株価のランダムな動きと正規分布について

う~ん、ランダム

株価のランダム性と正規分布 投資家オンライン


これでニヤって笑ってくれた人は、おそらく40代以上でしょう。写真は「う~ん、マンダム」のCMでおなじみのチャールズ・ブロンソンです。

さて、今回のテーマはランダムな動きと正規分布についてです。

ランダムとは「でたらめ」とか「規則性がない」ことです。でたらめで規則性がないから、次にどうなるのか「予測ができない」のです。

規則性があるから将来の予測ができますよね。たとえば信号機。

青 → 黄色 → 赤。こういう順繰りの規則性があるから、黄色の次は赤が来ると予測できますね。だからこそ黄色を見たら次の赤を予測してブレーキを踏むわけです。(黄色の時点で停止義務があるというツッコミもあるでしょうが、そこは軽く受け流してください)

かりに、黄色の次に青とか、黄色の次にまた黄色とか、ばらばらに信号が変わったら大混乱です。次にどうなるかが予想できないので信号が機能しなくなります。

信号ほどにきっちりとした規則がなくても、ある程度の規則性があれば将来を予測できます。たとえば天気予報。

西の方で雨が降っていれば、数時間後には東の方でも雨が降ることがある程度は予測できます。気象の変化はかなり複雑なので的確に当てるのは難しいのですが、それでもまったくランダムに変化するわけではありません。ある程度の幅を持って将来の動きを見通すことができます。

では、まったくばらばらで規則性がないものはどうでしょう。


ギャンブル


以前、貯蓄と投資と投機に賭博という記事を書きました。まだ読んでいなくて、面白そうだなと思ったらぜひ読んでください。

さて、賭博(ギャンブル)です。丁半博打にします。サイコロに細工がなく、壺を振る人の意図が入らないとすると、次に何の目が出るかはだれも予想できません。

サイコロの目はランダムですから、勝負の結果は100%運を天に任せることになります。

丁半博打のルールをちょっと変えます。

丁半に賭けるのではなく、丁(偶数)が出たら1両もらえて、半(奇数)が出たら1両払うルールにします。賭博の参加者は次にどっちが出るかの予測はしません。ランダムなものは予測ができないので予測をしても意味がないからです。

丁と半の確率はそれぞれ50%(0.5)です。
5回やって、5回とも丁が出たら5両を得ます。逆に5回とも半が出たら5両の損失です。

損益の推移は以下のようになります。

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損益と発生確率の関係は以下のようになります。

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フェアゲーム


損益と発生確率をかけた期待値はきっちりゼロになります。テラ銭が抜かれない場合のこの手のゲームは「フェアゲーム」といわれます。

確率の分布をみていただくと、±1両に落ち着く確率が高く、次に±3両です。そして±5両になる確率は低くなっています。5回やって5回とも丁が出る確率よりも、5回やったらだいたい2、3回は丁が出る確率の方が高いのです。

丁を●、半を○とすると

5回とも丁が出るのは以下の1通りしかありません。
●●●●●

3回丁が出るのは
●●●○○
○●●●○
○○●●●
●○○●●


とやっていくと全部で10通りあります。

つまり、ランダムな賭けの場合、大きな損益には低い確率、小さな損益には高い確率となって、結局のところトータルでは(=期待値としては)損益ゼロとなります。


正規分布


丁半博打の損益の分布をもう少しみてみましょう。

5回やった場合の損益の分布です。

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試行数を増やします。30回やった場合は以下になります。

株価のランダム性と正規分布 投資家オンライン


この図は、正規分布にとても似ています。

丁半博打やコインの裏表のように、AかBかが確率的に発生するものを二項分布といいます。回数が十分に大きいとき、二項分布は正規分布で近似できるのです。

株価の動きについていうと、A:上昇するか、B:下落するかの二項分布で株価の動きを表す数理モデルがあります。代表的なものとしてはCRRモデル(Cox-Ross-Rubinstein Model)です。コックス、ロス、ルービンシュタインという3人の名前が付いたモデルです。

株価の場合、A:上昇するか、B:下落するかの二択でいいとして、でも長期的にはプラスのリターンだから、丁半博打とは違うのではと思うかもしれません。

そこはCRRモデルではA:上昇とB:下落の確率を調整できるようになっているのです。つまり丁が出る確率を高くして、出来上がりの損益をプラスにしています。

これ以上は脱線しますので、株価のモデルは別の機会にします。


まとめ


信号のように規則性があるものは予測ができます。天気予報のようにある程度は規則性があるものは、ある程度は予測ができます。しかし、ランダムなものは予測ができません。

丁か半か、コインの裏か表か、AかBか、といった確率的な事象は二項分布で発生確率を計算できます。丁半博打の数を多く行えば、その損益は正規分布で近似できます。

株価の動きについては、上昇するか下落するかの二択で二項分布として取り扱え、正規分布をあてはめることもできます。

つまりは、サイコロの目が丁か半か、株価が上か下かは、ランダムであり、ランダムであるから正規分布で近似できるということです。

丁半博打と株式投資の違いってなに?という気もしてきますね。ギャンブルと投機と投資と、また追々書いていきます。

 

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