金持ちに勝つためにリスクを取りますか?

「リスクを取らなきゃ金持ちには絶対勝てない」という記事がありました。[外部記事]

格差問題と絡めて、格差の固定化とリスクを嫌う風潮を関連付けている記事です。私は、格差の固定化とリスクテイクの度合いは必ずしも単純な関係性はないだろうと思ってますが、それについて書くと長くなりそうです。

今回はそういった社会問題ではなく、投資におけるリスクとリターンについて、あらためて考えてみます。


ゲームの条件


記事の内容を一部引用します。

たとえば「コインの裏か、表かを当てるゲーム」があって、「勝ったら1万円もらえるが、負けたら1万円払う」がゲームのルールだとします。ところが、この条件では、ほとんどの日本人がゲームをしません。1万円を得る可能性より、1万円損する可能性のほうが大きく感じるからです。


さて、これについてです。

「勝ったら1万円もらえるが、負けたら1万円払う」というゲームに参加しないのは、日本人に特有のことではありません。

洋の東西を問わず、一般的な感覚ならまず参加しないゲームです。

それについては後の方で書きます。

まずは、コインゲームと株式投資について考えてみましょう。


ゲームの条件がわからない


株式投資は、支払条件が明示されないコインゲームと考えることができます。

しかも、その条件は時とともに大きく変わります。

どういうこと?

具体的な数字で考えてみましょう。

リーマンショックの時は、「勝ったら1万円もらえて、負けたら5万円払う」という条件でコインゲームをやっていて、アベノミクス相場では、「勝ったら3万円もらえて、負けたら1万円払う」という条件で賭けているようなものです。

リーマンショックの時は分の悪い勝負、アベノミクス相場は分のいい勝負です。

ただ、勝ったら○万円、負けたら○万円というのが後になってみないと分からないのが株式です。分のいい勝負なのか、いまは参加を避けるべき時期なのか、この先は条件が良くなるのか悪化するのか・・・それを読むのが株式市場の醍醐味と言えるかもしれません。


変動の大きさは大きい方がいい?


さて、リーマンショックとアベノミクス相場の比較に話を戻します。

リーマンショックの時は、「勝ったら1万円もらえて、負けたら5万円払う」という条件でコインゲームをやっていて、アベノミクス相場では、「勝ったら3万円もらえて、負けたら1万円払う」という条件で賭けているようなものとしました。

どっちも大きな変動(リスク)のあるゲームです。

リスクの大きさで言ったら、リーマンショックの方がアベノミクス相場より大きいです。

でもね、と。

大きな変動(リスク)があるからといって、リーマンショックのときにリスクを取るのは考え物ですよね。

だって期待値がマイナスなんですから。


一発勝負と継続勝負


一発勝負なら、リーマンショックの条件でも上手くいけば1万円取れます。

でも、百発勝負なら、だいたい200万円の負けに落ち着きます。1回あたりなら2万円の負けで、それが期待値の考え方です。1回あたりの期待値では、リーマンショックはマイナス2万円、アベノミクス相場はプラスの1万円です。

ここで大事なのは、一発勝負の考えではなく、期待値で考えることです。


リスク愛好者


冒頭のコインゲームです。

勝ったら1万円もらえるが、負けたら1万円払うゲームの場合

期待値はゼロ、標準偏差(リスク)が1万円のゲームです。

この勝負をする人は、期待値がゼロなのに1万円分のリスクを取る人です。そういう人は教科書的には「リスク愛好家」に分類されます。

期待値がゼロでも、マイナスでも、ともかくリスクがあって一発当てれば勝てる!という射幸心の強い人は、こちらのゲームに参加します。ギャンブラーならこっちですね。


リスク回避者


勝ったら3万円もらえるが、負けたら1万円払うゲームの場合

期待値は1万円、標準偏差(リスク)が2万円のゲームです。

こちらのゲームはリスク回避的な人でも参加する場合があります。参加するかどうかを決めるのは、期待値と標準偏差のバランス、つまりはリスク許容度です。


まとめ、のようなもの


投資にはリスクの見積もりと、期待できるリターンの2つの要素が不可分です。

リターンを得るには、リスクを取らないといけません。

でも、

リスクを取ったからと言って、 リターンが付いてくるとは限らないのです。

リスクを取らなきゃ金持ちには絶対勝てないのかもしれませんが、リスクを取ったことで、余計に金持ちとの差が開いちゃうこともありえますね。

ところで・・・

そもそも、金持ちに勝つ必要があるの?

