「年収は『住むところ』で決まる」というネーミングセンス

最近読んだ「年収は『住むところ』で決まる」という本の紹介です。

本の中身も面白くていいのですが、私が感心したのは本のタイトルです。

年収は「住むところ」で決まる ─ 雇用とイノベーションの都市経済学

原題は"New Geography of Jobs"です。これを「年収は『住むところ』で決まる」と名付けるセンスに感心しました。


年収は「住むところ」で決まる


目を引くタイトルです。世の中にはタイトルで目を引いて、読んでみたら中身が薄くてがっかりする本があるのですが、この本は違いました。

データにもとづく分析がされている本です。数字が多く出てくるので、数字が多いのが性に合わない人には読みにくいかもしれませんが、割り切って数字を流し読みすればわりとスラスラ読むこともできます。


米国の都市間格差


米国では日本よりも都市の格差が際立っています。だからこそこういう調査本が出るのでしょう。

ITの中心地であるシリコンバレーと、かつては自動車の製造で隆盛を極めたものの、いまは衰退著しいデトロイトでは、雇用の状況も違うし、当然ですが収入も歴然とした差が生まれます。

ITやバイオなど新たな産業の生まれるイノベーションの都市の高卒者は、旧来型の産業に依存する都市の大卒者より稼いでいるとのことです。

新たな産業やテクノロジーが生まれて人や情報が集まる都市と、魅力的な産業がなくて人を流出させる都市とでは、分配のもとになる富の蓄積が大きく違うということです。


大きく考えると、小さく考えると


本は米国の都市間競争の話ですが、それはグローバルに考えると国別の魅力度や競争力の話ともいえますね。

産業があって外から人を集めることができる国と、国内に魅力的な産業がない国とでは、所得格差を生じるのは明らかでしょう。なお、外から人を集める国というのは、安価な外国人労働者を受け入れる国という意味ではなく、外から新たな文化や情報、やり方を受け入れて、「イノベーション」を起こせる国という意味です。

国内に目を向けると、人を引き付ける東京と、人を流出させる地方という構図です。


やや脱線


新しいものを生み出すこと(=イノベーション)が富をもたらすとすると、世界の中では米国は強いですね。日本国内に目を向けると東京の一人勝ちです。

それというのも、清濁併せ呑むことができるのが世界では米国であり、日本国内では東京だからです。清濁併せ呑むというのは、いま流行りの用語では「多様性(ダイバーシティ)」ということでしょう。

異文化、多様な考え方、自分とは異なる生き方をどこまで受け入れることができるのか。

その許容範囲が広いほど、文化も社会も豊かになる気がします。

もっとも、国や地域社会は、ある程度同じ文化や風習、言語を共有し、一体感を持つ人々の集まりですから、コミュニティの一体感を維持したいという力が働きます。一体感を維持しながら多様性を受け入れるのは、言うほどには簡単ではないですね。ときに葛藤が起きます。

ただ、(特定の時期の特定の国との関係を過大視しなければ)、古来、日本人は海外からの文化、風習などを柔軟に取り入れ、外国とうまくやり、日本独自の文化を創造してきたと思ってます。過去、そうだったと思いますし、現にいまでもそうだと思います。

日本人って、歴史的に見れば意外とイノベーションが得意だったりして。

最後は脱線でした。(^^)

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