ソフトバンクは法人税を5百万円しか払っていない

今回は「税金を払わない巨大企業」(著者:富岡幸雄氏)という本を紹介します。

さっと読もうと思えば細切れの時間で読める手軽な本ですが、書いてある内容は税のあり方を取り扱った奥深いものです。

本の帯に書いてあるソフトバンクやユニクロの納税額は目を引きます。

税金を払わない巨大企業 投資家オンライン
(写真クリックで拡大します。帯にない企業名は伏せておきます)


さて、本題


「税金を払わない巨大企業」という本の著者である富岡幸雄氏は、法人はグレーゾーンの「避税」をせずに、きちんと法人税を払うべきという考えです。企業の社会的責任を重視しています。

興味深い部分を引用します。

「節税」と「脱税」が重なりあっているグレーゾーンの「避税」は、日本をはじめとする先進国の租税立法と租税行政の課題となっています。(p15)

私が大企業の問題を取り上げるのは、日本の法人税制が大企業を優遇する一方で、中小企業には優遇措置が適用される条件が整っていないために、法定税率に近い税率があてはめられているからです。(略)税制上の公平とは、所得が大きい企業が多く負担するという「応能負担」が原則です。その意味では、日本の税制の現状は、とても公平とは言えません。(p92)

察するに、税金はコストだから安ければ安いほど良い、自分の企業さえ儲かれば日本経済が空洞化しても関係ない、という感覚なのでしょう。(略)今の日本では、多額の納税を行う企業を尊敬する社会的風土も失われています。企業経営の側も、社会的責任感が欠如しています。(p114)


負担は一般国民に


富岡氏は、大企業が避税対策をして税金を納めないから、消費税の増税ということで一般国民の負担が増えていると主張しています。

グローバル企業や多国籍企業の「避税」は、今後のグローバルな懸案事項になりそうです。「税金を払わない巨大企業」は主に日本の企業について述べていますが、一章を割いてグーグルやアップル、アマゾンなどのグローバル企業の避税についても言及しています。

結局のところ、グローバルに利益を追求する巨大企業は、地域社会の愛すべき住人にはなれないのかもしれません。

特に、「第2章 企業エゴむき出しの経済界リーダーたち / 減税を叫ぶ経済界リーダーの厚顔ぶり」は企業のエゴを痛烈に扱った章です。ただ、恨みつらみを募らせる書きぶりではないので、読後に嫌な感じは残りません。

大企業の社会的責任、グローバル化する企業行動の中で課税当局の補足力という点から、法人税を考えるにはとてもいい本です。

追記も書きました

税金を払わない巨大企業 (文春新書)

新品価格
¥756から



巨大な資本が富を集めすぎるのは全世界的な課題です。以下の本は最近注目されている本です。これから読みます。読みやすい解説本が出ていますが、解説本は解説者のバイアスが入るのでまずはオリジナルにチャレンジします。

21世紀の資本

新品価格
¥5,940から



 
9:

面白そうな本ですね。
アマゾンの書評をみると・・・あらま、評価★1だらけ。
とりあえず、古本屋にあったら、買ってみようかなと思います。

2015.01.04 19:02 煙々 #- URL[EDIT]
10:

※9:煙々さん
Amazonの書評は少し奇妙です。internationalという書評者が「星1つの書き込みは同一日付け」と指摘しています。

古本でもいいですし、立ち読みでもいいかもしれませんね。

2015.01.04 22:01 小黒とら #- URL[EDIT]
11:

アマゾンの書評はあやしい。評価を下げようとしている感じがプンプン伝わってくる。何らかの力が働いているのかも。某やわらか銀行とか、某ユニブラックとか。まさかとは思うけど。

2015.01.05 09:34 あやしい #- URL[EDIT]
12:

※11:あやしいさん
コメントありがとうございます。
Amazonの書評には違和感があるのですが、一方では、この本のある部分については批判が入る余地があります。

ただ、税のことは国の財政に直結しますので、国債発行量が増えている昨今では無視できない話題です。読んで損はない本でした。甘いかもしれませんが私なら星4つです。

2015.01.05 16:50 小黒とら #- URL[EDIT]

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