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960:

金持ちに勝たなくてもいい、と思う人はそもそも比較的裕福なんじゃないですかね。

そういう総中流階級社会みたいな幸福な時代はとっくに終わっていて、これからは経済格差が固定化される格差社会だからそれが嫌なら戦え、というのが引用記事の趣旨だと思います。

煽り記事といえばそうなんですが、私はこっちの方が好きですね。

2015.09.17 20:33 さいもん #- URL[EDIT]
961:

※960:さいもんさん
投資に関しては自分が納得できる成果を取れればよくて、「他者に勝つ」という発想はときにはプレッシャーになるかも、という思いから最後の一文になってます。
私は必ずしも金持ちに勝つ必要はないと思ってますが、金持ちに勝ってやるぜ!という意気込みは結構好きです。

2015.09.17 21:22 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]
962:

他者と比べたらきりがない話なんですけど・・
自分が納得できる成果も、日々変わっていくと思うので
結局はエンドレスな苦悩ということになってしまいそう

どこで満足できるかは、本当に人それぞれで
私は、最終的には「幸せは思い込み」と思って
投資を楽しんでいます

とりあえず今日もおいしいビールが飲めてよかった!

2015.09.17 22:09 ともみ #- URL[EDIT]
963:リスクとボラティリティ

以前から疑問に思っていることなのですが
変動幅=ボラティリティが大きいことが
リスクそのもの なのでしょうか
ここが、どうも、ピンと来ないんですよね

2015.09.17 22:11 消費しないピノキオ #0bEIyvWM URL[EDIT]
964:

こんばんは
お金持ちに勝つというより成るといった方が適切かな、他人との勝負ではない気がします。
勝負にこだわると、日本株ファンド(ひふみとか)とか足りなくて個別信用、fx、商品先物とかに手を染めそう・・・
自分も割と自己バイアスが強いのでこうゆう記事は最近、なるだけ見ない降りをしています。
今の自分にいくらの資産があれば良いのかのみ考えを集中していきたいと・・・

願っています。(それが結構難しいですが(笑))

2015.09.17 22:14 yazirobe777 #- URL[EDIT]
965:

※962:ともみさん
そうですね。他者と比べるときりがなく、ふと気がつくと自分の納得できる水準も動きますね。だからせめて他者との比較はあまり考えない方がいいんだと思います。
自分が納得できればそれでよくて、納得するかどうかは自分次第。だから自分だけがOKならそれでいいんだと思います。
幸せは思い込みでしょうし、不幸も思い込みなんでしょうね。だったら、幸せを思いこむ方がいいですね。
投資とビールを楽しめるのはいいことですね。どちらも適量で。

2015.09.17 22:20 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]
966:

※963:消費しないピノキオさん
投資の教科書では、変動幅=ボラティリティをリスクと定義してます。だから「ボラティリティが大きい=リスクが大きい」ですね。
直感的には、リターンがわからないこと自体がリスクな気もしますし、大きな上昇も大きなリスクとみなされることに違和感はあります。ボラティリティがリスクというのは直感的ではないのですが、私はそういう決め事だから・・・とひとまず納得してます。

2015.09.17 22:27 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]
967:

※964:yazirobe777さん
自分の心理を抑えるのに手いっぱいになることがあるので、他人の事は気にしない方がいいというのが私の経験則です。どんだけテンパってきたんだ・・・って感じですけど。
投資も人生も他者を意識しすぎない方がいい気がしてます。

2015.09.17 22:35 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]
968:

でも結局他人を意識して一喜一憂・・
もう、人間って煩悩の塊でしょうがないですね

2015.09.17 22:46 ともみ #- URL[EDIT]
969:

※968:ともみさん
そうですね。ちょっとしたきっかけで他人を意識して煩悩が沸き出ますね。
しょうがないですね。(^^;

2015.09.17 23:05 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]

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