やはり、いや、そのりくつはおかしい

いや、そのりくつはおかしい 小黒とら

いや、そのりくつはおかしい。

以前に「いや、そのりくつはおかしい」という記事を書きました。

今回はその続編です。


株を買ってもいい


前回はダイヤモンドオンライン記事について触れましたが、今回は東洋経済オンラインです。

記事のタイトルはズバリ、「『日経平均2万円』でも、株を買っていいのか」です。山崎元氏の記事です。[外部記事]

気になりますね。

株を買っていいのか。

記事の結論としては、「現在全くリスク資産を持っていない投資家は、これから株を買ってもいい。」だそうです。


リスク資産を持っていない人なら


リスク資産を持っていない投資家なら、株を買ってもいいという論を考えてみました。

山崎氏の論を整理すると、
1. 普通の状態でリスク資産の期待リターンは5%だと考えることにする。
2. 強気なら15%、弱気ならマイナス5%を期待リターンとする。
3. 強気か弱気の予想が当たるのは、多く見積もっても6勝4敗だろう。
4. 相関係数では、予想と実際の関係は0.2だ。
5. そういう低い相関を考慮すると、基本の投資比率を大きく変えるべきでない。

というのが基本ロジック。

予想はあまり当たらないのだから、それに賭けて大きくアロケーションを動かすのはナンセンス。「自分の判断はどのくらい正しいのか」を調整した上で、運用計画を立てるべきということです。

それで、

株価は上昇したが、自分にとって「標準」(普通の状態ならこれくらい持つ)と思えるリスク資産組み入れ率がそこそこにあって、現在全くリスク資産を持っていない投資家は、これから株を買ってもいい。


という結論になります。


さて、私なりに考えると


私なりに考えて整理すると、

今から株を買ってもいいという理由は、唯一、「現在全くリスク資産を持っていない」からということです。

現在全くリスク資産を持っていないのだから、株を買っていい。

で、今なのか、様子を見た方がいいのかは、山崎氏は明らかには書いていませんが、暗黙的には「どうせ予測は当たらないから」今買ってもいいという考えが背景にあるようです。

基本のウェイトがあって、予測はあまり当たらないのだから、その基本ウェイトまで組み入れちゃえよ!ってことですね。


言っていることは理解できます


山崎氏の説明は、Black-Litterman 式の最適配分のモデルに沿った内容と思えます。Black-Littermanアプローチは詳細は省きますが、基本の配分があって、そこから投資家の確信度(confidence level)でウェイト調整を施すというアプローチです。

結局、確信度が低いのだから、そんなにウェイトは変化させなくていいよという結論になりがちなアプローチです。

まあ、それはそれで理解できます。

予測が当たらない、せいぜい6勝4敗というのも、まあ、いいでしょう。

でもね、と。

そうであるなら、「普通の状態でリスク資産の期待リターンは5%」というのも、予測が当たらない、当てにならないという前提を置かなきゃいけないんじゃないの?と思いますね。


まとめ、のようなもの


気になるのは、この先の投資期間において、リスク資産の期待リターンを5%と置いて大丈夫か、ということです。

長期的に5%として、過去数年は大きなプラスを実現しました。リターンの平均回帰性を考えると、この先は中期的にみたらマイナスの可能性もあるのでは?ということです。

ま、将来のことはわからないんですけどね。

いまリスク資産を持っていないのだから、今から投資してもいいという説は、あまりピンとくるロジックではありません。

年金基金はつねに資金を運用しないといけないので、年金にBlack-Litterman の考え方を適用するのは理解できます。

でも、それを個人投資家に適用するのはどうかな・・・とも思います。個人投資家が機関投資家や年金基金の運用の仕方を真似る必要はないでしょう。

もっと自由にやりましょうよ。(^^)


補足という名の蛇足


タイトルを「やはり、いや、そのりくつはおかしい」としましたけど、山崎氏の考えがおかしいと批判するつもりはありません。いろいろな考え方があっていいはずですし、私の考えのほうに違和感を持つ人もいるでしょう。それは人それぞれです。

タイトルはお遊びということでご理解ください。

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472:

>個人投資家が機関投資家や年金基金の運用の仕方を真似る必要はないでしょう。

これは同意ですね。機関投資家は重いハンデを背負って走っている競走馬のようなものなので、個人投資家は軽ハンデを生かす戦い方をしないと。ハンディキャップが十分でなかったら不出走という手もあります。

2015.06.13 14:38 さいもん #- URL[EDIT]
473:

また、「そのりくつはおかしい」シリーズですね!
今回も面白く読ませていただきました。

”暗黙的には「どうせ予測は当たらないから」今買ってもいいという考え”、これがあると、投資は、当たるも八卦当たらぬも八卦になって、ギャンブルと何が違う?ということになってしまいそうです。
たぶん、儲かるはずだから、投資やっとけば?といったような。これって、金融機関の人達が儲かるだけで、一般投資家は儲かるとも儲からないとも分からないということになってしまうのでは・・・。

それこそ、投資なんてせずに、節約して貯金だけで資産形成したほうが良くなるのでは?と、あまりそうなって欲しくないですが、そう思ってしまいます。

2015.06.13 15:50 煙々 #- URL[EDIT]
474:

山崎さんの以前の記事ですが、
http://diamond.jp/articles/-/60925?page=4
>まずは、たとえばGPIFによる買い支えで株価が上昇するような局面があれば、アベノミクスに期待して上乗せした投資分を引き上げる程度のイメージだ。次に、来年半ばくらいにFRBの利上げが現実化する前に、もう一段階投資を縮小する、というくらいの目処でいいと考える。
投資家は、まだパーティー楽しんでいていいが、二日酔いの可能性には気をつけたい。


これは少し前の記事ではありますが、少なくとも今から買えとは書いてないですね。
株価はこの記事のころからさらに値上がりしていますし。
前から持っている人は縮小するのに、持ってない人は買っても良いというのはなんか変です。

2015.06.13 16:59 Tansney Gohn #SNAM66t2 URL[EDIT]
475:

※472:さいもんさん
そうですね。個人投資家が機関投資家と同じ土俵で戦う必要はありませんね。個人投資家は個人投資家ならではの利点を生かすべきですよね。

2015.06.13 20:30 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]
476:

※473:煙々さん
はい。シリーズ第2弾です。(笑)
そうなんです、「どうせ当たらないから」ということで投資をするのは、ギャンブルとあまり違わないと思います。割高や割安を評価して、それに賭けるほうがギャンブル度は低いでしょうね。

2015.06.13 20:36 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]
477:

※474:Tansney Gohnさん
まさにそこです。前から持っている人は縮小するのに、持ってない人は買っても良いというのは、矛盾ですよね。

2015.06.13 20:39 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]

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