハブ船長 #- URL[EDIT]
1626:

※1623:エイハブ船長さん
外債不要論の記事をいくつか見たのですが、為替をヘッジしないオープンでのお話しです。外債不要論が正しくないと私が思うのは、まさにご指摘の通り、為替変動の影響を受けるのに期待リターンが同じになるとするところです。
為替オープンの話に、金利平価のフォワードの話を持ち込んでいるのでミスリードしているというのが私の理解です。
フルヘッジの投資なら、スワップの話になりますね。

2016.01.18 21:18 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]
1904:

こんにちは、小黒さん。
とても面白い記事を見つけてハッピーな気分です(*^-^*)

正直、外国債券が不要かどうかは判断できないが、バランスファンドを通じて外国債券へ投資しておこう!というのが自分のスタンスです。

しかし、外国債券不要論の説明は何度読んでも理解できません。まるで最初から「外国債券は不要」という解を導くために考えたロジックののように思えます。
(そういったものはロジックとは言わないかもしれませんが・・・)

自分の投資スタイルは変わらないと思いますが、この記事を参考にもう少し勉強したいと思いました。ありがとうございます。





2016.03.15 20:53 りあるむえ #- URL[EDIT]
1905:

※1904:りあるむえさん
こんにちは。コメントありがとうございます。
そうですね。外債不要論は結論ありきで組み立てた論法に思えます。論理構成に強引さを感じます。(^^;
バランスファンドの中で外債を持つのは妥当なスタンスだと思います。(^^)

2016.03.15 21:40 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]
1906:

「内外で期待リターンは同じ!」と示したいなら、その歴史的事実を数字やチャートで示せばいいだけに思います。
そして、その原因が購買力平価や金利平価にあるのなら、そう付け加えればいいのでは?と思います。

と言っても投資するか、しないかは個人の自由であり、投資しない人を否定するつもりはありません(*'▽')

とても面白いブログなので僕のブログにリンクさせていただきました(*^-^*)

2016.03.15 22:07 りあるむえ #- URL[EDIT]
1907:

※1906:りあるむえさん
外債不要論は理論的な形を取っていますが、現実とは合っていませんね。理論の用い方に無理があると思ってます。
投資するかしないかは個人の自由ですね。
リンクありがとうございます。私の方もリンクさせていただきました。(^^)

2016.03.15 22:47 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]
1908:

リンクありがとうございました<m(__)m>
これからも勉強させてください!

2016.03.15 22:54 りあるむえ #- URL[EDIT]
1909:

※1908:りあるむえさん
こちらこそこれからもよろしくお願いします。(^^)/

2016.03.15 22:57 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]

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