老後難民の不安を煽る人が、あまり言わないこと

老後破産とか老後難民といった老後の不安を書き立てる人は、95歳まで安心して暮らすためにいくら必要か、という話をします。

一口に95歳といいますが、日本人の平均寿命は男性で80歳、女性で87歳です。

今回は、とら式の95歳まで暮らせる方法です。


試算のためのデータ


試算のためのデータは、総務省統計局の家計調査(2014年)から取ります。

日本人の平均的な高齢者世帯の収支として、「高齢夫婦無職世帯の家計収支」を用います。

老後難民 小黒とら

この数字をもとに話を進めますね。(クリックで画像拡大します)

収入:207,000円(社会保障給付=年金、その他の合計)
支出:269,000円(非消費支出と消費支出の合計)

不足分:62,000円

毎月、62,000円を預貯金から取り崩しています。

さて、毎月62,000円を65歳から95歳までの30年間にわたって取り崩すとしたら

62,000円×12か月×30年=22,320,000円

2,200万円です。

夫婦で。

ちなみに、おひとり様の状況はこちらをご覧ください。[図表リンク]


とら式、老後95歳まで生きる方法


とら式の95歳まで生きる方法ですが、大した話ではありません。

年金の繰り下げ受給です。

年金を65歳からではなく70歳から受け取れば、現行の制度では月の支給額は42%の増額になります。

先の例では、年金の月額190,800円が、繰り下げ受給すれば月額271,000円になります。

そうすれば、預貯金を取り崩すことなく、先の例と同額の269,000円の支出を賄ってお釣りが来ます。

となると、年金を繰り下げるための65歳から70歳までの5年間を、預貯金の取り崩しでしのげばいいわけです。

月額269,000円ならば、5年間で16,140,000円です。

1,600万円です。

夫婦で。

ここでちょっと整理すると、95歳まで生きるとして、毎月62,000円を取り崩すには、2,200万円が必要。一方、年金を繰り下げて受給すれば、70歳までの5年間の1,600万円が必要。

老後不安を煽って投資に仕向けるより、長生きすることを考えているなら年金繰り下げを検討してはいかがですか、とアドバイスるする方が親切な気がしますね。


消費支出の内訳を見ると


さて、少し蛇足です。

消費支出の内訳を見ると、教養娯楽費とその他の消費支出が多いことがわかります。リンクした資料には書かれていないのですが、その他の消費支出に含まれる「贈与金」の支出が高齢世帯には多いのです。

つまり子供や孫へお金を渡しているんですね。

家計の支出の内訳をみると、預貯金を崩すのは趣味や娯楽に使うか、そうでなければ子供や孫にお金を渡している。そういう姿が見てとれます。

逆に考えると、年金の範囲で食べるには困らないということです。


まとめ、のようなもの


老後難民、老後破産という強い言葉で不安を煽る人が多いのですが、そういう人の多くは投資を勧めますね。

投資もいいのですが、95歳まで生きる時代ですと長生きリスクを想定するなら、制度が変わるリスクはあるにしても、年金の繰り下げ受給に触れるべきじゃないかな・・・と思います。

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292:

年金を長生きリスクに対する保険と割りきって考えることができる余裕がある人がほとんど居ないからじゃないかと思います。

あとはやっぱり制度に対する不信ですかね…もらえるうちに一年でも早く貰っておこうという…

確かに繰り下げ受給に触れた記事は読んだことがありません。

2015.05.13 21:32 さいもん #- URL[EDIT]
293:

私も貯金が一定額に減るまで繰り下げすればいいじゃない派です
何か問題が起きた時点で受給開始すればいいし。

早死したらどうするんだ! と言われそうですが
老後破産しなくて済むだけですからねw

2015.05.13 21:42 retire2k #- URL[EDIT]
294:

年金が増えると税・国保の額が結構上がります。
ベースの額が19万と27万では1万以上差が出ると思います。
気づき難い損金です。
単純に損得でいうと繰り下げは得ではないと思います。

2015.05.13 21:44 なすび #- URL[EDIT]
295:

※292:さいもんさん
制度に対する不信はあるんでしょうね。不信感を煽る人も世の中には多いですから。

2015.05.13 22:35 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]
296:

※293:retire2kさん
ギリギリまで引っ張るつもりで、でも必要ならそのときから受給できるオプションがあるのはいいことですよね。
早死にしたら、それはそれでいいじゃないですかね。

2015.05.13 22:39 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]
297:

※294:なすびさん
税・国保の変化までは織り込んでいませんでした。
たしかに気づき難いです。(-_-;)

2015.05.13 22:43 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]
298:

こんばんは
年金については障害年金程度の期待です。
自己資金で95まで生きて年金それまで繰り下げるのが自分のベストシナリオです。(笑)(年金は自己資金が想定外に尽きたときのリスク資産となります。)
みんな老後は不安なのですが、それゆえなれない投資して退職金を失い老後難民なんて事態は避けたいですね。

2015.05.14 00:35 yazirobe777 #- URL[EDIT]
299:

五十路に片足突っ込み世代の主婦、みみんです。
難しい問題ですねぇ…。
友人とも話したんですが、医療保険はね、病気にならなきゃOKで、掛け損になってもなんとなく腑に落ちるというか、納得できるんですよ。
(もちろん、もったいないですよ!苦笑)
でもねぇ、年金はなんとなーく別物なんですよね。
障害年金や遺族年金のメリットを知っていても、『払わされた以上は貰わなきゃ!』みたいな心理が働いてしまうのです。
医療保険は任意、年金はある意味強制だからでしょうか?
かといって、第3号がこのままでいいとも思わないんですけどね。

義父を見送ったばかりなので強く思うのかもしれませんが、生きてる時に『自分は葬儀はいらない』『散骨してくれたらいい』といくら家族に伝えていても、逝ってしまったら口出しは出来ないんですよねぇ…。
家族としては、流れに乗って普通にお葬式をした方が絶対楽だし(笑)
さらに、自分の事より、先祖代々(=五十回忌まで)とお寺の付き合いの方がお金がかかったり(^_^;)
おじいちゃんおばあちゃん、お父さんお母さんぐらいまでの永代供養料を自分が用意しないと後代に残してしまいますしねぇ。
それを言い出したら、空き家問題も…。
やめましょう、キリがないので(^_^;)
とにかく、どれぐらい残しておけば、誰にも迷惑がかかないのかがわからないので、私は貯蓄を使い切ってから…という気持ちにはなりにくいですね、今は。
要領よく効率よく殖やしたいので、今は頑張ってますけど、どう使うの?と問われると…。
一番怖いのは、相方の祖母のように、認知症になって施設で25年過ごしたタイプかな。
年金や貯蓄だけでは全然足らず、子供たちの持ち出しがかなりの金額だったのを知っているので。
(しかも、年々、施設に入れる要介護レベルが上がっているし、特養に入れるとは限らない)
これまた、こういうのを怖がっていたら、今から一円も無駄使いが出来なくなってしまいますけどね(^_^;)

健康寿命を全うして、ピンコロだといいなぁ(笑)

2015.05.14 08:48 みみん #yLibkmaY URL[EDIT]
300:

※298:yazirobe777さん
そうなんです。投資して退職金を失い老後難民なんてシャレになりませんね。

2015.05.14 20:58 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]
301:

※299:みみんさん
年金は「払わされた以上は貰わなきゃ!」というのは、よくわかります。強制ですからね。
健康寿命が尽きるころ、ピンコロが理想です。(^^)

2015.05.14 21:06 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]

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