大人のための投資の問題 回答編

前回記事「大人のための投資の問題」の私なりの回答編です。

金利や中央銀行の役割の話は複雑なので、言葉足らずのところがあるかもしれません。お気づきの点はコメント欄などで突っこんでください。

ということで、今回は回答編です。


日銀による大量買い入れにより金利が低下


Q1.「日銀による大量買い入れにより金利が低下し、」とあります。
金利の低下は日銀による大量買入れの結果でしょうか。日銀以外に要因はないでしょうか。
日銀が国債を買い入れれば金利が低下するのでしょうか。もしそうなら、国債暴落の懸念はないと思いますが、どうでしょう。


A1. 日銀が大量買入れを行っているのはこの2年ですが、過去10年間の日本国債の利回りを見ると、ほぼコンスタントに金利低下しています。

201_10yJGB.png
[出典]

日銀の買い入れとは関係なく、金利低下はずっと続いています。日銀の大量買入れによって金利低下に拍車がかかっているようにも見えません。

日銀による大量買い入れにより金利が低下というのは、慎重に考える必要があります。

日銀による大量買入れの結果として → 金利が低下した

のと

(何らかの理由で)金利が低下した → その原因を日銀による大量買入れに求める

のとでは、まったく別です。

金利の低下は日銀による大量買入れの結果とは言えません。日銀の買い入れとは関係なく、金利の低下が続いているからです。

日銀以外に金利低下の要因を求めるべきです。私は、金利の低下は日本の潜在成長率の低下と期待インフレ率の低下が背景にあると考えています。

日銀の国債買入れと金利の低下にどれほどの因果関係があるかは不明です。ですから、国債暴落の懸念の有無についても、日銀の国債買入との関係で語るのは不十分です。


景気が回復すれば金利は上がらざるを得ず


Q2.「景気が回復すれば金利は上がらざるを得ず、」とあります。
景気が回復すれば金利が上がるのはなぜでしょう。
景気が回復しても日銀が国債を買い続けた場合、金利上昇と金利低下の相反する状況になりますが、そのとき金利はどうなるでしょう。


A2. 景気が回復すると金利が上がるのは、次のメカニズムが働くからです。

景気回復によりGDPや企業業績も回復します。そうすると資本収益率が高まります。資本収益率が高まるのだから、企業は借り入れを増やして、雇用を増やしたり投資を増やして、さらなる成長を目指します。要は、景気回復で儲けやすくなってるんだから、お金やマンパワーを使って、もっと儲けてやろうとなるわけです。

そうすると、お金と労働力の取り合いになって、金利は上がるし賃金も上がる。

ということです。教科書的には。

ところが、蛇足ですが、グローバル化やIT化が進んだことで、景気が回復しても、先進国ではお金と労働力の取り合いは起きにくくなってます。

景気が回復しても日銀が国債を買い続けた場合ですが、その時の金利は、景気回復の強さ次第でしょう。景気回復に伴う資金ニーズの高まりで金利が上昇するのであれば、また、そのとき期待インフレ率がプラスでデフレマインドが払拭されていれば、日銀は国債買入の出口を模索するかもしれません。


金利と逆相関で動く国債価格


Q3.「(金利が上がる場合)金利と逆相関で動く国債価格は大暴落する可能性があり、」とあります。
金利が上がると、国債価格が下落するのはなぜでしょう。


A3. 金利は、将来手にするキャッシュフローの割引率だからです。

1年後にクーポン1円と元本100円の計101円を受け取れる国債の値段を考えます。

金利1%なら 101÷1.01で100円です。
金利2%なら 101÷1.02で99円です。

金利1%のときに100円のものが、金利2%になると99円になるということです。


経済クラッシュの懸念


Q4.「(国債の大暴落を)発端とした経済クラッシュの懸念も既に指摘されている」とあります。
国債が暴落すると経済がクラッシュするのはなぜでしょう。
景気が回復すると、金利が上がり、国債が暴落し、経済がクラッシュするというのは、すなわち、景気が回復すると経済がクラッシュすると読めます。このロジックについてどう考えますか。


A4. 国債が暴落すると経済がクラッシュするのは、金融や経済がメチャクチャになってる状況だからですね。でも、そういう状況はロシアやアルゼンチンやギリシャのような破綻の時です。日本ではその手のクラッシュはまず起きないです。

景気が回復すると経済がクラッシュすると読めることについては、本を売らんがための、経済クラッシュという結論ありきのロジックだからでしょう。


まとめ、のようなもの


ここまで辛抱して読んでくれた方は、なんか変な設問で、変な回答だな・・・と思ったかもしれません。

自分の説明力の足りなさを棚に上げて他人を責めるようで恐縮ですが、実は、本を紹介する文章のロジックに無理があるからなんです。

金利低下は、日銀の金融緩和の結果というよりは、日本の潜在成長率や期待インフレ率の問題ととらえるべきでしょう。日銀の買入れの有無にかかわらず、金利は低下基調なんです。それが日本の自然な姿です。

景気が回復すれば金利は上がらざるを得ず、というのはそうなんですが、日本経済の体温がそれほど高くないため、金利も基調としては上がりにくいはずです。

だから、景気回復によって「国債価格は大暴落する可能性があり、」というのは飛躍しすぎです。さらに「経済クラッシュの懸念」に至っては、煽りすぎです。

景気が回復して金利が上がるのは、通常の良い意味での金利上昇です。それが、デフォルトのような国債大暴落の引き金になるはずがありません。

結論としては、国債大暴落論に煽られないようにしましょう、ということです。

将来のリスクを予言する。
それが的確な指摘なのか、売らんがための不安の煽りなのか、それが問題ですね。


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274:

こんにちは

解答ありがとうございます。
前回の答えを考えていましたが
自己採点60点ぐらいです。

おっしゃるように予言を信じるのもリスクですね。
いざ、という時どうするか考えるのは良いのですが、
実際(年金が破たん→未納、国債暴落→資産をほとんど金、とかはちょっと…)
この手の話は目立つために煽るのも基本なのでしょ成人向けビデオと同じでパッケージを派手しないと売れません。
国債暴落本も近いかな…
(外が派手だと中身は残念のものが多いとか(笑)

2015.05.10 10:26 yazirobe777 #- URL[EDIT]
276:

※274:yazirobe777さん
成人向けビデオと同じですね。パッケージに飛びついて何度ガッカリした事か・・・ (^^;)
不安を大々的に煽ったもん勝ちなんでしょうね。

2015.05.10 19:13 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]
280:

マッチと消火器の広告にウィットを感じますw

2015.05.11 08:20 塩蔵 #- URL[EDIT]
283:

※280:塩蔵さん
ありがとうございます。
ちょっとした洒落心のつもりです。w

2015.05.11 19:57 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]

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