トヨタの個人向け新型株(AA型) 追加検討

過去記事「トヨタの個人向け新型株は、お買い得」の続編です。

さいもんさんの「おいしすぎる話?『トヨタ(7203)の個人向け新型株』について考えた」もご参照下さい。

今回はトヨタの新型株の評価について、数字の多い話になります。


前回の記事の後に気がついたこと


特性をもう少し詳しく見ないといけないのですが、開示されている情報からは、5年目以降に投資家が行使できるオプションとして以下の2つがあります

1. 普通株への転換
2. 発行価格での買取請求

ここまでは前回の記事でも書きました。

その後で、5年目以降に発行体であるトヨタが行使できるオプションとして

3. 会社による金銭対価の取得

があることに気がつきました。

5年過ぎたらトヨタの側にもコールするオプションが付いているということです。個人株主を増やしたいという趣旨で発行するAA株ですから、金銭で買取りするかどうかは分かりませんが、買入されちゃうリスクがあるってことみたいです。(本気で買うならトヨタ側のコールを確認しておきたいところです)


永久債としての考え方


5年目以降にどうするかは投資家、トヨタの両方にオプションがあるのですが、ひとまずトヨタは権利を行使しないと考えましょう。そうすると、永久に存続する証券と考えていいわけです。トヨタが存続している限りですけど。

債券として考えると、償還のない永久債です。

1年目に0.5%、2年目に1.0%、・・・、5年目以降は2.5%

この配当をクーポンとして、永久債の評価手法を使ってIRR(内部収益率)を計算します。

そうすると、IRR = 2.37% です。

IRRとは、国債でいう最終利回りです。あまり気にせず年利率と思えば結構です。

国債の利回り、銀行の定期預金、貯蓄性保険の予定利率などとくらべて、いかがでしょう。トヨタの証券を持って、年2.37%が(トヨタが買入消却しない限り)永遠に続きます。

利回りが割に合わないと思えば、5年目以降なら元本を棄損せずに換金できます。保険商品より魅力的だと思いませんか。


転換社債としての考え方


転換社債として考えましょう。

満期がなくて5年目以降にいつでも好きな時に転換の権利を行使できるとすると、そのオプション価値は非常に高いものになります。オプションの価値を決めるパラメータで時間価値が大きくなるからです。

そうすると大変なことになるので、試算としては、5年目に1回だけ転換オプションを行使できるとしましょう。

オプションで言うと
現在の価格:100
権利行使価格:120
オプション期間:5年
タイプ:ヨーロピアンのコール

ボラティリティは年18%にしましょう。配当とリスクフリーは、面倒なので(笑)ゼロにします。

そうすると

オプション価値は9.3%ほどになります。転換社債ならこのオプション価値がクーポンから引かれます。

9.3%は想定元本に対しての現在価値なので、5年でクーポン換算すると年1.86%くらいです。(本当は割引率をちゃんと考えないといけないのですが、混乱するので5で割っての按分です)

トヨタの5年債のクーポンが年2%だとすると、転換社債なら0.14%で見合うわけです。(トヨタの5年で2%はあくまで例としての数字です。現実感の薄い数字ですが・・・)

転換社債だと考えると、トヨタの新型株の配当はかなり魅力的です。


投資評価


トヨタの新型株は、5年間は「流動性がない」というのが最大のデメリットです。

その代りのメリットとして
永久債として考えるなら、IRRは2.37%になります。
これは国債利回り、定期預金、貯蓄性保険の予定利率との比較でかなり魅力的です。トヨタの信用リスクを考えたらなおさらです。

転換社債として考えるなら、年1.86%に相当するオプション価値が付いています。
今の株価は高値圏かもしれませんが、下値リスクを負わず上値を狙えるのは魅力です。なお、5年以降、いつでも権利行使ができるとしたら、オプションの価値はもっと高くなります。

転換権の付いた永久債として評価すると、ちょっと雑な評価ですが・・・

永久債の価値2.37%に転換オプション価値1.86%が付いて、だいたい年率4.23%くらいの価値と評価できます。元本が確保されて年4.23%の価値がある証券は魅力です。


まとめ、のようなもの


ということで、私としては、現段階では、トヨタのAA型株式は流動性のデメリットはあるものの、長期のお金を安全に運用したい人なら投資を検討するに値すると思っています。

チェックすべきは5年目以降のトヨタのオプションについてですね。トヨタが5年目以降に、あ、全部買入するわ、と言う可能性が気になるくらいです。それ以外はやはり悪くない設計だと思います。

インフレになったら?

という話は長くなるので今回はこのくらいで。(^^;)

見落とし、誤解などがあったら教えてください。

2015.5.27 追加記事「トヨタの個人向け新型株がお買い得なもう一つの理由

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244:

ややこしいですねw
とてもコメント欄で査定できるような物じゃありませんね。

これだけ有利な商品設計なら、予定価格が120%以上のブックビルディング方式となってますので、申し込みが殺到して権利行使価格が上がり、オプション価値が下がりそうですね。

あまり宣伝しないほうがいいかもしれませんw

2015.05.01 13:50 さいもん #- URL[EDIT]
245:

※244:さいもんさん
そうですね。あまり宣伝しない方がよさそうですねw

2015.05.01 14:01 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]
246:

ひぇ~~、複雑で^^;
ブックビルディングの結果(120%以上なんてなるかも)で、キャピタルゲインは考えないほうが良いってサイモンさんに教えられたし、
5年後、トヨタのコールオプション全量取得請求としておいて
そうなると、IRR計算して、1%、
あ!これならIRRなんて考えなくて、たんに1%の利回りじゃないか。
5年後のトヨタの経営状況、あるいはデフレ継続で全量取得請求もあり得るな^^
5年後ヨーロピアンタイプのコールオプション、120%で権利行使なんて、私にはとても予測不可能なんで・・

買わないほうがいいかもしれないな、
と書いておこう。

2015.05.01 17:22 いろいろでセカンドライフ #- URL[EDIT]
247:

※246:いろいろでセカンドライフさん
BBの結果で魅力度はまた変わってきそうですね。複雑な証券なので投資家のニーズによって魅力を感じる人と、あまり感じない人に分かれそうですね。

2015.05.01 18:30 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]

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