USハイイールド債券市場 チャンスと見るか、慎重に見るべきか

サード・アベニューがクレジットファンドを清算するなど、ハイイールド債券を巡る不透明さは増しています。

モーニングスターの「国際債券・ハイイールド債」のカテゴリーで調べたところ、日本の投信では、現在351ファンドがあり、純資産総額の合計は4兆3,000億円ほどです。

今回は、クレジット投資について


ハイイールド債の現状


「国際債券・ハイイールド債」カテゴリーの351ファンドのうち、最大は「フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド」で9,800億円あります。シェアで22.7%。

ハイイールドに投資している人の4~5人に1人は、フィデリティ・USハイ・イールド・ファンドに投資している勘定です。

この大型ファンドの開示資料も参考にしてハイイールド市場を考えましょう。


最近の下落は買い?


債券王のビル・グロス氏は、以下のように指摘してます。[外部記事]

“ジャンク債の急落は「非流動性ディスカウント」を活用する「絶好のタイミング」”



また、フィデリティ投信の12月15日の開示資料では、

“サード・アベニュー・アセット・マネジメントの「サード・アベニュー・フォーカスト・クレジット・ファンド」のような清算は、高リスクで運用し、かつ失敗したファンドに限られ、分散投資と流動性リスクの管理を徹底している多くのファンドにまで波及することはないと考えられる。”


“米国ハイ・イールド債券発行企業の実態が総じて堅調にもかかわらず、一部のファンドの清算や原油安などを材料とする投資家心理の悪化によって、相場の変動性が高まる局面となった場合は、魅力的な投資機会となる可能性もあり、冷静な対応が重要と考えられます。”


という見方です。[出典]

ビル・グロス氏も、フィデリティ投信も、下がったところは買いというトーンですが、

さて、どうでしょう。

ハイイールド債(ジャンク債)は買いでしょうか、それとも今のうちに逃げておいた方がいいのでしょうか。


割安?


まず、ビル・グロス氏がハイイールド債券を割安だとする理由は以下の図です。

小黒とら
[画像出典]

ハイイールド債の利回りが、S&P500企業の益利回り(Earnings Yield)を上回りました。だから投資のチャンス・・・?

ん-?

利回りの状況は、むしろ、「いままでのハイイールド債は買われ過ぎていた」と見ることもできます。

となると、別に割安でもないでしょう。景気の方向性と金融政策の方向性を考えると、それほど魅力的とも思えません。

それに、ハイイールド債の利回りって、一度上がり出すと、しばらくの間は上がり続ける傾向がありますね。

ハイイールド市場の不安定さは、まだ始まったばかりじゃないでしょうか。


フィデリティ投信の資料から読み取ること


フィデリティ投信の開示資料から引用します。

小黒とら

この資料から読み取るべきなのは

探査・開発と、設備・サービスのセクターで債券利回りが16~17%になっていることです。

10%台後半の利回りということは、ある程度のデフォルトリスクを織り込みにいってますね。個別の発行体で見るともっと高い利回りのものもあるでしょう。

で、破綻が懸念される債券って、売りたくても買い手が見つかりにくいんじゃないかなーと。


売りやすいものから売る


かりに、ハイイールド債券投信の解約が増えたとします。

投信の解約が増えれば、投資家に返すお金を準備しないといけないので、ファンドマネージャーはファンド内の債券を売ってお金を用意しますよね。

そのとき、どうやって売るか

フィデリティ・US・ハイ・イールド・ファンドの保有銘柄数は587もあります。

お金が必要なたびに、保有比率に応じて、587銘柄を薄くスライスするように売るとは考えにくいです。そのときどきで、ファンドマネージャーが売るものを選択して売っていくのではないでしょうか。

で、ハイイールド債券市場が不安定で、流動性が低下しているときは、リスクの高い銘柄ほど売りにくいはずです。みんなが先行きを懸念しているときに、高リスク銘柄を買い向かう人は少ないからです。買い向かう人がいても、提示する額は半値八掛け二割引きかもしれません。

そういう時は、相対的にリスクの低い、売りやすい銘柄を売ることになるでしょう。

そうだとすると

ハイイールド債券市場が不安定な局面では、下手をすると、売りやすい銘柄を売って、売りにくい高リスク銘柄がファンド内に残ってしまうという懸念があります。

いいものほど売りやすい。

高リスク銘柄ほど残りやすい。

で、いよいよ、高リスク銘柄を売ろうとすると、思ったより安い値段じゃないと引き取り手がない。

なんてこともありえますね。


まとめ、のようなもの


市場関係者は、ハイイールド市場から買い手が去ってしまい、取引がクラッシュする事は望まないです。

だから、ビル・グロス氏やフィデリティ投信の開示資料のようなトークになるのかなと思います。

それを踏まえて

投資家としては、この先、経済的基盤の弱い企業に順風なのか、逆風なのかを考えて判断していけばいいんじゃないでしょうか。

もっともハイイールド債券の場合、為替の要素を抜きにすれば、デフォルト率が想定内に収まって長期で耐え切れれば報われるという考えもあります。そこは株式と債券の違いですね。

ブログ村:よろしければ一押しをお願いします。
にほんブログ村 株ブログ 投資信託へ にほんブログ村 ライフスタイルブログ セミリタイア生活へ
 
1460:

こんばんは

ハイイールド=ジャンク=投資不適格債
投資不適格と言った方があまり期待せずに良いかもしれません。
過去を見ると買い持ちは報われ勝ちなのですが、今買い入れる勇気はありませんね。新興国債権も同じですが・・・

2015.12.16 20:06 yazirobe777 #- URL[EDIT]
1461:

※1460:yazirobe777さん
私も今は飛び込む勇気はありませんね。
ハイイールドや新興国国債は、待てば待つほど安く買える気がしますね。

2015.12.17 17:43 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]

管理者にだけ表示を許可する