老後資産の取り崩しを、定率法でやるのはどうでしょう

Q:老後資産の取り崩し方を定率法でやるのはどうでしょう?

A:う~ん、私ならやらないし、人にも勧めません。

毎度のことながら身も蓋もない回答ですみません。

私なら自分ではやらないし、人にも勧めないというだけです。定率法での取り崩しが合っている方もいるかもしれませんし、定率法の考え方自体を否定するものではありません。 (;´д`)

今回は、老後資産の取り崩しについて


95歳まで安心して暮らすための定率法?


参考としたウェブ記事は「老後難民にならない!95歳まで安心して暮らすための『ほったらかし投資』」という記事です。[外部記事]

老後資金の取り崩し方について、フィデリティ退職・投資教育研究所所長の野尻哲史氏が、定率による取り崩しを推奨しています。

たとえとして、「老後資金から年間4%を引き出すと共に、年3%のリターンで運用できれば、年間の目減りは1%に抑えられます。」とのこと。

また、「運用が上手くいかなかった時は多少我慢する必要はありますが、定率引き出しを心がければ、元本が目減りするピッチをかなり抑えることができるのです。」とも述べています。

さて、95歳まで安心して暮らすために、定率法を採用すべきでしょうか。


試算しました


65歳時点で老後資金として3,000万円あり、それを年4%の定率法で取り崩すことをシミュレーションしました。投資の期間は30年です。

野尻氏は「年3%のリターンで運用できれば」とおっしゃっていますが、私は悲観シナリオも入れて、年+3%の楽観、ゼロ%の中立、マイナス3%の悲観シナリオの3通りで分析しました。

シミュレーションは一般的なモンテカルロ・シミュレーション。試行数は10,000回。ボラティリティは、どのケースでも年6%です。ボラティリティは期待リターン3%に対して、まぁ、倍のリスクでしょってことで決めました。

結果は後ほど。


結果発表、その前に


結果発表の前に、定率法をちょっと考えてみましょう。

定率法は毎年の元本に対して4%を取り崩していくので、元本が減っていけば取り崩せる額も減っていきます。

リスクなしのゼロ金利で預けた場合を考えましょう。3,000万円を毎年4%の定率で取り崩すと、30年後の元本は880万円になります。

3,000万円×0.96^30 = 880万円

このとき4%を取り崩すと35万円くらいです。月にすると3万円にもなりません。初年は月10万円、30年後は月3万円の取り崩しになるのが定率法です。

こういう取り崩しで老後の資金計画を立てられますか?


運用リスクがある場合、ますます複雑に


投資をすると、プラスで回るときもあれば、予想外に元本が毀損することだってあります。元本が変動する場合、ますます老後の資金計画が立てにくくなります。

取り崩せる額が元本によって変わってくるからです。

まず、30年後の手残り額の試算結果です。

リスクがない場合、30年後の元本は880万円と書きました。リスクがある場合は以下の図です。リスクがある場合は幅で考えることが大事です。

定率法 小黒とら

年率3%のリターンなら、手残りの中央値は2,060万円。
ゼロリターンの場合は、中央値は830万円。
年率マイナス3%のときは、手残りの中央値は337万円でした。

手残りが337万円だとしたら、翌年取り崩せる額は年額で13万円(月額で1万円)です。


老後の資金計画は定率法で大丈夫?


シミュレーションでは、30年のうちに最も取り崩し額が小さくなったときの金額も計算しました。

定率法 小黒とら

楽観の+3%なら、平均的には悪くても年80万円(月額7万円)は取り崩せます。
ところが、中立シナリオなら、年36万円(月額3万円)になります。
悲観のマイナス3%なら、年15万円(月額1万円)です。

運用の結果によって、取り崩せる金額に大きな差が出てしまいます。


まとめ、のようなもの


老後に資産の取り崩しを定率法でやる場合、次の2点は押さえておきたいですね。

1. 自然体では、年数が経てばたつほど取り崩せる金額は減っていく。
2. いくら取り崩せるかは運用次第なので、思ったより取り崩せない可能性もある。

運用しながらの定率法って、金融機関にとってのメリットは思い浮かぶけど、家計にとってのメリットは思い浮かばないです。複雑すぎ。(・_・。)

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410:

こんにちは!
今朝のモヤモヤが、もう記事になっていてビックリです!
ありがとうございましたm(__)m

リビングにいると、野尻氏と中野氏の著書が並んで視野に入ってくるんです、我が家ったら(笑)
そして、今朝思い出したのが
http://s.ameblo.jp/saisonam/entry-11965586402.html
以前、積立王子からセゾン号乗組員に目を通せとお達しがあった記事。
その時は『美しい理論』に思えたんですけどね(笑)

80歳を過ぎてから
『○○ショックのせいで、今月の4%はこれっぽっちですよ、おじいさん』
『来月はおそらくマイナスになるから、一切解約できんぞ、おばあさん』
とか、
『白内障の手術をしたいから、少し多めに解約してもよいかの、おばあさん』
『そんなことしたら5.3%になっちゃいますよ、おじいさん』
とか、
95歳になったら、4%がなんだったか忘れちゃって解約の手続きすら難しくなった
とか、
もうね、打ってて笑いがこみ上げてくるんですけど(笑)、真面目な話、歳を重ねて体も頭も徐々に衰えていくのに、一生そんな事が可能なのかしら?と。
それに、歳を取ってから、自分たちが旅行などを楽しんだわけでもないのに、資産が目減りするのは、あまりにも悲しすぎるし…(´;ω;`)

自分の衰えを感じる年齢は各々違うでしょうが、それを感じ始めたら出口時期を模索するのが得策ではないでしょうか。

2015.06.04 17:15 みみん #yLibkmaY URL[EDIT]
412:

リタイア後は年金プラス配当で悠々自適が良いでしょうね。
(^^

2015.06.04 21:13 Tansney Gohn #SNAM66t2 URL[EDIT]
413:

こんばんは
この方法は自分も少し考えます。
合理的に点もありますが、資産が減るプレッシャーに精神が持つかがポイントかと
部外記事を含めてこの手に記事を結構読みますが、いつも心理的の部分には踏み込みませんね…

2015.06.04 21:28 yazirobe777 #- URL[EDIT]
414:

※410:みみんさん
年を取って頭にモヤがかかってくるようになると、運用しながら定率で取り崩すのは難しいですよね。年を取ったら資産運用の最終出口を考えて、銀行預金がいいと思います。

それはそうと、みみんさんの想定するおばあちゃんとおじいさんの会話は微笑ましいですねー。

2015.06.04 22:49 小黒とら #3mO34mAQ URL[EDIT]
416:

※412:Tansney Gohnさん
リタイア後は年金と配当で悠々自適。いいですねー。
(^^)

2015.06.04 22:57 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]
417:

※413:yazirobe777さん
そうですね。人生の最終版の資金計画をどうしたらいいのかは、難しいものがありますよね。私は、できる限りシンプルにやって行こうと思ってます。

2015.06.04 23:00 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]
418:

元記事の人達は資産がなくならないことと、生活ができることのバランスが考えられていませんね。

頭悪過ぎて残念な人達ですね。

2015.06.05 02:35 Colorless Freedom #- URL[EDIT]
419:

※418:Colorless Freedomさん
元記事の人たちは、お仕事でああ言ってるのかなーと思ってます。元記事の人たちの立場を思うと、若いうちからドルコストで積み立てて、シニアになっても運用を続けて、できるだけ取り崩さないで欲しいというのは分かりますけどねー。

2015.06.05 11:44 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]

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