政府の借金は1,000兆円 国富は3,000兆円

14日に2015年度の政府予算案が閣議決定されました。よくある話ですが、「予算案を庶民の家計に例えてみた」という形で解説されます。

国家予算を家計におきかえるのはミスリードだな・・・と常々思っています。

なぜミスリードなのかを語る前に、15年度の予算を家計におきかえてざっくり見てみましょう。

総収入:963万円(=年収:545万円+借金:368万円+妻のパート代:49万円)
総支出:963万円(=借金返済234万円+生活費728万円・・・・など)

こんな感じです。


なぜ家計におきかえるのか


家計におきかえると直感的に理解しやすいからでしょうね。
税収の54.5兆円=サラリーマンの給料545万円。ちょうど1,000億円=1万円換算でしっくりくるからでしょう。

たしかに、年収545万円の世帯が新規に368万の借金を作って、234万円の借金返済に充てて、しかも生活費は728万円といったら、かなり不健全です。

不健全ですよー、持続できませんよーとアピールするにはうってつけの方法です。

家計が破綻しないように、もっと給料を取ってくるか、さもなくば生活費を切り詰めましょうという説に説得力が増します。

国家が破綻しないように、もっと税金を上げるか、さもなくば社会保障を切り詰めるか。こういう議論に結び付けられます。

ただ、個人はいつかは亡くなるので家計では借金の清算は大事ですが、国は永遠に存続することが前提です。だから、国の場合はことさらに借金返済に目を向けなくてもいいはずなのです。無視していいわけではありませんが、いつかは亡くなる自然人の借金と、政府の借金は質的に別ということです。

だから、国の予算を家計におきかえるのはミスリードなのです。


フローとストック


たしかに毎年のフローをみると不健全です。

でも、おかしいなーと思うのが、政府の借金1,000兆円という数字はよく目にするのですが、国富の3,000兆円という数字はあまり目立たないんですね。

2013年末の国富(国民純資産)は3,048兆円で、6年ぶりに増加しています。おそらく2014年末も増えていると思われます。

以前の記事「国の借金1177兆円で、国がつぶれる?」で、政府部門の負債額だけを取り上げて1,000兆円を超えているから大変だ、というのは局所的な議論になってしまうと書きました。

今回も同じ考えです。年間の予算案を家計におきかえて健全、不健全をみるのは局所的な議論になりがちです。1,000兆円の借金と3,000兆円の国富をどう考えるかです。

財政の健全化も大事なのですが、「国富をどうやって増やすか」という視点も大事ですよね。借金ではなく、国富に焦点を当てたエコノミストや経済評論家のコメントを探しているのですが、見つかりません・・・

 

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