中国はどのくらいヤバいのか

中国は人民元を切り下げて、それが市場の不安材料になってます。

実際のところ、中国がどのくらい通貨を切り下げるつもりなのかはわかりません。あまり考えてもしょうがないですね。

それより、少し目線を変えて、アジアのマクロ経済を考えてみましょう。


民間債務に注目する理由


アジア各国では民間部門の債務が膨張していて、これが問題になってます。

日本では、政府部門の債務ばかりに目が行きますね。たとえば、「『国の借金』6月末は1,057兆円で過去最高 国民1人当たり833万円」みたいな見出しでニュースになります。

でもね、と。

政府部門の負債よりも、民間部門の負債の方にも注目した方がいいですよ、と。

民間部門の借金は、度を超えるとバブルの種になりますから。

日本のように、政府部門がいくら負債を膨らましたところでバブルは発生しませんが、いまアジア諸国で起きているように、民間部門が負債を膨らませると場合によっては景気の過熱を招いてしまいます。


アジア通貨危機を振り返る


1997年から98年ごろの東南アジア主要国(タイ、マレーシア、インドネシア)は、そろってアジア通貨危機を経験しました。かんたんにポイントを振り返りましょう。

当時、東南アジアの多くは、自国通貨を米ドルや主要通貨のバスケットに連動させる「ペッグ制」を採用していました。一種の固定相場制度です。

当時のアジア諸国は、(今でもそうですが)成長のための投資意欲が旺盛です。でも、自国には投資に使える十分な貯蓄がなく、成長のための資金を外国から調達してました。(経常収支が赤ってことです)

単純化すると、貯蓄と投資のバランスと外国からの資金調達と固定通貨制の関係で、マクロ経済的に軋みが溜まったわけです。

為替の変動を通してマクロ経済の不均衡を調整することができず、軋みが一気に噴き出したのが、1997年のアジア通貨危機の背景です。

あ、東南アジアではないですが、韓国も無傷ではいられなかったですね。


いまの状況


いまの東南アジア諸国は、1997年当時に比べれば経常収支のバランスも良くなってますし、通貨制度も柔軟性が増しています。

だから、東南アジア諸国については、2度目のアジア通貨危機は懸念しなくてもいいのかな・・・と思ってます。

それを踏まえて、現状のアジアの状況を見てみましょう。


アジア諸国の民間部門の負債


これからお見せするグラフのデータは、BISUNのウェブサイトから取りました。

各国の「GDP」と「民間非金融部門の負債額」のデータを取って、エクセルでグラフを作りました。民間部門の借り入れが、GDPの何パーセントあるかを示したものです。

赤で縦に引いた点線は、アジア通貨危機の時点です。

まず、日本

小黒とら

日本はアジア通貨危機ではなく、90年代のバブル処理の後遺症として考えたほうがいいかもしれません。98年には山一證券や日本長期信用銀行が破綻。その後は、家計や民間企業は借金返済にいそしみました。

さて、次にマレーシアとタイです。

小黒とら

アジア通貨危機前には急速に負債を膨らませ、その後は借金返済にいそしんでいることがわかります。

で、ここ数年はまた負債を高めてレバレッジを増やしています。

まあ、それでも既往ピークの範囲内ですし、両国の経済は力は増していますし、為替は柔軟性を増していますから、次にあげる国よりはまだ安心できます。


要注意の国


さて、注意が必要な国があります。

図をご覧ください。

小黒とら

要注意なのは、韓国と中国です。(-_-;

なにかと存在感のある二か国です。

韓国は、アジア通貨危機のあった1997年当時の負債比率を上回ってます。どこまで行くつもりなんでしょう・・・

IMFも二度目なら、少しは上手に~

条件交渉ができるかな・・・

ま、それはそれとして、中国も気になります。

2010年以降、急速に民間部門が負債を膨張させてます。

図は載せませんが、GDP比率ではなく負債額そのものの増え方を見ると、まさに「複利で増えていく」状況です。

負債の増え方とGDPの成長率とのバランスでは、負債が増えるペースの方が早いでしょう。この先の展開がちょっと怖いです。


まとめ、のようなもの


民間部門の負債は、膨らましていく過程では景気を良くしますので、適度なペースで増えていくのは悪いことじゃありません。日本はもうちょっと民間部門がレバレッジを膨らませてもいいのでは・・・と思うくらいです。

で、問題は、持続可能性。

持続可能でない水準まで膨らんでしまうと、あとは調整せざるを得ないです。

中国のマクロ経済は難しい局面に入っていますね。中国政府がどこまで経済をコントロールできるのか、そこが気になります。

で、私は、いまの民間部門の負債比率は、かなりヤバイ水準だろうと思ってます。 (-_-;

追記「中国はどのくらいヤバいのか 続編 GDPの構成要素について

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797:

最期だけに反応(笑
中国にしても勧告にしても、お金のあり逃げれる人は、お金持って外国に逃げちゃうんだと思っています。子供や孫をアメリカで産むなんて、ことを普通にやっている人も多いですからね。

結局、自分だけがいいと思っているモラルがない人が多い国々は、国を思って良い政治を行おうという意思がないような気がします。

2015.08.12 22:14 煙々 #- URL[EDIT]
798:

こんばんは
アジア通貨危機の震源はタイだったかな?
当時とは違うと思いますが、
今度の震源地は中国なので規模の大きさから
人類最強のバブル崩壊とか見出しが躍りそう…

韓国は愛の難破船…
IMFも前回は財閥解体など禿鷹が発揮できる資産がありましたが、今回はどうなんでしょう?

2015.08.12 23:45 yazirobe777 #- URL[EDIT]
799:

参考になります、ありがとうございました。

2015.08.13 08:37 バッタモン #- URL[EDIT]
800:

※797:煙々さん
いろんな意味で中国のリスクは高まってる気がしますね。

2015.08.13 18:22 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]
801:

※798:yazirobe777さん
アジア通貨危機の震源はタイだったと思います。タイ、インドネシア、マレーシアは苦しみましたね。
今回は状況は違うとはいえ、中国ですから・・・
13億人のバブル。すごそうですね。

2015.08.13 18:25 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]
802:

※799:バッタモンさん
コメントありがとうございます。
今後ともよろしくお願いします。

2015.08.13 18:26 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]

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