「ただの守銭奴にすぎない」という発言について 確かに貯めすぎです

麻生財務大臣の「守銭奴」というものの言い方がニュースになっています。[ニュース]

麻生大臣の発言は、企業にお金を貯め込まないで、もっと使ってほしいというメッセージだと思いますが、「まだお金をためたいなんて、単なる守銭奴に過ぎない」という言い方が議論を呼んでます。

言葉の選び方が適当なのかどうかは別にして、私は、麻生大臣の言っていることは的を射ていると考えます。

法人企業統計をみると、企業(金融業、保険業を除く全業種・全規模)の2013年度時点での内部留保(利益剰余金)は、328兆円もあります。
正確には、327,955,667,000,000円です。

1960年からの推移をみましょう。

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上の図は「法人企業統計」から取りました。単位は兆円です。これ以降の図表も兆円単位です。

内部留保というと利益剰余金を指すのが一般的です。その利益剰余金の額は、2000年から急速に伸びています。2000年以降といえば、バブルの清算がだいぶ進んだ時期です。私は1997年から1998年の山一證券、日債銀、長銀といった大手証券や銀行の破綻で、バブルの清算は区切りがついたと考えています。
バブルを乗り越えて生き残った企業は、2000年以降は利益を積み上げてきたのです。


借金は減らして、従業員の給与は横ばい


以下の図は企業の負債額と株主資本と従業員給与の推移です。

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負債額: 社債、金融機関借入金、その他借入金の合計額
株主資本: 資本金、資本剰余金、利益剰余金の合計額
従業員給与: 従業員給与、従業員賞与、福利厚生費の合計
負債額と株主資本額は、期末時点の数値(ストック)なのに対して、従業員給与は年間の支払額(フロー)です。

これを見ると、借金は減らして、従業員の給与は横ばい、その一方で株主資本は右肩上がりであることがわかります。

さて、従業員給与ですが、就業者数が頭打ちになっているから、従業員給与も横ばいなのでは?と思うかもしれません。

では、一人あたりの従業員給与を見てみましょう。

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1995年以降はやや右肩下がりです。

売上が上がっていないから、モノやサービスが売れないから、だから給料が上がらない。そう思っていませんか? たしかに、売上は1990年から横ばいです。モノが売れないというのはイメージとしても、実態としても合っています。でも、企業は利益を上げています。

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売上が横ばいなのに利益を上げているのは、一つには従業員の給与を押さえているからです。

もう一つは、利払いの負担が大きく減っているからです。

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企業は借金の額を減らしています。それに金利は異常なくらい低くなっています。量×金利のダブルの効果で、支払利息の額が大きく減っているのです。


内部留保の使い道


内部留保とは、実際にお金として企業の中に貯め込まれているのではありません。内部留保である利益剰余金が、そのまま現金として企業にあって、使われずに余っているのではないのです。

企業は儲けたお金で、せっせと借金を返済しているのです。

企業がお金を借りないから、銀行は優良な貸付先に困って国債を買っています。内部留保に対する批判は、企業にもっとお金を使えというメッセージです。

内部留保の使い道としては、
1. 従業員の給料アップ → これが一番いいですね。経済的な波及効果がもっとも大きいです。
2. 増配や自社株買い → 投資家への利益還元は、それほど波及効果はない気がします。
3. 借金返済 → これは下策です。世の中にお金が回らなくなります。

お金を貯めるのは大事ですが、お金を使うことも大事ですね。


まとめ


麻生大臣の発言は、「守銭奴」という言葉をとらえると、不謹慎な発言だと批判できるでしょう。でも、言っていることは真っ当なことです。

企業に対して「もっとお金を使ってください」というメッセージは、多くの賛同を得ていいはずだと思いますが、いかがでしょう。

 
16:

法人税を減らさなくてもいいのにね。

逆に増やして、消費税を減らして欲しいわぁ。

2015.01.09 21:00 moko #- URL[EDIT]
18:

※16:mokoさん
そうですね。所得の再配分を考えたら、法人から個人への所得移転を進めて欲しいです。

大企業はいろいろな控除などで優遇されてますので。
http://biz-journal.jp/2014/07/post_5545.html

2015.01.09 21:36 小黒とら #- URL[EDIT]

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