売らせないようにしても、株価は下がるときは下がるのに

「中国当局、株主の違法な保有株売却を厳格に処罰する方針」というニュースがあり、これについて書こうかなと思ったら、すでに招き猫の右手さんが書いていました。

売らせないようにしても、クラッシュの度合いが大きくなるだけだろうという点に同感です。

極端な話をすれば・・・

売る人がいなくても株価は下がるときは下がるんですよね。

今回は株価の力学について


株価の決まり方


株価のバリュエーションの話は、以前「日経平均はどこまで下がるか?」でも触れました。

今回はざっくり、まあ、株価ってのは、「企業の利益」と「その企業の株のリスクに応じた割引率」の2つの要素で決まると考えましょう。

単純なDCFの考え方です。

ある企業の利益が年900円だとします。その企業のリスクに応じた割引率は6%とします。

そうすると、その企業の株式価値は、利益を割引率で割った15,000円(=900÷0.06)と計算できます。


これまでに起きたこと


さて、ここ数年はなんだかんだ言って、企業は利益を増やしやすい環境でした。

そこで利益が900円ではなく1000円に増えるとしましょう。投資家が1000円はいけるだろうと予想するわけです。

さらに、日銀の異次元緩和とETFの買い入れプログラムによって、金利は低下し株式に投資するリスクも低下しました。そこで割引率も6%から5%に低下したとしましょう。

つまり、利益は増え、リスク(割引率)は低下です。

そうすると、株価は15,000円から20,000円(=1,000÷0.05)と評価できるわけです。


逆の動き


というわけで、利益が伸びる、リスクが低下する局面では、株式の評価値は上がるわけです。

逆に、企業の利益成長が頭打ちから減益の見通しになり、投資家のリスク見積もりが慎重になって割引率も上昇すると、今度は株式の評価値は下がるわけです。


ニワトリとタマゴ


みんなが株を売るから、株価が下がるのか・・・

株価が下がると思うから、みんなが株を売るのか・・・

まあ、どっちもどっちです。どちらがニワトリでどちらがタマゴかは、あまり気にしなくてもいいのかなと思います。

投資家の見方が変われば、実際に売りがそれほど出なくても、株価が大きく下がることはあります。

中国のように無理やり売らせないようにすると、投資家は焦ってしまい、リスクの見積もりを高くします。そうすると株価の評価が大きく低下して、投げ売りを誘いやすくなります。

売らせないようにすることが逆効果になる恐れもあるわけです。


まとめ、のようなもの


株価って、利益とリスク(割引率)の関数と考えると整理しやすいかなと思います。

利益は伸びる方向か、減っていく方向か
リスクは低下する方向か、増していく方向か

そういう切り口で株価を見るとわかりやすいと思います。

で、投資家の多くが先々に慎重になれば、売りが少なくても気配値は下がっていきます。

実際にはそれほど出来高がなくても、どんどん下がっていくということはあり得ます。

というわけで、今回は売る人がそれほどいなくても、株価は下がるときは下がるというお話でした。

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850:

相変わらず考察が細かいですね、すごいです。
しかしDCFはほんと万能ですね。そこに当てはめる数字は結局予想値ですけど。

2015.08.22 23:57 招き猫の右手 #- URL[EDIT]
852:

※850:招き猫の右手さん
ありがとうございます。照れますねー(^^;
DCFで考えると整理しやすいですね。数字は・・・そうですね。結局は予想であり、相場観なんですよね。エイヤっ!の世界です。

2015.08.23 19:33 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]

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