二人の秘書に給料格差があるのは不公平か

「同じ年齢で同じ仕事をしている二人の秘書の給料に差がある。ただし、両者には能力の差がある。あなたは、この賃金格差を不公平だと思いますか?」

「競争と公平感」という本にあった設問です。

今回は「競争と公平感」という本のステマです。


給料格差はフェアか?


冒頭の設問、二人の秘書の給料格差についてです。

不公平だと思いますか?

それについて、「不公平だ」と答えた人の割合は、日本では12.5%です。(2000年)

不公平だと言う人は100人中12人。残り87人は「当然だよ」とか「しょうがないんじゃない」とか、「不公平とはいえないよね」という感じでしょうか。濃淡はあるでしょうが、87人は「不公平ではない」としましょう。

100人中12人は格差を不公平だと言い、87人は不公平ではないと言います。多数の人は二人の給料格差を容認していることになります。

さて、どうですか?


真面目に働いても なまけてても


最初は僕だって熱かった 世の中を知らなかった
真面目に働いても なまけてても
給料は変わらないのに

1995年の大黒摩季さんの「LOVIN' YOU」の一節です。

「真面目に働いてもなまけてても、給料は変わらないのに」って、いまならすぐに翌年の給料に反映される時代ですよね。(^^;)

なんでこの歌詞を出したかというと・・・

実は、不公平だと答えた人の割合が調査年で大きく違うのです。
1981年の調査:32.1%
1990年の調査:41.1%
1995年の調査:18.1%
2000年の調査:12.5%

81年とか90年の数字を見ると、3割から4割の人は給料格差を不公平だと思っていたわけです。

「真面目に働いても、なまけてても、給料は変わらないのに」というのは、古き良き時代の、あまり差を付けないという人事管理の名残りかなーと。そういう時代もあったな・・・なんて。

それが90年代半ば以降の成果管理主義などの導入で、一気に文化が変わった気がします。


成果管理主義


成果管理主義をベースにした人事管理は、同じ会社内の同僚との「協働」を、「競争」へと変えたと思います。

「みんなでパイを大きくしていき、文句が出ない程度のあいまいさで割り勘で分ける文化」から、「みんなでパイを大きくしていき、分け前を争う文化」へと。前者はパイを大きくすることにみんなの意識が向かいますが、後者は、パイの分配に意識が向かいます。

私は90年前半までは「割り勘」の文化で、90年後半からは「個別会計」の文化だと思ってます。会計で払うのと、利益の分け前を受け取るのとではキャッシュフローは逆ですが、まぁ、符号を変えれば同じようなもんです。

90年前半まで
いやぁ~、みんなで飲んだねー。じゃぁ割るか。ま、テキトーに傾斜配分で。料理もおいしくて楽しかったね。またやろか。

90年後半から
飲んだ。じゃぁ会計すっか。A君はビール○本と、あれとこれと、それを食べたね。B君は焼酎とワインと紹興酒と、え?ほとんど食べてない?あっそ。C君は・・・。
じゃぁ、A君は○○円、B君は○○円、C君は・・・

(A君)あのぉ~、なんで私が○○円で、B君が○○円なんですか?確かにB君はほとんど食べてないけど、ガンガンに飲んでましたよ。おかしいじゃないですか!

なんて感じでしょうかね。まったく楽しくない飲み会です。

脱線しすぎました・・・ (-_-;)


そんなこんなもあって


冒頭の二人の秘書の給料格差ですが、1990年と2000年の調査で大きく数字が異なったのは、社会の文化というか、考え方が大きく変わったからかなと思ってます。

給料格差を容認する割合が増えたのは、分配を競い合う雰囲気が高まったからかもしれません。

ちなみに、調査は国際的に行われています。

不公平だと答えたのは日本では12.5%ですが、これは国際的には低い方です。ノルウェーでは45.6%、スペインでは38.5%、イギリスでは26.9%が不公平だと答えています。


まとめ、のようなもの


冒頭の「同じ年齢で同じ仕事をしている二人の秘書の給料に差がある。ただし、両者には能力の差がある」という設問は絶妙です。

同じ仕事をしているのだから、同一労働同一賃金で差があるのは不公平。
能力に差があるのだから、能力差で賃金に差が付くのは自然。

このバランスですね。

言葉足らずになるかもしれませんが、私は、人の能力なんてキッチリ測れないんだから、過度に差をつけるのはどうかと思いますね。だからと言って、みんなが主役みたいな変な平等主義もちょっと違うと思います。

絶妙な水準で格差を付ける、格差を抑える。

それが企業経営者の付加価値じゃないでしょうかねー w


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「競争と公平感」という本をおすすめします。

内容はよくいえば網羅的、悪くいえば拡散的。章ごとに話が飛ぶので一貫性が好きな人には向いてません。気軽に空き時間にちょっとずつ読むのに向いてます。

ブログでは紹介できませんでしたが
・人生での成功を決めるのは運やコネが大事と考える人の比率
・自立できない非常に貧しい人たちの面倒を見るのは国の責任であると考える人の比率
の国際比較も興味深いです。

経済的な話題として「守銭奴的流動性選好による不況理論」というのも面白かったです。

競争と公平感―市場経済の本当のメリット (中公新書)

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210:

私もある程度は成果主義派ですね。
格差ってバレた時が怖いんですよねぇ…。
だって、『私って、どうしてこんなに仕事が出来ないんだろう…』と思ってる人なんて、ごく少数ですもん(笑)
人間て、案外自信家ですよね(笑)

では、とら先生に問題です。
10年前に、パートの最低賃金(時給)が900円の地域がありました。
お役所のお達しで、毎年10円上がり、今は1,000円になっています。
ある人が10年前にパートを始め、『頑張るねぇ!』と誉められ、毎年15円ずつ昇給し、10年後の今は時給1,050円で働いています。
毎週の新人さんが入ってくるので、一生懸命教えていますが、そのベテランパートさんはふと思うのです。
『この人、いきなり1,000円から始まるんだよな…私とたった50円差じゃん…』
この場合の空しさはどうすればよいでしょう?
(自虐すぎて、涙が出てきました。グスン)

真面目に答えないで大丈夫です(笑)
私は強い子だから!

2015.04.25 17:33 みみん #yLibkmaY URL[EDIT]
211:

※210:みみんさん
金銭的にはそれほどの差がないとしても、お天道様はちゃんと見てます。
いつかどこかで、形を変えてちゃんと帳尻は合いますよ。(^^)

2015.04.25 18:13 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]
212:

私の出来は人並みです。
でも人並みの半分しか出来ない子っているんですよ。
サボってるのではなく真面目に働いてて・・・
そんな人は結構いますよ。
ちなみに凄いできる子はちゃちゃちゃ~と片付けてスマホしたりで遊んでます。
異常に早い(しかも正確)んですよね。
出来ない子との3倍は違う。
お給料一緒です。
遊んでるから私は腹をたててますけどね。

2015.04.25 18:38 しーさん #- URL[EDIT]
213:

※212:しーさんさん
労働の分配は難しい問題ですね。
能力、成果、努力、将来の成長期待、その他の複雑な連立方程式を解くようなものだと思います。労働の対価を払う側も、受け取る側も、みんなが満足する配分方法はないんでしょうね。

2015.04.25 18:46 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]

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