「毎月分配型」投信を廃絶すべきだ、という意見について

経済評論家の山崎元氏が、金融庁は毎月分配型投信を廃絶すべきだと主張しています。
[外部記事]

毎月分配型投信の弊害については、その通りだなーと感じます。でも、対処法については、私は山崎氏とは少し意見が違います。

今回は、毎月分配型投信の規制のあり方について


「毎月分配型」投信の何が問題か?


「毎月分配型」投信のどこに問題があるかというと、商品性に対する誤解だと思います。

複利効果が得られずに投資効率が悪いとか、税制上のデメリットがあるとか、そういうことももちろん大事ですが、それ以上に、「商品性を誤解しやすい」ことが問題です。

分配金利回り20%の投信があるとして、その投信のトータルリターン(真のリターン)は20%とは限らないわけです。わかる人にはわかる話でも、世の中には

分配金 = 運用の果実

と、誤解する人がいるのです。

しかも、安定的に、ずっと同じ利回りが続くと勘違いしている人もいるのです。それは勘違いしている人だけが悪いのではなく、投信を作る側や売る側もそうですし、雑誌などで煽る側の問題でもあります。


「毎月分配型」投信の誤解を防ぐには


で、「毎月分配型」投信の誤解を防ぐには、ちゃんとした情報提供が必要ですし、投資家はちゃんと理解する努力が必要ですね。

過去記事「毎月分配型投信 みずほ逆転勝訴に思うこと」でも触れましたが、投資信託協会のアンケート結果が興味深いです。

分配金について、「支払われた額だけ基準価額が下がる」と認識しているのは、31.2%です。

31.2%しかいないのです。この数字は低すぎます。

毎月分配型投信の一番の問題は、ここにあるんだと思います。

複利効果とか、税金の問題よりも深刻な問題です。

仕組みがよくわかってないのに、投資家は買っているわけですし、売る側はちゃんと説明していないということですから。


規制は必要最小限の方が


山崎元氏は、「消費者保護の観点から、株式投資信託の分配金は年間1回(あるいは譲歩して2回まで)と決めてしまえばいい」と述べています。

分配の回数を制限するのは一つの対策ですね。

でも、私は分配の回数を制限するよりも、優先してやるべきことがあるという考えです。

それは、

分配額の制限です。分配頻度ではなく、分配できる額を制限するのです。


私の考え方


問題の本質は、投資家が分配についてちゃんと理解していないということです。

それに対処するには、分配の頻度ではなく、分配可能額のルールを変えることです。

分配できる上限を、「決算期間における、利益額を上限とする」とすればいいんです。毎月、ちゃんと稼いだ分だけで分配すれば、過度な分配も、毎月の安定分配も不可能になります。

そうすれば、自然と、過度な分配を売り物にする「毎月分配型」投信は消滅していくでしょう。

要は、分配の頻度が問題なのではなく、たこ足が問題で、たこ足だということを知らない人が多いことが問題なんですから。

たこ足を是正するには、たこ足を禁止することです。

頻度を制限したけど、たこ足そのものを制限しないとどうなるか。

年に1回か2回、壮絶なたこ足食いをするファンドを作って、その分配金を原資に、金融機関が毎月送金サービスをして、実質的に「毎月、安定的な」仕組みを作っちゃうかもしれません。

ま、考えすぎですかね・・・

ともかく、毎月分配型投信の弊害をなくすには、たこ足をできないようにすればいいと思うんです。

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321:

私は、大前提として、虎の子となるお金を運用するにあたって、最低限のお勉強をしていない人は、結局どんな規制があっても、同じことだと思うのですよね。
1年で倍になるとか、絶対は損しないとか、そんな甘言に釣られている人がいなくならないのと同じかと。

そういう意味では、変に規制を行ったことにより、投資熱が冷めることの方がデメリットが大きいような気もします。本件は、面白いので私も記事にしてみようかな^^

2015.05.21 19:39 煙々 #- URL[EDIT]
322:

同感です。
分配額は、例えば
高配当株ファンドなら 配当金 ー コスト分だけ
債券ファンドなら クーポン ー コスト分だけ
リートなら 個別の分配 ー コスト分だけ
にしておけば問題ないはずです。
ETFだとちょうどそんな感じになります。

分配回数の制限は意味ないですね。
BNDやAGGは年12回出ますが悪くないビーグルだと思いますし。

2015.05.21 19:44 Tansney Gohn #SNAM66t2 URL[EDIT]
323:

株屋は客を騙しても売れればいいというマインドが21世紀になってもまだ染みついているので、自浄作用に期待するより規制するしか無いんですよね。

分配回数の制限もタコ足分配の制限も本来は正当性が無くて無理筋だと思いますが、強権発動でできるものならどちらもやった方がいいと思います。
自浄作用の無い業界が悪いので自業自得でしょう。

2015.05.21 20:25 さいもん #- URL[EDIT]
324:

※321:煙々さん
自分で勉強すること(自助努力)と、幅広い投資家を想定した適切な規制は、両立がかみ合うのが理想的ですね。

2015.05.21 21:32 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]
325:

※322:Tansney Gohnさん
分配の回数の問題ではなく、分配の水準が問題ですね。インカム分を分配に回すというのは健全ですよね。

2015.05.21 21:35 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]
326:

※323:さいもんさん
本当なら業界団体が自主的にルールを変えるのが筋なんでしょうね。で、自主的にそれができない、するつもりがないというのが問題ですね。
やはり、さいもんさんの言うように、強権発動しかないのかもしれません。

2015.05.21 21:40 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]
328:

こんばんは^^
毎月分配型に関してはご指摘どうりの問題点があって「ぼったくり」と酷評されますね。
だだ、US‐REIT投信一本で全インデックスファンドを合計以上の資産があるような気がします。
それに高額の手数料と信託報酬つくとなれば金融機関は売らないのは難しいと思います。
おまけに毎月分配すると国も毎月税収があるので、国もひそかにうれしいでしょうね(笑)
全廃は望み薄かもしれません。

タコ禁は多分、毎月分配型自体が成り立たないのでこちらも困難だと思います。
(タコ禁は一時、金融庁で議論されていましたがあれはどうなったんでしょう?)
日本が投資立国?を目指すなら国もこういったものは規制してレベルが高い所を示して欲しい所です。
その後、変わりに前の方が書かれているAGGやPFFのような毎月分配ETFを東証で売ってくれれば問題ないと思います。

☆別の意味なんですが…

面白いのは今日の記事の「毎月分配型投信」を「年金」と置き換えてもこの記事は読める所です。
そうすると年金は過激に考えれば全廃、維持するならタコ足をできないようにするべきとなります。
年金はよくね○み講と揶揄されますが、毎月分配型にも似てるんだな~と思いました。
どちらも結局タコ足になっているのをどうするかなんでしょう。廃止はどちらもできないと思います。
(今回の記事は前回の年金の記事が隠し味のような気がしました…考えすぎですかね(笑))

2015.05.22 00:17 yazirobe777 #- URL[EDIT]
329:

※328:yazirobe777さん
投信のタコ足の全廃は、現状では難しいかもしれませんね。毎月分配型の投信が今の投信ブームのけん引役ですからね。
年金の方は、政府が取り組みを始めそうですね。高所得の高齢者に対する税金投入を辞める案が進めばいいなーと思ってます。

2015.05.22 10:45 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]

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